今週のお題「地元自慢」
今週のお題「わたしは○○ナー」
季節は秋。秋は実りの秋、食欲の秋とも云われていますね。
私たちはたくさんの食材・食品に囲まれています。たくさんの、新鮮で、見た目も綺麗で、美味しい食材・食品が処狭しと並んでいます。その中から好きなものを好きなだけ食べられる、そんなとても恵まれた中で毎日を過ごしています。感謝、しかありません。
でも、好きなものを好きなだけ食べることのできない人たちも存在します。食物アレルギーのある人たちです。
好き嫌いではなく、アレルギーがあって食べられない人、まわりにもいるのではないでしょうか。もしかしたらあなた自身が食物アレルギーを持っているかも知れません。
食物アレルギーとは。
食物アレルギーのポータルサイトがありました。以下転載です。
食物アレルギー 特徴について
食物アレルギーは、ある特定の食べ物を食べたり、触れたりした後にアレルギー反応があらわれる疾患です。
食物アレルギーの原因となる物質であるアレルゲンは、主に食べ物に含まれるタンパク質で、乳幼児期には小麦や大豆、鶏卵、牛乳などが、学童期以降では甲殻類や果物、そば、魚類、ピーナッツなどのように、加齢に伴って食物アレルギーの原因が変わっていくという特徴があります。乳幼児の5~10%、学童期以降では1~3%が食物アレルギーと考えられています。子どもの頃の食物アレルギーは、多くが成長に伴い徐々に原因食物が食べられるようになります(「耐性獲得」といいます)。一方で、大人の食物アレルギーは、耐性獲得しにくく、原因食品の継続的な除去が必要なことが多いと考えられています。
アレルギーを引き起こす原因をアレルゲンと呼びます。
アレルゲン(ドイツ語: Allergen)
アレルギー疾患を持っている人の抗体と特異的に反応する抗原のこと。一般には、そのアレルギー症状を引き起こす原因となる物質を言う。感作はされているが具体的な症状があるわけではない人においても、その抗体と反応する抗原についてもアレルゲンと呼ぶ。さらに広義には、それに対するアレルギー患者が多いなど、アレルギーの原因によくなり得る物質のこと。和製で「アレル原」や「アレル源」とも表記されることもある。
正確には抗体と反応してアレルギーを引き起こす物質(抗原)そのものを指すが、その抗原を含んだ物質(食品など)を指すことも多い。たとえばスギ花粉症におけるアレルゲンは Cry j 1(クリジェイワン)などの花粉に含まれるタンパク質が同定されているが、一般にはスギ花粉症のアレルゲンはスギ花粉として認識されている。
アレルギー物質ともいう(とくに、上記の「アレルギーの原因によくなり得る物質」のことや、「アレルゲンを含んだ物質」の意でそう呼ばれる)。
免疫反応のひとつである抗原抗体反応における抗体をアンチボディ (antibody)、抗原をアンチゲン (antigen) というが、アレルゲンとはアンチゲンとアレルギーとを合成した造語である。アレルギーという疾患(メカニズム)の提唱者であるオーストリアの小児科医フォン・ピルケーがそのように呼んだ。
アレルゲンを主に摂取=食べたり飲んだりすることで起きるのが食物アレルギーと呼ばれる症状になります。
アレルゲンとなりやすい食べもの
食物アレルギーの原因食物
食物アレルギーの原因食物は鶏卵・牛乳・小麦がトップ3
食物アレルギーを引き起こす原因食物として鶏卵、牛乳、小麦の割合が多くなっています。
その他、クルミやカシューナッツなどの木の実類、落花生(ピーナッツ)、キウイフルーツやバナナなどのフルーツ、イクラやたらこなどの魚卵、ソバ、大豆、魚類などがあります。最近、木の実類による食物アレルギーが増加しています。特に、クルミやカシューナッツです。これらの原因食物は年齢によって割合が異なります。
アレルゲンの中でも特に、
▲鶏卵
▲牛乳
▲小麦
▲ソバ
▲ピーナッツ
▲エビ
▲カニ
- 鶏卵
- 牛乳
- 小麦
- ソバ
- ピーナッツ
- エビ
- カニ
は7大アレルギーと呼ばれ、多くの人にとってのアレルゲンとなっています。
食物アレルギー症状
症状について
食物アレルギーの症状は皮膚や、呼吸器、消化器など身体のさまざまな臓器にあらわれます。およそ90%に皮膚症状、およそ30%に呼吸器症状や粘膜症状が認められます。
- 皮膚症状:かゆみ、じんましん、むくみ、発赤、湿疹など
- 呼吸器症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、息苦しさ、ゼーゼー・ヒューヒュー(ぜん鳴)など
