今週のお題「10年前の自分」

毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。2月の役菜はゴボウです。
ゴボウ
ゴボウの旬は冬の11月〜2月と春の4月〜6月(=春ゴボウ/新ゴボウ)の年2回です。

ゴボウ(牛蒡、英: Burdock、学名:Arctium lappa)
ユーラシア大陸原産のキク科ゴボウ属の多年草である。日本では野菜・根菜の一種として食用にされる。大阪弁では「ごんぼ」と呼ぶ。リンネの『植物の種』(1753年)で記載された植物の一つである。

ゴボウと「牛」の関係
ゴボウを漢字で表すと「牛蒡」。何故か「牛」の字が入っています。なぜでしょう?

牛蒡は、キク科の薬草として中国から伝わりました。中国では草木の大きなものをあらわすのに「牛」という字を使います。ごぼうは、「蒡」という草に似ていて「蒡」より大きな植物だったので「牛蒡」となったのだそうです。アザミのような花が咲きます。牛蒡を“栽培して”根を食用にしているのは日本人だけといわれています。
ゴボウの語源となった「蒡」という名の草を探してみたのですが、見つかりませんでした。
「蒡」よりも大きいから。牛のように大きいから「牛蒡」という流れのようです。

ゴボウと「うま」の関係
ゴボウは牛だけではなく「ウマフブキ」とも呼ばれているそうです。

ウマフブキ
ゴボウは古くは〈キタキス〉〈ウマフブキ〉と呼ばれ,悪実とも書いた。ゴボウの料理としては《庭訓往来》に見える〈煮染牛房(にしめごぼう)〉あたりが古く,続いて《北野社家日記》などにたたきゴボウが出現する。
なぜ「ウマ」なのでしょうか?
別名「ウマ フブキ・ウマブキ(馬蕗、旨蕗)」は、葉が同じキク科のフキに 似ていて、馬が好んで食べることにちなんでいる。
ゴボウの葉をウマが好んで食べることから、みたいです。
ちなみに「悪実(あくじつ)」というのは、ごぼうの種(ごぼうし・牛蒡子)のことで、ごぼうの殻にはとげが多く、他のものに引っ掛けるので悪さをする実だという意味で悪実と呼ばれているそうです。

ゴボウとして食べる部分は「根」
ウマはゴボウの葉っぱが大好きのようですが、私たちがゴボウとして食べているのは「根」です。

わたしたちが食べている野菜は、種類によって実、根、葉、茎など、食べている部分が違います。この中で特にわかりにくいのは根と茎の区別でしょう。
ゴボウの表面を観察すると、細かいヒゲのようなものが生えていることに気づきます。太い部分は「主根(しゅこん)」、ヒゲのような部分は「側根(そっこん)」といわれ、双子葉植物(発芽したとき子葉が2枚の植物)の特徴のひとつで、ダイコン、ニンジンなどにも見られます。この名前からもわかるように、ゴホウの食べている部分は根なのです。
これに対して茎が丸い形に変化した「地下茎」であるジャガイモは、表面がつるつるしてヒゲのようなものは生えていません。アスパラガスなど、そのほかの茎を食べている野菜も同様です。
また、ダイコンの白い部分はほとんどが根ですが、上部の葉の近くには細かい根が生えていない部分が少しだけあり、ここは茎となります。
根と茎の区別は、側根以外にも色で判断することができます。茎なら日が当たると緑色になります。ジャガイモは日光が当たるところに放置していると緑色にかわります。葉緑素ができた証拠です。ダイコンも上の方は緑色で、そこが根でない部分です。
サツマイモ、ゴボウ、ニンジンなどは、日なたに出しておいても緑色になりません。根だからです。
なるほど!確かに「緑色のゴボウ」を見たことはないですね。

でもゴボウ根はゴボウではありません
ゴボウと呼んで食べているのはゴボウの「根」ですが、ゴボウ根というとゴボウではないのです。

ごぼう‐ねゴバウ‥【牛蒡根】
〘 名詞 〙 牛蒡の根のように細長い草木の根。
まるでゴボウの根のようだから「ゴボウ根」と呼ぶそうです。

日本では縄文時代から食べられていたゴボウ
ゴボウはいつから食べていたのかというと、かなり昔からみたいです。

ゴボウは北海道を除く日本列島には自生していないが、縄文時代の遺跡からは、炭化していない栽培種のゴボウの種子が出土するなど、植物遺存体として確認されており、縄文時代早期から晩期を通じて栽培されていたことが明らかになっている。日本における文献上の最古の記載は、平安時代中期の『新撰字鏡』に見られる。この頃はまだ野菜として栽培されるのではなく、薬用であったと考えられる。平安末期からは食物・野菜としての記述が見られるようになる。
縄文時代は今から約12,000年〜2,300年前なので、相当昔からゴボウを食べていたんですね。

