毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。3月の役菜はカブです。
カブ
カブの旬は10月〜3月まで。
カブ(蕪、学名:Brassica rapa var. rapa)
アブラナ科アブラナ属の越年草。代表的な野菜(根菜類)の一つで、別名はカブラ、カブナ、カブラナ、スズナ(鈴菜、菘)、ホウサイ(豊菜)、ダイトウナ(大頭菜)など数多い。春の七草の1つとしても知られる。食用にするのは胚軸とよばれる根の部分と葉で、日本各地に多様な地方品種がある。
(株)ではなくて蕪です。カブと聞いて思い出すもの、と言えば↓
おおきなかぶ
おおきなかぶ(露: Репка)
ロシアの民話の一つであり、童話である。大きく育った蕪(かぶ)をみんなの力を合わせて引き抜くという話で、畳語によって話が累積的に展開する。
ロシア語 "репка(ラテン翻字:repka、日本語音写例:レプカ)" は、英語でいうところの "turnip"、日本語の「蕪(かぶ)」に当たるアブラナ属の野菜のことで、本作を英語では「巨大な蕪」を意味する "The Giant Turnip "、"The Gigantic Turnip "、"The Enormous Turnip " などという名で呼んでいる。日本語名はこれを意訳したものである。もっとも、原語はアブラナ属の原種である野草「ブラッシカ・ラパ」のことで、栽培品種である「蕪」のことではないという。
アレクサンドル・アファナーシェフが編纂した『ロシア民話集(ロシア語版)』(1863年刊行分初出)に収められているほか、コンスタンティン・ドミートリヴィッチ・ウシンスキー(カー・デー・ウシンスキー、コンスタンチン・ウシンスキー)やアレクセイ・ニコラエヴィッチ・トルストイらによる再話物が知られている。
ーーーおじいさんがカブをひっぱって
ーーーおばあさんがおじいさんをひっぱって
園児が一列に並んでひっぱっている姿がかわいいアレです。ちなみに↑画像のカブが何だか赤いですが、ロシアでカブと言えばビートなんだそうです。
ビート(英語: beet)
ヒユ科の植物である(今はBetoideae亜科に含まれる)。ビートには無数の栽培品種があり、葉菜のフダンソウ、砂糖の生産に使われるテンサイ、そして飼料作物であるマンゲルワーゼルが含まれる(テーブルビートまたはガーデンビートとして知られる根菜はビーツと呼ばれる)。3つの亜種が一般的に認められている。全ての栽培品種はBeta vulgaris subsp vulgarisに分類される。Beta vulgaris subsp. maritimaは一般的にシービートとして知られており、これらの野生の祖先で、地中海、ヨーロッパの大西洋岸、近東、そしてインドの至る所で見つかっている。二つ目の野生の亜種であるBeta vulgaris subsp. adanensisはギリシアからシリアまでの場所で発見される。
根は最も一般的には深い赤紫色であるが、ゴールデンイエローであったり、赤色と白色の縞の根をもつ品種もある。
ビートは草本の二年生植物または稀に多年生植物で、1mから2mの高さに育つ、葉の多い茎をもつ。その葉はハート形で野生のものでは5cmから20cmの長さである(栽培品種ではしばしばこれより大きい)。花は密集した穂の中で作られる。それぞれの花はとても小さく、直径は3mmから5mm、緑色または赤味がかっていて、5枚の花弁を持つ風媒花である。果実は堅い小堅果の塊である。
このビートに見た目で似た野菜にラディッシュや赤カブがあります。
ラディッシュ
ハツカダイコン(廿日大根、二十日大根、学名: Raphanus sativus var. sativus)は、アブラナ科ダイコン属の植物。ラディッシュとも呼ばれる。原産はヨーロッパで、日本には明治時代に伝播した野菜である。和名は、播種もしくは萌芽から収穫までが早くて20日程度であることから。
