今週のお題「マメ」
毎月季節の果物を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役果」。
私は健康なカラダづくりに役立つ果物を【役果やっか】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える果物たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。2月の役果はオレンジです。
オレンジ
オレンジは国産なら1月〜3月、海外産ならバレンシアオレンジが4月〜10月、ネーブルオレンジが11月〜3月と1年を通して愉しむことができます。
オレンジ(甜橙、orange)
柑橘類に属するミカン科ミカン属の常緑小高木やその果実。特に日本では、原産地インドからヨーロッパを経由して明治時代に日本に導入されたものを「オレンジ」と呼んでいる。
パッと目を引く鮮やかな色合いのオレンジ。同じ色合いの中からその名前をチョイスされるほど、オレンジはオレンジ色です。
今の寒い時期の必須アイテムであるコタツ。そしてコタツの上にはカゴに入ったミカン。最早日本の文化と言っても過言ではないでしょう。
そんな日本のミカンを英語で訳すと、orangeではなく、satsuma(サツマ)だったりします。*詳しくはこちら↓
日本でいうオレンジとは
日本では、オレンジといえば主に和名アマダイダイ(甘橙、甘代々 学名:Citrus sinensis)を指し、英語圏ではこれが「スイートオレンジ」と呼ばれている。スイートオレンジの品種は接ぎ木による無性生殖で殖やしていく。これらの変種は突然変異を介して生じる。オレンジは、ブンタンとマンダリンの交雑種である。葉緑体のゲノムすなわち母系はブンタンのものである。スイートオレンジは全ゲノム配列解析済みである。
甘い橙色のもの=甘橙=オレンジ、ということのようです。みかんの仲間は橙色の果実を付けますが、中でもオレンジは特に甘かったことからアマダイダイ=甘橙と呼ばれるようになったそうです。
オレンジは、中国南部・インド北東部・ミャンマーを含む地域が発祥で、同果物に関する最初期の言及が紀元前314年の中国文学に見られた。1987年時点でオレンジの木が世界で最も栽培された果樹であることが判明した。オレンジの木は、その甘い果実のため熱帯と亜熱帯の気候で広く栽培されている。オレンジの果実は生のまま食べたりもするし、ジュースに加工されたり香りづけで果皮(オレンジピール)が加工されたりもする。 2012年時点で、スイートオレンジが柑橘類生産量の約70%を占めている。
紀元前から栽培され、今では世界で最も栽培された果樹にまで拡がったそうです。それだけ世界中の人から愛されている、みんな大好きオレンジ!ということなんですね。
2019年には、7,900万トンのオレンジが世界中で栽培され、全体の22%をブラジルが生産し、中国とインドがこれに続いている。日本での栽培はネーブルオレンジを除いてそれほど多くなく、国内流通品の大部分はアメリカのカリフォルニア産である。日本国内では広島県、和歌山県、静岡県などで年間6,000トン前後が生産されている。
なんと世界中のオレンジの22%がブラジル生まれ、なんだそうです。というのも↑記事内にもありますが、オレンジ=カルフォルニアというイメージがあったのでびっくりです(オトナの事情とかありそうだ)。
広島、和歌山、静岡が国内ではトップの生産量のようです。
オレンジという名の起源
「オレンジ」という言葉は、サンスクリット語でオレンジの木を意味する「ナーランガ(नारङ्ग)」に由来し、これを更にさかのぼるとドラヴィダ語で「香り高い」を意味する「ナル(naru)」から来たものである。このサンスクリット語は、ペルシャ語「ナーラング(نارنگ)」やアラビア語「ナーランジュ(نارنج)」を介して欧州言語に入ってきた。
このアラビア語がフランスの古プロヴァンス語に入ると、果実の色からラテン語で「黄金」を意味する"au-"が付されて「オーランジャ(auranja)」となり、フランス語では「金」を意味する"ou-"に置き換えられて「オルンジュ(orenge)」に変化した。そして14世紀に、この古フランス語の単語が後期中英語に導入されて「オレンジ(orange)」になったとされる。最初に英語でオレンジ(orange)と表記されたのは1512年である。オレンジ色はこの果物にちなんで名付けられた。
東南アジア、東アジア一帯で使われていたサンスクリット語が語源になっているようです。何だか原型がなくなっている気もしますが、フランス語の黄金を意味する=オウの音が含まれているという点がとてもしっくり来ました。
みかん一族の家系図
ミカン類はとても種類や品種が多いのですが、家系図がありました↓
果たして「オレンジ」を見つけることができるでしょうか。知らない品種、まだ食べたことのない品種などいっぱいありました。
↑手に入りやすい10種類の有名なみかんの食べ比べをしました。(まだまだ)
ミカン類のあの白い筋の名前
オレンジも含めミカン類って外皮を剥くと必ず出てくるのが白い筋です。あの白い筋に名前が付いているって知っていますか?
正解は「アルベド」と呼びます。*詳しくはこちら↓
そ、そしてアルベドは食物繊維として食べても問題はありません(もちろん食べなくてもいいですけど)。
他にも果実の様々な部分にきちんと名称が付けられています↓
みかんは、私たちが普段みかんの皮と呼んでいるだいだいいろの色のところを「フラベド」、その内側の白い海綿のような部分を「アルベド」、さらに内側にみかんの房がならんでつまっています。ひとつひとつの「房」は、じょうのう(袋)と砂じょう(袋の中身)でできています。「じょうのう」は花の子房が成長したものです。じょうのうの中にある、水分の多いつぶつぶしたところが「砂じょう」です。じょうのうの表面には、網の目のような白いすじの「維管束」があります。維管束は、葉や土から吸収した栄養分や水分をみかんに補給するはたらきをします。
美味しいミカンの見分け方
オレンジもミカン類ということで、美味しいミカンについての見分け方です。
外見
扁平な形でだいだい色がこく、枝から伸びて果実をつけている部分である果梗が細いみかんがおいしいと言われています。腰高で果梗が太い果皮があついみかんは酸味が強い傾向にあります。
中身
果皮がうすくてやわらかく、じょうのうがたくさんある10ふくろ以上がおいしいようです。
★ぴょん!ポイント★
オレンジをはじめとするミカン類。乾燥しやすい季節に潤いを与えてくれるだけでなく、見た目にも鮮やかなオレンジ色が心を元気にしてくれる気がします。ジュースならいつでも飲むことができます、旬の今だからこそ、オレンジの美味しさを愉しんでみてください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。