今週のお題「日焼け対策」

毎月季節の魚介を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役魚」。
私は健康なカラダづくりに役立つ海の幸・魚介類を【役魚やくぎょ】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える魚たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。5月の役魚はイサキです。

イサキ
イサキの旬は5月から6月です。

イサキ(伊佐木、伊佐幾、鶏魚、学名 Parapristipoma trilineatum )
スズキ目イサキ科に属する海水魚の一種。東アジア沿岸の岩礁域に生息する魚で、食用や釣りの対象として人気が高い。

イサキの名前の由来

イサキの名前の由来
標準和名「イサキ」は磯に棲むことに因んだ「磯魚」(イソキ)、または幼魚の縞に因んだ「班魚」(イサキ)に由来すると云われ、これに「伊佐木」「伊佐幾」という漢字が当てられている。もう一つの漢字「鶏魚」は背鰭の棘条がニワトリの鶏冠に似るためという説があり、これは英名"Chicken grunt"も同じである。gruntはブーブー鳴くことの意味であるが、これはイサキ科の魚は釣り上げられるとグーグー鳴くことに由来する為であるとされる。

シマイサキはイサキではない?!
シマイサキ(縞伊佐木) Rhyncopelates oxyrhynchus は西日本以南の汽水域でよく見られる。体に縦縞模様があり、名前にも「イサキ」とあるが、イサキ科ではなくシマイサキ科 (Teraponidae) で、イサキとはまた別物の魚である。

シマイサキ(縞伊佐幾、Rhynchopelates oxyrhynchus)
河口から内湾に生息している魚。食用魚。西太平洋に広くで見られ、タイプ産地は日本である。
シマイサキはイサキではないけれど、イサキの仲間ということ?!のようです。だからシマイサキもイサキですが、イサキ科ではなく、シマイサキ科という近い種類、といことのようです。

イサキの幼魚はイノシシに似てる!?

イサキはスズキ目イサキ科に属する海水魚です。比較的浅く、海藻の多い岩礁に群れて生息しています。全長は約40cmで、幼魚のころは背びれ側に褐色の縞が3本見られ、これがイノシシと似た特徴であることから、イサキの幼魚は「ウリボウ」「ウリンボウ」などと呼ばれることもあります。成長していくにつれてこの縞は薄くなり、成魚になると背側は茶色、腹側は銀白色になるのが特徴です。
ちなみに「うりぼう」はこちら↓

幼獣は毛並みの模様がある種のウリの実の模様に似ているためウリ坊と呼ばれる。
確かに横に現れた縞模様、似ていますね。

イサキは海のニワトリ!?
うりぼうの次はニワトリ???

イサキは漢字で「鶏魚(イサキ)」とも書き、海のニワトリと言われています。その理由は、背ビレに鋭いトゲを持ち広げている姿が「ニワトリ(鶏)のトサカ」のように見えるためです。水族館では酉年(とりどし)のお正月に「干支の魚」としてイサキを紹介しています。

とさか(鶏冠)
主にキジ科の一部の鳥にみられる頭上の肉質の冠状突起である。形状によって、単冠・ばら冠・クルミ冠・えんどう冠などのバリエーションがある。雌鶏より雄鶏(en:rooster)のほうが大きくなる。毛細血管が発達しており、体温調節に使用されている。
これも、似ていますねっ!

鍛冶屋殺しのイサキ!!!
うりぼう、ニワトリと呼ばれたイサキはとうとう殺し屋になってしまいました。

イサキの骨は危ない!!!
料理をすると骨離れが良く食べやすい反面、和歌山で骨が喉にひっかかって鍛冶屋が死んでしまったエピソードから「鍛冶屋殺し」と呼ばれるほど骨が硬い魚です。
一部では、「イサキを捌く度に、骨が硬いため包丁が欠けてしまう。その度に包丁を直さないといけないので鍛冶屋さんが苦労する」という話もあるそうです。