ビートはヒユ科でラディッシュはアブラナ科ダイコン属と見た目はとても似ていますが、まったく違う種の野菜なのです。
では赤カブはどうかというと、
赤カブ
赤カブ(あかかぶ)は、次の野菜のうち根が赤い品種。
- カブ
- ハツカダイコン
- 食用ビート
とあります。
食用ビート・・・・・ビート
ハツカダイコン・・・ラディッシュ
カブ・・・・・・・・赤カブ
ちなみにカブはアブラナ科アブラナ属で、ヒユ科のビートとは別。でもラディッシュはアブラナ科までは一緒ですが属が違うのでラディッシュの方がカブに近いと言えます。
なので、なんと種類が違っていても赤くて丸くて土の中でできるものを赤カブと呼ぶのです(カブではないビートやラディッシュも含めて)。
ビーツやラディッシュとの違い
形や色味が似ていることから、ビーツ(ビート)やラディッシュも「赤カブ」と間違われることがある。しかし、ビーツはヒユ科の植物であり、赤カブとは異なる。また、ラディッシュはアブラナ科の植物であるがダイコンの仲間であり、こちらも赤カブとは異なる野菜となっている。
と言うことは『おおきなかぶ』は、正確には『おおきな赤カブ(ビーツ)』というのが正しいってことになるようですね。
カブと言えば
もうひとつ有名なのがスーパーカブですね。スーパーな蕪ではないようです。
カブの名前の由来を教えて。
カブ 英語で「猛獣(熊など)の子供」という意味。小さいエンジンでもパワーがあることをアピールするため命名されました。
スーパーカブの「カブ」は、野菜の蕪=kabuではなくて、cubなんだそうです。ちなみにcubとは、
cub
(クマ・ライオン・キツネなど肉食動物の)子、幼獣、不作法な子供、見習い、新米、ボーイスカウト団の年少隊
そう言えば、カブスカウトって言いますねーーー、あの「カブ」なんですね。
ボーイスカウトってどんなことをするの?
ボーイスカウトと聞くとイメージするのはキャンプやハイキング、そして街頭募金などとよく言われます。ボーイスカウト活動は、野外で、子どもたちの自発性を大切に、グループでの活動を通じて、それぞれの自主性、協調性、社会性、たくましさやリーダーシップなどを育んでいきます。そのプログラムはバラエティに富んでいて、各年代においても様々です。1907年にイギリスではじまった青少年教育活動は、今では世界では172の国と地域、5,700万人以上、日本には団と言われる活動母体が約2,000あり、約9万人が活動しています。ぜひ、お住まいの地域の団を検索して、お問い合わせください。
幼獣、不作法な子供、見習い、新米という意味があるならとても納得。
カブの由来
ところでなんでカブっていう名前なんでしょう。
カブの名称
和名カブの語源は諸説あるが、一説には肥大した根の部分の形が丸くなるところから、頭を意味する「かぶり」に見立てたのが由来とされる。別説では、根を意味する「株」、またはカブラの女房言葉である「オカブ」から名付けられたといわれる。
「アタマ」に似ているから、カブラ→カブ。なるほど!確かにアタマがカブの人、観たことあります↓
『ハウルの動く城』(ハウルのうごくしろ)
スタジオジブリ制作の日本の長編アニメーション映画。監督は宮崎駿。
日比谷スカラ座を筆頭に東宝系で2004年11月20日に公開された。
イギリスの作家ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジー小説『魔法使いハウルと火の悪魔』(原題:Howl's Moving Castle)を原作とし、呪いで老婆にされた少女ソフィーと魔法使いハウルの奇妙な共同生活が、宮崎監督により「戦火の恋」を柱として脚色され描かれている。
物語前半は比較的原作に準じているが、後半は原作には無かった戦争が付け加えられるなど全く違った展開になっている。原作者のジョーンズは「ハウルの性格を変えないように」とだけ注文をつけ、映画の感想を「とても素晴らしかった」「宮崎は私が執筆したときと同じ精神で映画を作った」と語っている。
