今週のお題「今年の目標どうだった?」
2024年もあと僅かとなりました。年内最後の大イベント「クリスマス」まであと少し。ということで、今年もクリスマスの過ごし方についてお話したいと思います。もちろんテーマは食について、です。
クリスマスは特別な年に1度のイベントです。日常とは違った時間や場所で楽しむのが1番。でも、糖尿病や脂肪、カロリーが気になる人にとっては、何でもあり!とはいきません。そこでカロリーが気になる人の上手なクリスマス攻略法についてお話していきます。
クリスマスで食べるもの
クリスマスに食べるものと訊いてどんなものを思い浮かべますか?
- クリスマスケーキ
- チキン
- ピザ
- ローストビーフ
- シチュー
- からあげ
- お菓子
などでしょうか。
クリスマスはいつもと違った、普段あまり食べないものを食べます。だから特別=スペシャルなのですが、カロリー=エネルギーに注目してクリスマスで出てくる食べものがどんなものなのか観てみましょう。*クリスマスの攻略法=アドバイスは一番最後に書きます。
ケーキ
まずはクリスマスケーキから。
クリスマスケーキと言っても最近では色色なものがありますね。そこでそれぞれのケーキのおおよその一人分のエネルギーを観てみましょう。
一人分のエネルギー
- チョコレート・・・・・・・513 kcal
- ガトーショコラ・・・・・・273 kcal
- フォンダンショコラ・・・・314 kcal
- マロンタルト・・・・・・・439 kcal
- モンブラン・・・・・・・・425 kcal
- ティラミス・・・・・・・・398 kcal
- ショートケーキ・・・・・・366 kcal
- アップルパイ・・・・・・・330 kcal
- チーズケーキ・・・・・・・315 kcal
- ミルフィーユ・・・・・・・294 kcal
- イチゴタルト・・・・・・・266 kcal
- チーズスフレ・・・・・・・252 kcal
*各エネルギー量は目安です。
ケーキと言ってもバリエーションが多彩なため、必ずこの数値になるとは限りません。ですが、どれも高エネルギーだとわかります。でもなぜケーキは高エネルギーなのでしょう。
ーーーケーキって砂糖をたくさん使ってて甘いから。
それは半分正解。実は「脂質が多く含まれている」ことが高エネルギーとなる原因のひとつになっています。
たとえばあるショートケーキ100gの場合
- エネルギー・・・・・・・308 kcal
- タンパク質・・・・・・・3.86 g (15.44 kcal)
- 脂質・・・・・・・・・・21.3 g (191.7 kcal)
- 炭水化物・・・・・・・・24.45 g (97 kcal)
となっていて、総エネルギーの60%以上が「脂質」なのです。油っぽさを感じないのはケーキの脂質は乳製品を多く使っているためです。ケーキは舌で感じるよりもかなり脂質が高いのです。ちなみにケーキは主食・主菜・副菜のどれにも入りません。(一応)
チキン
次にチキンです。
日本ではニワトリを丸ごと焼いたローストチキンをイメージしますがアメリカでは七面鳥、ヨーロッパではガチョウが好まれるそうです。ローストとは「火にあぶったり、蒸し焼きにする」ことです。この画像↑のように持ち手の付いたニワトリの骨付きもも肉ってイメージ、強いですよね。でも結構ケンタッキーって人も多いのではないでしょうか。ケンタッキーのチキンは「フライド」です。鶏の唐揚げも含めてそれぞれの栄養を観てみましょう。
(*表記のないものは100gあたりの一般的な数値*各数値は目安です。)
ローストチキン
エネルギー
100 g・・・・・・・・・184 kcal
→1本(155 g)・・・・・・285 kcal
タンパク質・・・・・・・・11.06 g (44.42 kcal)
脂質・・・・・・・・・・・13.03 g (117.27 kcal)
炭水化物・・・・・・・・・4.48 g (17.92 kcal)
ケンタッキー オリジナルフライドチキン
エネルギー
100 g・・・・・・・・・273 kcal
→1個(87g)・・・・・・・237 kcal
タンパク質・・・・・・・・21.0 g (84.18 kcal)
脂質・・・・・・・・・・・16.9 g (152.15 kcal)
炭水化物・・・・・・・・・9.08 g (36.34 kcal)
*参考:公式サイトより
鶏の唐揚げ
エネルギー
100 g・・・・・・・・・290 kcal
タンパク質・・・・・・・・13.13 g (52.52 kcal)
脂質・・・・・・・・・・・23.65 g (212.85 kcal)
炭水化物・・・・・・・・・3.54 g (14.16 kcal)
油を使うフライものよりもローストの方がエネルギー量は低いです。肉なのでタンパク質を摂る事ができます。
ローストビーフ
同様に牛肉をローストするとローストビーフになります。
ローストビーフ
エネルギー
100 g・・・・・・・・・196 kcal
タンパク質・・・・・・・・21.7 g (86.8 kcal)
脂質・・・・・・・・・・・11.7 g (105.3 kcal)
炭水化物・・・・・・・・・0.9 g (3.6 kcal)
ローストチキンと同じような感じの数値になります。フライドよりもローストの方がカロリーは低いのです。ローストチキン、フライドチキン、鶏の唐揚げ、ローストビーフは「主菜」になります。
ピザ
