((( MENU )))

適材適食 -てきざいてきしょく-

あなたに合った食べものを、あなたに合った食べ方で。

1893食目「アルコールが抜けるまでの時間」知っておこう!意外と時間がかかるんです。

特別お題「わたしの2022年・2023年にやりたいこと

「アルコールが抜けるまでの時間」知っておこう!意外と時間がかかるんです。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

2022年から2023年。今回の年末年始は久しぶりの行動規制のないお休みです。あなたはどこへ行きましたか?誰と会えましたか?

「アルコールが抜けるまでの時間」知っておこう!意外と時間がかかるんです。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

ひさしぶりに会う家族や友人、ついついいつもよりもお酒が進んでしまったかも知れません。楽しい時間を過ごす時にアルコールは役立ちます。普段は全然飲まない人も、年末年始にはつい飲んでしまう人もいると思います。

そこで今回は「アルコールがカラダから抜けるまでの時間」について観ていきましょう。

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

アルコールには色々ある

先日、お酒はメタノールなのかエタノールなのか?というお話をしました↓

が、今回の色々とは種類のこと。そ、ビールとかそういう種類のこと、です。そして種類によってアルコールの度数が違うのはご存知の通りです。

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

アルコールには単位がある

ーーーえ?アルコールの単位って何???

「アルコールが抜けるまでの時間」知っておこう!意外と時間がかかるんです。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

例えば二人がAさん「昨日日本酒3合飲んじゃったよ」Bさん「私は赤ワインをボトル半分」と話していた場合、どちらの方がたくさんの量を飲んだのかを比べようとするとなかなか難しい訳です。日本酒もワインもお酒=液体なので、何リットル飲んだのかを比べてもそれぞれ含まれているアルコールの量が違うので、たくさんの量を飲んだとしても必ずしもアルコール量が多いとは言えないのです。そこで共通の単位があるのです。

アルコール1単位=純アルコール量20g前後

とされています。

「アルコールが抜けるまでの時間」知っておこう!意外と時間がかかるんです。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

厚生労働省のサイトに詳しく判りやすい説明があります↓

飲酒量の単位

酒を飲んで「酔い」などの効果をもたらすのはアルコールですが、酒に含まれるアルコールの濃さ(強さ)は千差万別です。アルコールの体や精神に対する影響は、飲んだ酒の量ではなく、摂取した純アルコール量が基準となります。酒に含まれる純アルコール量(ドリンク数)を知っていれば、飲んだ酒の影響や分解時間などが推定できます。

酒類とは酒税法で、アルコール(エチルアルコール)分1度以上の飲料(薄めてアルコール分1度以上の飲料とすることができるもの、または溶解してアルコール分1度以上の飲料とすることができる粉末状のものを含む)と定義されています。ご存知の通り、酒は様々な原料から様々な製法で作られ、無数とも言えるほどの種類があります。また、それぞれが、異なった特有の濃度のアルコールを含んでいます。
「アルコールの作用」の項でも説明している通り、酒を飲んで「酔い」などの効果をもたらすのは、このアルコールです。従って、アルコールの体や精神に対する影響は、飲んだ酒の量ではなく、摂取した純アルコール量が基準となります。純アルコール量で比較すれば、酒の種類や強さを考えずに、影響が推定できます。

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/wp-content/uploads/1drink_of_alcohol.png

飲酒量の単位 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

この表を元に先程の二人の会話をアルコール単位で観てみると、

▼Aさん

 日本酒=アルコール15%=1合(180mL)=22単位

 3合=540mL=66単位

▼Bさん

 赤ワイン=アルコール12%

 ハーフボトル=375mL=36単位

となり、日本酒3合飲んだAさんの方が断然多くのアルコールを摂取したことになるのです。

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

アルコールを分解する仕組み

つまり飲んだお酒の種類によって摂取したアルコールの量は変わっていくのですが、変わらないのは私たちのカラダのアルコール分解機能の能力。これも厚生労働省のサイトを参考にします↓

2. アルコールの代謝

アルコールはアルコール脱水素酵素(alcohol dehydrogenase; ADH)とミクロゾームエタノール酸化系(microsomal ethanol oxidizing system; MEOS)によってアセトアルデヒドになり、アルデヒド脱水素酵素(aldehyde dehydrogenase; ALDH)によって酢酸になります(図)。ここまでは主として肝臓での代謝ですが、酢酸は筋肉などの肝臓外の組織で主に代謝されます。

肝臓の代表的なADHは、1A・1B・1Cの3種類の酵素でアルコール代謝の主役です。ADH1Bには遺伝子多型があり、5~7%の日本人はアルコールの分解が遅いADH1Bを持っています。非アジア系民族では90%以上がこの型です。遅い代謝の酵素を持つ人は、速い代謝の人と比べて、肝組織のADHの実測活性が1/5~1/6しかありません。この遅い代謝のADH1Bがあると、多量に飲酒した翌日もアルコールが長時間残って酒臭いことが多く、アルコール依存症になりやすい体質です。日本のアルコール依存症患者さんでは約30%の人がこのタイプです。長時間アルコールが残るだけでなく、アセトアルデヒドをゆっくり産生するので、顔面紅潮、動悸、嘔気、頭痛などの不快なフラッシング反応が起きにくいことも、多量飲酒者になりやすい理由です。しかし、不思議なことに、20g程度の飲酒実験ではADH1Bのタイプによる代謝速度に差がみられません。ある程度たくさん飲む習慣がついてから、ADH1Bのタイプによる代謝速度や飲酒習慣への影響が顕在化してくるのだろうと思われます。