ゴボウを食べさせると虐待?!
そんな昔から親しまれていたゴボウ、ですが、そのゴボウを食べさせようとして「虐待」となったという話があります。

戦時中に捕虜の外国人に、少しでも野菜不足を解消するために、苦労して調達した牛蒡の煮物をだしたところ、「木の根っこを食べさせられた。捕虜虐待である」と訴えられ、戦犯裁判で有罪になったという笑えない話も残っています。
とは言え、ゴボウを食品としているのは世界共通ではなく日本や中国などわずかな国に限られているのを考えれば、仕方ない、とも言えます。

あまり見かけないゴボウの花や葉
身近な野菜のゴボウですが、見かけたことがあるのは「根っこ」なだけで他の部位は実際見かけたりしないので検索しました。
▼ゴボウの葉っぱ
▼ゴボウの花が咲いているところ
▼ゴボウの花

ごぼうの花は、アザミによく似た紫色の花です。ただ花が咲く前に収穫してしまうので、めったに目にすることのない貴重な花です。
▼収穫したばかりのゴボウ
ちなみにゴボウの収穫方法

ゴボウの栄養

ゴボウ 100 gあたり
- エネルギー・・・・・・58 kcaL
- タンパク質・・・・・・1.8 g
- 脂質・・・・・・・・・0.1 g
- 炭水化物・・・・・・・15.4 g
- 食物繊維・・・・・・・5.7 g
- カリウム・・・・・・・320 mg
- カルシウム・・・・・・46 mg
- 鉄・・・・・・・・・・0.7 mg
出典:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

ゴボウの注目したい栄養素

野菜の中でもトップクラス「食物繊維」
ごぼうに含まれる食物繊維は、野菜の中でもトップクラスの含有量です。レタスの5.2倍、大根の4.4倍、キャベツの3.2倍の量で、同じく食物繊維が豊富といわれるブロッコリーよりも優れた含有量であることがわかります。ごぼうの食物繊維は「イヌリン」と「リグニン」が代表的です。血糖値の上昇を防ぐ・整腸作用のある「イヌリン」
イヌリンは水溶性食物繊維のひとつで、血糖値の上昇を防ぐ働きや、整腸作用が期待される成分です。イヌリンは腸内で血糖値の吸収を妨げることで、血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。また腸内で善玉菌のエサとなり、善玉菌が活動しやすい環境を作ります。腸内細菌の利用率が100%ともいわれ、ほかの食物繊維に比べ、整腸作用の高さが期待されます。腸内で有害物質を吸着する「リグニン」
リグニンは不溶性食物繊維であり、腸内で有害物質を吸着し、体外へ排出してくれる働きがあります。また便の材料となり、腸を刺激して排便をスムーズにしてくれます。抗酸化作用のある「クロロゲン酸」
クロロゲン酸はポリフェノールの一種で、ごぼうのアクの成分です。抗酸化作用があり、健康づくりや美容面でよい働きをしてくれます。ストレスや紫外線、喫煙により生成された「活性酸素」という物質は、細胞を傷つけ、肌へのダメージや、がん、動脈硬化、免疫機能の低下を引き起こします。クロロゲン酸は抗酸化作用により、活性酸素の働きを抑えたり、取り除いたりしてくれます。高血圧の予防に「カリウム」
カリウムは余分なナトリウムを排出する働きがあります。ナトリウム(塩分)の摂りすぎが原因となる高血圧を防ぐために欠かせない栄養素です。骨を丈夫にする「カルシウム」
カルシウムは骨の材料となり、強い骨づくりに必要です。カルシウムが不足すると、骨からカルシウムが取り出されてしまい、骨がスカスカになる骨粗しょう症の原因となります。日本人の平均的な摂取量は不足気味であるため、意識的な摂取が大切です。貧血対策に欠かせない「鉄」
鉄は血液中のヘモグロビンの材料となり、貧血を防ぐうえで欠かせません。ヘモグロビンは酸素を全身に運ぶ働きがあるため、不足すると疲れやすさ、息切れなどの症状を起こすことがあります。

★にょろにょろポイント★

ゴボウはゴボウ。
他の植物の根っこと変わらないと言われてハッとなる程度に身近なゴボウ。そしてその見た目とは違ってカラダが喜ぶ栄養がたくさん詰まっています。ぜひ、旬のゴボウを美味しく頂いてください。
ちなみにゴボウは英語で「バードック」と言うらしいです。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。