- 粘膜症状:目の充血や腫れ、涙、かゆみなど、口の中や唇、舌の違和感、腫れなど
- 消化器症状:下痢、吐き気・嘔吐、血便など
- 神経症状:頭痛、元気がなくなる、意識もうろうになるなど
これらの症状は、1つだけがあらわれる場合もあれば、急に複数の臓器に症状があらわれることもあります(「アナフィラキシー」といいます)。アナフィラキシーの症状に、さらに血圧低下や意識障害など急激に全身の症状が進行する場合を「アナフィラキシーショック」と呼び、生命の危険にまで及ぶことがあります。
アナフィラキシー
アナフィラキシー 特徴について
アナフィラキシーは、アレルギー反応でも特に重篤な状態であり、「アレルゲンなどの侵入により複数の臓器に全身性にアレルギー症状があらわれて生命に危機を与え得る過敏反応」と定義されています。複数の臓器とは、皮膚・呼吸器・消化器・循環器・神経などを指します。血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショックといい、一刻も早く医療機関で治療しないと死亡することがあります。
アレルギー反応が極端に強く出てしまった状態をアナフィラキシーと呼びます。時には命に関わる重篤な状態になることも充分にあり得ます。
アレルゲンはほかにもたくさんある
命に関わるものなので、食品のパッケージなどに「特定原材料」として表記が義務付けられているものがあります。
アレルギー表示
容器包装された加工食品・添加物については、重い症状を引き起こしやすい、あるいは、症例数が多い7品目を「特定原材料」と定めて食品表示法のルールに基づき表示を義務付けています。
また、特定原材料に準じるものとして、21品目に表示の推奨がなされています。推奨ですから、表示されていない場合があります。
本文にもあるように準に該当する21品目は表示されていない場合もあります。
食べるものがないのでは?
アレルゲンとなる食材を見るとタマゴ・牛乳・小麦とあります。これらは料理の基本とも言える食材です。これらに対しアレルギー反応がある場合、かなりの制限が必要になってしまいます。
そんな中、食物アレルギーがあっても、食べることが楽しくなってしまう!そんなお店の情報を見つけましたので紹介したいと思います。
「どれを食べてもいいよ」と言えるお店
「どれを食べてもいいよ」と言えるお店
食物アレルギーの子でも安心のケーキやお菓子 小麦粉や卵「7大アレルゲン」なし “アレルギー対応食”のお店を作ったのは「母としての願い」から
小麦や牛乳を使わないケーキ。2人の子どもの食物アレルギーと向き合ってきたお母さんが作っています。「みんなで一緒に美味しく」。そんな願いを込めたお店を取材しました。
アレルギーのある方も、アレルギーのない方も共存できるカフェ
『Café Mutter』はアレルギーのあるなし関係なく、みんなが一緒に同じ時間を共有できるような場所づくりを目指しています。アレルギーの関係で今までなかなか外食が出来なかったお子さんにとって、初めての外食の場所として、当店をお選び頂けると幸いです。また、子育てでそれぞれ数多くのお悩みを抱えているママさんたちにとっての憩いの場、情報共有の場としてもお使い頂けるカフェですので、Mutterグループができるなどママ友さん同士で相談し合える環境が整っています。「ママとお外で一緒にケーキを食べられるなんて…!」といった感動の声も頂くことも。
お子様連れにやさしいカフェです
お子様連れのママさんご自身がゆったりとお寛ぎ頂けるとともに、お子さんにとってもやさしいスペースが自慢のカフェです。子どものイス、小上がり、オムツ換えスペースなど、お子さんにもママさんに利用しやすいので、大変好評を頂いています。
動画の中では、牛乳にアレルギーがある男の子の実際の治療風景も収められています。咳き込んでいるのに辛そうな表情を浮かべず、楽しそうにオモチャで遊ぶ男の子。その後、カフェムッターのショーケースでケーキを無邪気に選ぶ男の子。
リアルを目の当たりにしてショックでした。
アレルギー疾患は増えている
アレルギーは食物だけではありません。一番身近なものは「花粉アレルギー」ではないでしょうか。花粉も含めアレルギー疾患のある人は、
日本人の約2人に1人がアレルギー疾患
日本人の約2人に1人がアレルギー疾患 | 一般社団法人クリーンエア | JCAA