スタジオジブリの宮崎駿監督の長編映画としては『魔女の宅急便』以来、15年振りとなる他者原作の作品となった。また、ヒロイン役を演じた声優が主題歌の歌唱を兼任したのは『紅の豚』でヒロインの1人であるジーナ役を担当した加藤登紀子以来である。
カブは別名で七草のひとつに
カブは「すずな」というかわいい名前でも呼ばれることがあります。
別名では、すずなとも呼ばれ、春の七草の1つとして知られている。すずなの「すず」は、カブの丸い形を、丸い壷形の酒器である錫製の瓶子に見立てたことから名付けられたものとも言われている。
毎年恒例となっている七草がゆ。
すずなは見るからに「カブ」ってカタチをしているので判りやすいですねー。
カブの栄養
栄養価
根の部分(いわゆるカブ)には水分が約94%含まれ、可食部100グラム (g) 中のエネルギー量は約20キロカロリー (kcal) で、炭水化物が4.0 g、たんぱく質0.7 g、灰分0.6 g、脂質0.1 gが含まれる。またビタミンC、カリウム、食物繊維が含まれ、ダイコンの根の部分の栄養素とほぼ同じである。とりたてて多く含まれている栄養素は見当たらないが、ビタミンCがやや多い。デンプンを分解する消化酵素アミラーゼ(ジアスターゼ)がたくさん含まれているので、生で食べると、米飯・パン・麺などの主食を食べ過ぎたときの胃もたれや胸やけの解消に効果がある。刺激性辛味物質の元となっているグルコシノレートを含んでおり、加熱調理して食べることによって肝臓の解毒作用を活性化させる働きがあるといわれている。
葉の部分は根とは全く異なる栄養素を持ち、β-カロテン、ビタミンC、カルシウムが豊富に含まれ、緑黄色野菜に分類される。特に体内でビタミンAに変換される色素成分β-カロテンは、可食部100グラム (g) 中、2800ミリグラム (mg) と極めて豊富に含まれる。ビタミンCは免疫力の低下を予防し、食物繊維は便秘の解消や、生活習慣病の予防に役立つ栄養素といわれている。
水分が多く低エネルギー。栄養成分についてはダイコンとほぼ一緒、と覚えるといいですね。
カブは品種が多い
ひとくちで「カブ」って呼んじゃいますが実はとても品種が多いのです。
主な品種
- 金町小かぶ(かなまちこかぶ)
- 京小町かぶ(きょうこまちかぶ)
- 聖護院かぶ(しょうごいんかぶ) ↓下記に日記あり
- みやま小かぶ(みやまこかぶ)
- 東京長かぶ(とうきょうながかぶ)
- 天王寺かぶ(てんのうじかぶ)
- あやめ雪(あやめゆき)
- 大野紅かぶ(おおのべにかぶ)
- 肘折かぶ(ひじおりかぶ)
- 温海かぶ(あつみかぶ)
- 藤沢かぶ(ふじさわかぶ)
- 宝谷かぶ(ほうやかぶ)
- 木曽紅かぶ(きそべにかぶ)
- 飛騨紅かぶ(ひだべにかぶ)
- 今市かぶ(いまいちかぶ)
- 片平あかね(かたひらあかね)
- 飛鳥あかね(あすかあかね)
- 日野菜かぶ(ひのなかぶ)
- 近江万木かぶ(おうみゆるぎかぶ)
- 津田かぶ(つだかぶ)
- 弘岡かぶ(ひろおかかぶ)
- 黄かぶ(きかぶ)
- 黄金かぶ(おうごんかぶ)
*各カブの詳細はこちら↓
まさに「ご当地カブ」って感じです。普段何気なく食べているカブは実は地元だけのご当地カブってなんてこともあり得ます。
↓ダイコンとカブの違いなんかはこちらで書きました。
★ぴょん!ポイント★
カブをメインにした料理!って言われるとなかなか思いつきませんが、3月までがカブの旬。見かけたらぜひ購入して旬の美味しいカブをお楽しみください★
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
(この行を消して、ここに「お題キーワード」について書いてください)
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。