今週のお題「好きなグミ」
毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。6月の役菜はツルムラサキです。
ツルムラサキ
ツルムラサキの旬は6月〜10月頃まで。
ツルムラサキ(蔓紫、学名:Basella alba)
ツルムラサキ科ツルムラサキ属のつる性一年生草本である。東南アジア原産の野菜で、現在は東南アジアから中国南部に分布する。カロテンやカルシウムを豊富に含む、緑黄色野菜でもある。
ツルムラサキを知ってますか? 食べた事ありますか? 見た目はなんとなーくホウレンソウに似たツルムラサキ。名前の由来はそのまま茎が紫色だから???↓
ツルムラサキ 名称
和名は、茎はつる状で、葉の付け根に紫色の実をつけることから「ツルムラサキ」の名がつけられている。俗名で「パセラ」と呼ばれることもある。英語名は Indian spinach (インディアン・スピニッチ)や malaber nightshade(マーラバー・ナイトシェード) 、フランス語名は épinard de malabar(エピナー・ドゥ・マラバー)、中国名は木耳菜(モーアルツァイ。葉が木耳(キクラゲ)に似ているから)、または落葵(ラオクエイ)という。
茎が緑色の種と赤紫色の種があるが、茎が赤紫色の品種はシンツルムラサキ(真蔓紫、学名: Basella alba L. 'Rubra')とよんでいる。ツルムラサキの学名は Basella alba(バセラ・アルバ)で、「アルバ」は白という意味で緑色種をさす。シンツルムラサキの学名の品種名 'Rubra'(ルブラ)は赤いという意味で、茎が赤いことからつけられたものである。
木耳と言えばキクラゲ。先月取り上げた野菜ですね↓
(でも、言うほど似てるかな・・・)
それよりも葉の付け根に紫色の実とあります。画像を探しました、多分コレ↓
ブルーベリーのよう???
ツルムラサキは栄養豊富!
茎は紫で葉っぱは鮮やかな緑色でとてもオシャレでインパクトがあるわりには、食品としてはあまりパッとしない?!ツルムラサキですが、とても栄養豊富です。
健康に過ごすために必要な栄養が豊富
ツルムラサキには、ビタミンA・C・E、葉酸などのビタミンや、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル、さらにβ-カロテンなどが豊富に含まれています。これらの働きを一部、見てみましょう。ビタミンAには、皮膚を丈夫にして、目、鼻、のどなどの粘膜を健康に保つ働きがあります。また、病原菌などが体内に侵入するのを防ぐ働きをするため、感染症にかかりにくくなる効果も期待できます。
ビタミンCは、強い抗酸化作用が認められ、老化やがん、動脈硬化などを抑えるのに役立つとされています。ビタミンEにも、強い抗酸化作用があり、がんなどを抑制したり、美肌の生成に重要な働きが期待できます。
葉酸は赤血球を生成するのに必須で、「造血のビタミン」ともいわれます。認知症の予防にも効果が期待される栄養素です。マグネシウムは骨の成長や神経の働きなどに重要な働きをするといわれています。
これだけでも、栄養豊富な優れた野菜であることがわかります。ツルムラサキが苦手な人や、食べたことがない人も、「ツルムラサキって、すごいね!」と思ったのではないでしょうか。
非常に栄養価が高い緑黄色野菜で、豊富にβ-カロテンを含んでいます。
β-カロテンは抗発ガン作用や免疫賦活作用で知られていますが、その他にも体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や、視力維持、粘膜や皮膚の健康維持、そして、喉や肺など呼吸器系統を守る働きがあるといわれています。
カルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富
これらのミネラルは、ホウレン草よりも沢山含んでいます。カルシウムとマグネシウムは骨を生成する上で欠かせない成分でもあり、骨を丈夫にし、健康を維持します。ビタミンCも豊富です
肌の健康維持や免疫力を高めだけでなく、ガン予防にもいい影響を与えるようです。
というように、見た目のインパクト通り、豊富な栄養素が詰まっているのがツルムラサキなのです。特に夏場に旬を迎えるだけあって、暑い日々に必要な栄養を補ってくれます。
ツルムラサキには注意が必要!
ですが、ツルムラサキを頂く上で注意が必要なことがあります↓
つるむらさきも注意が必要
つるむらさきには毒性はないが、摂取に注意が必要な成分がある。モロヘイヤ、ほうれん草、小松菜などの葉野菜に含まれるシュウ酸だ。アクの成分で、葉野菜だけでなく紅茶やタケノコ、バナナなど、さまざまな食品に含まれている。えぐみがあるだけでなく、摂取し過ぎると尿路結石の原因となるため気を付けたい。つるむらさきなどの葉野菜は、調理の工夫によりシュウ酸を減少させることができる。
なのでアク抜きが必要です。
野菜の種類によって含まれるアクの成分は異なります。ほうれん草やタケノコの「シュウ酸」、ごぼうやレンコンの「ポリフェノール」は聞いたことがある方も多いと思います。シュウ酸は食べ過ぎると尿路結石の原因となるため、アク抜きをした方が安心です。また、ポリフェノールは空気に触れることで黒く変色するため、料理の見た目を考えるとアク抜きした方がよいでしょう。
野菜のアク抜きには下記のようなさまざまな方法があります。
- 水に浸ける
- 熱湯(塩熱湯)で茹でる
- 電子レンジで加熱する
- 酢水にさらす
- 板ずりをする
- 片栗粉を使う
- 小麦粉を使う
- 米ぬかを使う
- 米のとぎ汁を使う
- 重曹を使う
調理にもよりますが、ツルムラサキは塩で湯がくのがよいと想います。
ツルムラサキはベランダ農園のメンバー
私の部屋のベランダ農園で、ツルムラサキを育てたことがあります。
しかも私が育てたツルムラサキはツルミドリでした↓
★ぴょん!ポイント★
しかもツルムラサキには血糖値の急上昇を抑える成分が含まれているそうです!
そしてツルムラサキには身体に嬉しい効果を持った成分が含まれています。
ツルムラサキのスピナコシド(spinacoside)類とバセラサポニン(basellasaponin)類には小腸でのグルコースの吸収抑制等による血糖値上昇抑制活性が認められた。
バセラサポニンとはサポニンのこと。サポとは泡という意味で水に溶けると泡立つ性質を持った成分で、血糖値の上昇を抑える効果を持っていることが知られています。
2023年、今年もツルムラサキを育てる予定です。ベランダ農園の成長記録もお楽しみに。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。