今から50年前には日本では「アレルギー」は、ほとんどありませんでしたが、現在では国民の3人 に1人が何らかのアレルギーを持っているといわれています。
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-08.pdf
↑厚生労働省がまとめた食物アレルギーに関する資料
と、実に多くの人が何らかのアレルギーがあるとされています。
大人のアレルギー
ーーーこどもの時はアレルギーだったけど大人になったら治った
そんな話を聞いたことあると思います。実際にそのような例は少なくないようです。ではアレルギーはこどもに限ったことなのかというとそうではなく、むしろ最近では成人のアレルギーが増えてきているそうです。
「増える成人のアレルギー」(視点・論点)
アレルギー専門医 福冨 友馬最近の調査では日本人成人の二人に一人が何らかのアレルギー疾患をもっているということがわかっています。
気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎は3大アレルギー疾患と言われ、生活環境の近代化に伴って世界中で増加してきた病気です。一方、最近10年ぐらいで特に増加し社会問題になっているのは食物アレルギーです。私は10年以上内科医として、成人の食物アレルギー患者さんを診療してまいりました。今日は成人の食物アレルギーにフォーカスを当てて成人のアレルギーの現状についてお話ししたいと思います。
食物アレルギーといえば、小児の卵、牛乳、小麦などのアレルギーを思い浮かべることが多いと思います。しかし、成人になって新しく発症する食物アレルギーも決して珍しくありません。しかも、こどもの食物アレルギーと比較すると、成人発症のものはその原因の食物、症状などが大きく異なっています。
成人の原因食物はどんなものが頻度が高いのでしょうか。私が診療しております相模原病院での成人の食物アレルギー患者さんの原因食物を見ると、最も頻度が高いのが果物・野菜で、次に多かったのが小麦、甲殻類でした。ここで重要なのは、こどもの原因アレルゲンとして重要な卵や牛乳は成人の原因としては頻度が低いということです。
食物アレルギーでは通常、原因食物を食べた後2時間以内に、じんましんやかゆみなどの皮膚症状、咳、呼吸が苦しいなどの呼吸器症状、腹痛、吐き気、下痢などの消化器症状、血圧低下などの症状が起こります。これが普通の食物アレルギー症状です。しかし、成人の食物アレルギーでは、誘発される症状にも特徴があります。
成人では、OAS、FDEIAという症状の出方になる患者さんが比較的多いです。OASはoral allergy syndrome口腔アレルギー症候群の略称で、食べ物を食べた後、くちびるがはれる、のどがかゆいなどの、口とのどに限られた症状が出ることを言います。FDEIAはFood-dependent exercise-induced anaphylaxis 食物依存性運動誘発アナフィラキシーの略称で、原因食物を摂取しただけでは症状は起こらず、原因食物を摂取した後運動した時にのみ症状が起こることを意味しています。
さらに成人の食物アレルギーの特徴の一つとして、その発症のメカニズムが多様性に富んでいるという点も挙げられます。一般的には、食物アレルギーは、食物を食べているうちに、腸の粘膜を介して食物アレルゲンにさらされて、だんだんアレルギーになっていくものだという認識をされてきました。しかし、大人でこのような食べることによって発症している人は全体の半分程度で、残りの半分は食べること以外の様々な要因で食物にアレルギーになります。
食べること以外のことが原因となる発症パターンの代表が、先ほど成人では最も頻度が高いとご説明した果物・野菜アレルギーです。これは、決して果物・野菜を日常的に食べているから発症するわけではなく、その発症の原因は花粉アレルギーであることが知られています。
成人の果物・野菜アレルギーの原因は、花粉症の原因アレルゲンと形の似ているアレルゲンが果物・野菜の中にも存在することにあります。ヒトの免疫は形の似ているアレルゲンを区別できないことがあります。ですので、花粉アレルギーの患者さんの一部が、花粉と区別できずに果物や野菜に反応してしまいます。
例えば、毎年カバノキ科花粉を吸った結果、カバノキ科花粉アレルギーを発症した患者さんの一部が、同時にカバノキ科のアレルゲンと似たアレルゲンをもつリンゴにも反応するようになります。そして、リンゴアレルギーを発症します。このような現象を花粉食物アレルギー症候群と呼びます。