そしてピザです。
ピザは生地にも色色あったり栄養的にもエネルギー的にもトッピングで大きく変わってしまうのですが、
・市販のピザ生地
・直径20cm
・具材:トマト、セミドライソーセージ、ピーマン、タマネギ
というオーソドックスな場合で観ていきます。
ピザ
エネルギー
100 g・・・・・・・・・174 kcal
1人分(501g)・・・・・・・872 kcal
タンパク質・・・・・・・・7.93 g (31.72 kcal)
脂質・・・・・・・・・・・7.13 g (64.17 kcal)
炭水化物・・・・・・・・・19.54 g (78.16 kcal)
チキンに比べて今度は炭水化物のエネルギーが高くなりました。ただこの数値はピザ100gですのでとても少ない量です、なので1人分はだいたいこの5倍の数値になります。ピザはエネルギーの割に食べる量は少ないのでなかなか満腹にならずについつい量を食べてしまいがちです。
ケーキにチキンにピザ。クリスマスの食卓を彩るメニューは魅力的なものばかりですが「エネルギー高め」なものが多いので覚えていておいてください。
飲みもの
食べものだけでなく飲みものも特別。
とクリスマスディナーにはブドウ系果実酒が合いますね。(私はお酒はまったく飲めないのですが)
白ワイン
アルコール・・・・・・・・11.4%
エネルギー
100 g・・・・・・・・・73 kcal
タンパク質・・・・・・・・0.1 g (0.4 kcal)
脂質・・・・・・・・・・・微量
炭水化物・・・・・・・・・2.0 g (8 kcal)
*参考:炭水化物とアルコール
赤ワイン
アルコール・・・・・・・・11.6%
エネルギー
100 g・・・・・・・・・73 kcal
タンパク質・・・・・・・・0.2 g (0.8 kcal)
脂質・・・・・・・・・・・微量
炭水化物・・・・・・・・・1.5 g (6 kcal)
*参考:炭水化物とアルコール
タンパク質、脂質、炭水化物もほとんど入っていないのにエネルギーがしっかりある理由は、アルコールもエネルギーになるからです。糖質ゼロだからカロリーもゼロと思ったら大間違いで、しっかりエネルギーはあります。 結構勘違いしている人が多いので注意です。
一般的なアルコール飲料の%とエネルギー
アルコール種類 |アルコール% |エネルギー(kcaL)|
日本酒 純米酒 | 15.4% | 103
ビール | 4.6% | 40
ワイン 白 | 11.4% | 73
ワイン 赤 | 11.6% | 73
焼酎 甲類 | 35.0% | 206
焼酎 乙類 | 25.0% | 146
ウイスキー | 40.0% | 237
ブランデー | 40.0% | 237
ウォッカ | 40.4% | 240
*参考:炭水化物とアルコール
という感じでエネルギー量は無視できない程、意外と大きいのです。
クリスマスを前に だいぶユウウツな気持ちになってしまったでしょうか。
HO! HO! HO!
そんなあなたにちょっぴり早いですがサンタクロースさんと一緒に「秘密の攻略法」をプレゼントしたいと思います。
カロリーが気になる人のクリスマス攻略法
その1【高エネルギーだと知ること】
もうこれは大丈夫ですね。普段と違って高カロリーなものを食べていることを知ってください。
その2【はしゃぎすぎない】
クリスマスは年に1度、特別なのではしゃいでもよいです。でもはしゃぎすぎて飲み過ぎ・食べ過ぎないように。
その3【やっぱり野菜から食べる】
野菜を使ったメニューを加えて食事の最初に食べましょう。いつものように野菜から食べるようにしましょう。
その4【しっかり楽しむ】
折角なので思いっきり楽しんでください★甘いケーキも、ジューシーな鶏肉も、熱々のピザもどうせならしっかり楽しんでください★
と、これだけではもちろん厳しい現実が後日やってきてしまいます。なので、クリスマスが終わったら食べ過ぎ、飲み過ぎをしっかり調整していきます。でも、忘年会やら何やら続いていつのまにか年末年始。そう、12月から年始にかけてせっかくこれまで規則正しく整ってきた食事のリズムが崩れやすい時期なのです。実際に正月明けに体重が増えたり、数値が悪くなる患者さんはたくさんいます。
なので、まずは
- 朝食をしっかり摂る
- 昼食もしっかり取る
- 飲み会の時は少しだけ気をつけてしっかり楽しむ
- 飲み会のない日は、野菜を中心の食事にして多過ぎたエネルギーと不足してる栄養のバランスを整える
ようにしましょう。
楽しむ時はしっかり楽しむ。調整する時はしっかり調整。よいクリスマスをお過ごしください。
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
美味しい料理を親しい人たちで囲み、楽しい時間を過ごす。それはとても大切な文化=食文化です。でも、食は生活=食生活でもあります。食事の内容は身体に大きな影響を与えます。元気で健康な心と身体で新しい1年を過ごすためにも今年のクリスマスは「ほんの少しだけ」気を遣ってみませんか?
今回紹介した内容はすべての人が当てはまるようなものではありません。現在治療中の人で、医師や管理栄養士などから明確な食事についての指示がある場合は、検査データやこれまでの状態など一番あなたのカラダの状態を理解した上での指示なので必ずそちらに従ってください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。