もう一つのアルコール分解酵素群のMEOSでは、習慣的な飲酒を続けていると、特にチトクロームP4502E1(CYP2E1)と呼ばれる酵素が増えてきます。習慣的に飲んでいるとアルコールに強くなって飲めるようになる主な理由は、脳での耐性が進んでアルコールが効かなくなるためですが、もう一つの理由がこのCYP2E1が増えてアルコール代謝が速くなるためとされています。ADHはほろ酔い濃度で酵素の働きが最大になりますが、CYP2E1の働きは酩酊濃度(1mg/mL以上)で最大になります。習慣的な多量飲酒者では、酩酊濃度でのアルコール分解速度が速くなるのです。しかし、CYP2E1は数日の休肝日で酵素量が減り、1週間も飲まないともとに戻ってしまいます。このように、同じ人でもアルコール代謝の速度が速くなったり遅くなったりします。

 

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/wp-content/uploads/alcohol_ADL_ALDH_mechanism-1.png

アルコールの吸収と分解 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

ちょっと難しいので、要するにという解説を見つけました↓

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

アルコールを分解するまでの時間

「アルコールが抜けるまでの時間」知っておこう!意外と時間がかかるんです。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

アルコールは何時間で抜ける?

一般的に、体重60kgの成人男性がアルコール1単位を分解するのにかかる時間は、約4時間と言われています。女性の場合はさらに遅くなり約5時間です。

つまり、体重60kgの成人男性が「ビール中ビン2本、日本酒1合」を飲んだ場合、アルコール3単位分の摂取となるため、分解には約12時間かかります。お酒を飲んでから半日経っても、まだアルコールが体内に残っている可能性があるのです。

また、アルコールの分解時間は、体質や年齢などによる個人差も大きいため、一概に「〇時間経過したら大丈夫」とは言えません。普段お酒が強い人でも、年末年始の飲み会続きで肝臓が疲れ、普段よりアルコールの分解に時間がかかることもあります。

お酒は何時間で抜ける?大人なら絶対に知っておきたいアルコールの分解時間 | おたくま経済新聞

1単位のアルコールを分解するのに、

  • 体重60kgの男性・・・・・約4時間
  • 女性の場合・・・・・・・約5時間

もかかるのです。

たった1単位でも、翌朝までかかってやっと分解できる、それくらいアルコールは酔っているという自覚がなくても、カラダの中に残り続けるんですね。

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

厚労省が薦める?よいお酒の飲み方?!

こんなアドバイスも↓

1. アルコールの吸収と分布

アルコールは胃にあるうちはゆっくりと吸収され、小腸に入ると速やかに吸収されます。そのため胃から小腸への排出時間が速いと、どんどん血液に入って血中アルコール濃度が高くなります。食事の有無やアルコール飲料の種類と飲み方によって、胃からの排出時間が異なるため、血中アルコール濃度も異なります。たとえば同じ量の純アルコールでも、食事しながらビールを飲むより、空腹時に高濃度少容量のウイスキーや焼酎をストレートで飲むほうが血中アルコール濃度はかなり高くなります。このような理由から、アルコールは食べながら飲むことや薄めて飲むことが推奨されるのです。

胃潰瘍や胃がんで胃を切除した人もすぐにアルコールが小腸まで流れ込むため、ビール1缶(350mL)相当の飲酒実験では胃切除前に比べて血中アルコール濃度が約2倍になると報告されています。

アルコールは体内の水分のある所に拡散して分布します。女性は平均的な体重も軽いうえに体脂肪率が高く総水分量が少ないので、男性と同じ量のアルコールを摂取すれば血中アルコール濃度が高くなります。肝臓の大きさにも個体差が大きく、飲酒後の血中アルコール濃度の個人差が大きい背景です。

汗をたくさんかいたり、水をたくさん飲んだりすると、アルコールが速くぬけると勘違いしている人もいます。確かに、わずかな量のアルコールは呼気(0.7%)、汗(0.1%)、尿(0.3~4%)からも排泄されますが、代謝のほとんどは肝臓で行われます。

アルコールの吸収と分解 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

「アルコールが抜けるまでの時間」知っておこう!意外と時間がかかるんです。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

楽しい席でアルコールが入るとさらに楽しくなるのは判ります。年末年始は特別ですし楽しい時間を過ごすことはとても大切です。しかし、お酒に強い人もカラダの中に取り込んだアルコールを分解するにはとても時間がかかるのです。連日の飲酒は避けて、いつもよりもペースを落とすぐらいでアルコールを楽しく飲みましょう。

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

★ぴょん!ポイント★

飲酒運転だけはダメ!ゼッタイ!

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

*1 

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。