この例のように、皮膚や鼻や目の粘膜にアレルゲンが入ってきて、結果的に食物アレルギーの発症の原因になるという例が他にもたくさんあります。
昔から有名な事例が、ラテックスアレルギーです。医療従事者の間でラテックス手袋の使用で、ラテックスアレルギーになり、ラテックスアレルゲンと似たようなアレルゲンをもつ、クリ、アボカド、バナナなどの食べ物でも食物アレルギーを生じるようになるという病気があります。また、洗顔石鹸中の添加物の小麦成分に、皮膚や鼻や目の粘膜を介してアレルギーになった結果、小麦アレルギーを発症してしまう事例が多数報告され、2011年ごろに大きな社会問題になりました。残念なことに、その成分が(旧)茶のしずく石鹸という大人気商品に含有されていたために、2000人を超す被害者を出すという大事故につながってしまいました。
調理師や食品加工業のかたは、頻繁に同じ食物を触ったり、食物をボイルした蒸気を吸入したりするため、皮膚や粘膜を介して食物にアレルギーになり、最終的にその食物を食べてもアレルギーを発症することがあります。特に、手荒れがあるかたは、手の皮膚のバリア機能が低下していますので、毎日手の皮膚を介して同じ食物アレルゲンにさらされることにより、その食物にアレルギーになりやすいです。
このような食べること以外のことが原因で食物アレルギーを発症している人は、例えば原因になった化粧品を使用しないなど、発症の原因となったアレルゲンにさらされないようにすることによって少しずつ食物アレルギーが良くなっていくことがあります。ですので、患者さん一人ひとりの発症の原因を突き止めることが、食物アレルギーへの対策を講じるうえで非常に重要になります。
最後にアレルギーの診断を受けるときに、注意する点についてお話します。
アレルギーの原因を特定するために行う検査として、医療機関で最もよく行われる検査は、採血を行いどの食物にIgE抗体というアレルギーに関わる抗体の反応があるか調べる検査です。この検査は採血を行うだけで調べられますので、非常に役に立ちますが、その検査結果は完全には実際の症状と一致しないことがあるので注意が必要です。血液IgE検査が陽性で、本当にその食物で症状があるのであれば、アレルギーと診断して、その食物は除去の対象になるというのが原則です。しかし、血液検査は陽性でも症状は誘発されてないこともあります。検査が陽性でも間違いなく症状がないのであれば、それはアレルギーとは診断しませんし、除去の対象にはなりません。一方で、間違いなく症状があるのにも関わらず血液検査は陰性であることがあります。その場合は、検査を他の方法でやり直したりもしますが、やはりどのような検査を行ってもIgE反応が示されない場合があります。このような場合でも症状を起こす食物は除去の対象になります。
このように食物を除去するかどうかは検査結果ではなく、最終的には、本当に症状があるかどうかで決定します。血液検査が陽性というだけで、症状がないにもかかわらず食物を除去すべきなのだと勘違いされているケースは非常に多いので、その点は注意が必要です。
今日は、成人の食物アレルギーについてお話しさせていただきました。アレルギーは子供の病気と思われていることが多いですが、アレルギーは成人にも発症し、症状や原因も子供とは大きく異なっています。成人のアレルギーは、個々の患者さんの長年にわたる様々な生活習慣を反映していることが多いので、原因を突き止めることが難しいことも多いです。今日は、これまでにわかっていることをお話ししましたが、まだまだ分かっていない病気や治療法もたくさんありますので、今後も研究を続けていく必要があります。
★がぉー!ポイント★
食べたいのに「食べられない」のではなく「食べることができない」。体質だからと割り切れるようになればいいのですが、まわりがみんなケーキを食べている中、自分だけガマンしなくちゃいけない、そんなことをこどもに強いなければならない。もちろん命に関わることなので制限をしなくてはいけない。
今回紹介したカフェムッターさんのような取り組みは、間違いなく「おいしい!」という言葉と共にこどもたちの笑顔にしてくれていると私は思っています。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。