今週のお題「夏野菜」
夏の京都2024 その8
2024年7月21日日曜日
▼前回
第11回JADEC年次学術集会 2日目
私は
スモールグループディスカッション(SGD)『高齢者』
のファシリテーターとして参加。
ファシリテーター(英語: facilitator)
グループや組織がより協力し、共通の目的を理解し、目的達成のための計画立案を支援する人のことである。ファシリテーターは活動の中で、参加者の様々な意見や考えを公平に扱い、特定の側に立つことはなく[1]、また、自身がイメージする意図や落とし所に参加者たちを誘導しないよう、2つの意味で中立の立場を保つ[2]。狭義には会議や議論の際に、司会を行い場を促進する人を指す。ファシリテーターの手法には、グループが行動するための確かな基盤を持てるように、前から存在していた、あるいは、会議の中で現れた意見の相違について、合意に達するよう支援をしようとするものもある。
私のテーブルのファシリテーターは、
今泉 俊則 先生(岐阜大学医学部附属病院 糖尿病代謝内科)
私
メンバー構成は、
①看護師3名、管理栄養士1名、薬剤師1名
②看護師4名、管理栄養士1名、薬剤師1名
③看護師3名、MR1名
あなたの記憶に今でも残っている「糖尿病のある高齢者」のことについてそれぞれSEAシートを記入。
グループの中でどの症例代表にするか決めて、どんなお店があれば患者さんが過ごしやすい街になるかを話し合う。
私のグループの代表症例
- 60代に発症した現在80歳(女性)の1型糖尿病の患者
- 夫婦2人暮らし(子供や兄弟は不在)
- 本人、認知機能が低下
- 薬など管理は夫が行う
- 低血糖と高血糖を繰り返していた
- リブレを付けており、低血糖の時は捕食、高血糖の時はインスリンを打つことはできるが度々医療機関に事後確認の電話や訪問がある(特定の看護師が対応するため対応が大変)
- 現在は夫がインスリン等管理できているが、今後どう対応すればよいか?
【意見】
- 介護保険の利用を検討する(現在不要と判断されているが、今後のもしものこととして検討してもらう)
- レスパイト入院を検討する
- 夫婦二人での生活になっているため、社会とのつながりがない。
- 地域の活動等を案内してみる
- 高齢者食堂を作る
- 高齢者ジムを作る
- 在宅訪問薬剤管理を利用する
- 医療ソーシャルワーカー(MSW)に介入してもらう
- 来院時、常に夫も一緒。夫が全面的に対応するため本人の意思が不明。本人の意思を確認する必要があるのではないか。
- 担当医療スタッフが限定されると医療者側の負担が大きくなるため、他のスタッフでも対応できるよう医療スタッフの教育が必要
夫がサポートできなくなる時の対応を事前に話し合っておく - リブレがあるとそれに一喜一憂するのであれば、リブレを外す
等々。
他のグループでも活発な意見交換の様子が見て取れました。その中にはショッピングモールを利用して食堂や運動施設を作る等の意見が多かったようでした。
私の感想
「街づくり」というテーマが難しかったのかなって思った一方で、高齢者糖尿病が増えていく中で、医療だけで完結するのではなく、地域のことも考えて解決していかなければならないという事が改めて問題として浮き彫りになったと強く感じました。
他にもこれからはもっと高齢化した患者が増えていくので、今までに経験したことのないより難しい問題がたくさん出てくるような予感がしました。
日常診療の中では、自分ひとりで目の前の患者に向き合うことが多いため、そういった意味で限界もあるというのは日々感じています。今回のように全国各地から集まった多職種の第一線のひとたちとひとつの症例について、意見交換ができる機会はとても貴重だと感じました。それぞれ施設規模も場所も職種もキャリアも異なる人が集まることからこそ、出てくるアイディアもあると感じました。とても参考になりました。
リーダーを務めていた
武田 直子 先生(医療法人平和会 平和病院 管理栄養士)
と、記念に。
企業ブース
江崎グリコ社 SUNAO
糖質オフの冷凍パスタが5月から発売されたらしいです!
パスタ(乾麺)のサンプルをいただきました。
アドボカシーフォーラム「糖尿病の名前を考える」
閉会後、「糖尿病」という名称に関するフォーラムが開催されました。
https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/forum_name.pdf
ダイアベディスは新たな呼称に求められる要件に合致しうる
学術的観点から正しい呼称
→糖尿病の多様な病態を表しうる
国際的に受け入れられる呼称
→国際的な標準呼称に合致する
親和性のある呼称は社会のスティグマ除去に効果的
→糖尿病という呼称に伴うスティグマ除去に役立ちうる
学術的に正しくない、国際的に孤立した、スティグマと結びつく呼称を100年以上使用されてきたから今更変える必要はないという考えは非論理的で時代に逆行するものと言わざるを得ない。
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
今回も大変充実した2日間となりました。特に学術集会の名称そのものがJADECに変更された記念すべき回となりました。
何よりも「糖尿病」から「ダイアベティス」へ。
私も言葉を変えるだけでなく、その中にあるマインドもひろく伝えていこう!と強く感じました。
次回は「かき氷を食べて帰福」です。
夏の京都2024その9に続く→
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。