麦わら帽子を被ったイサキは美味しい!?
そして「麦わら帽子」になりました。

古くからイサキは旬の時期に「梅雨イサキ」や「麦わらイサキ」と呼ばれ、その特別な美味しさから市場でも高値で取り引きされてきました。
「梅雨イサキ」は、梅雨に収穫される、脂肪分が豊富な旬のイサキを指しています。なぜ梅雨どきかというと、産卵期を迎える前に食欲旺盛になったイサキが栄養を蓄える時期にあたるからと言われています。
「麦わらイサキ」は、梅雨明けの初夏から夏にかけての麦の収穫時期と重ねて旬を表現した呼び名です。こちらも同じく産卵前で、たっぷりと栄養が蓄えられており、風味が豊かで白子や真子(卵巣)も美味しく味わうことができ、とても珍重されています。
「梅雨イサキ」と「麦わらイサキ」には、単なる季節の違いだけでなく、地域ごとの生活習慣や気象の差も反映されています。たとえば関東地方では「麦わらイサキ」という呼び方が主流ですが、西日本の一部地域では「梅雨イサキ」がよく使われます。
厳密にいうと、その風味や食感にも少し違いがあります。梅雨時期のイサキはジューシーで、濃厚な味わいが特徴です。麦わら時期(初夏)のイサキは、適度な脂のりと爽やかな風味が特徴で、どちらもそれぞれの時期にしか味わえない特別な美味しさがあります。
梅雨の時期に捕れたイサキ。麦わら帽子を被るような暑い日に捕れたイサキ。どちらも美味しいそうです!

イサキは大人になるとメスが多い
色々な呼び名のあるイサキですが、ちょっと不思議な傾向があるようです。

イサキの産卵は6月から9月にかけてです。イサキのメスは3歳になると成熟し、浅瀬を漂いながら卵を産みます。イサキの卵は産卵後1~2日で孵化し、内湾でプランクトンを食べながらおおきくなります。
イサキは3歳まではメスとオスの比率が「1:1.2」とオスのほうが多いですが、3歳を超えるとメスとオスの比率が「1:0.5」とメスのほうが多くなります。
これって、3歳を超えると一気にイサキのオスが死んでしまうのか、オスがメスに性転換するのか、ナゾは深まります。

泳ぐイサキの群れ
ここまでくると生きたイサキを見たいですよね、ということで動画を見つけました↓
イサキを追う vol.1 | 魚種ごとの反応 | Furuno Style:魚探を使った釣りの楽しみ方

イサキの全国水揚げ量ランキング
イサキはどこで捕れるのでしょうか。

イサキの全国水揚げ量ランキング
- 長崎県・・・・・・・・・・1,136 t
- 島根県・・・・・・・・・・355 t
- 福岡県・・・・・・・・・・310 t
- 山口県・・・・・・・・・・211 t
- 三重県・・・・・・・・・・188 t
- 千葉県・・・・・・・・・・183 t
- 愛媛県・・・・・・・・・・145 t
- 大分県・・・・・・・・・・141 t
- 和歌山県・・・・・・・・・126 t
- 鹿児島県・・・・・・・・・123 t
出典:農林水産省「海面漁業生産統計調査」
長崎県が断トツ。でも、福岡県も3位に入っていますね。漁だけでなく個人的な釣りでもイサキは人気のようです↓

イサキの栄養

イサキ(生)200 gあたり
- エネルギー・・・・・・・・・・・116 kcaL
- 水分・・・・・・・・・・・・・・75.8 g
- たんぱく質・・・・・・・・・・・17.2 g
- 脂質・・・・・・・・・・・・・・5.7 g
- 炭水化物・・・・・・・・・・・・0.1 g
- 食塩相当量・・・・・・・・・・・0.4 g
- 飽和脂肪酸・・・・・・・・・・・1.63 g
- n-3系脂肪酸・・・・・・・・・・・1.47 g
- n-6系脂肪酸・・・・・・・・・・・0.18 g
- ビタミンA・・・・・・・・・・・・41 µg
- ビタミンD・・・・・・・・・・・・15 µg
- ビタミンE・・・・・・・・・・・・0.9 mg
- ビタミンB1・・・・・・・・・・・0.06 mg
- ビタミンB2・・・・・・・・・・・0.12 mg
- ナイアシン・・・・・・・・・・・4 mg
- ビタミンB6・・・・・・・・・・・0.31 mg
- ビタミンB12・・・・・・・・・・5.8 µg
- 葉酸・・・・・・・・・・・・・・12 µg
- パントテン酸・・・・・・・・・・0.77 mg
- ナトリウム・・・・・・・・・・・160 mg
- カリウム・・・・・・・・・・・・300 mg
- カルシウム・・・・・・・・・・・22 mg
- マグネシウム・・・・・・・・・・32 mg
- リン・・・・・・・・・・・・・・220 mg
- 鉄・・・・・・・・・・・・・・・0.4 mg
- 亜鉛・・・・・・・・・・・・・・0.6 mg
- 銅・・・・・・・・・・・・・・・0.04 mg
- マンガン・・・・・・・・・・・・0.01 mg

イサキの注目したい栄養素

①たんぱく質
たんぱく質は、脂質、糖質とともに三大栄養素の一つに数えられ、私たちが生命を維持していくために欠かせない栄養素の一つです。筋肉や血管、内臓、骨をつくるほか、免疫細胞の材料、血液の成分ともなるほか、1gあたり4kcalのエネルギーを作り出すことができます。②ビタミンB12
ビタミンB12は、細胞の分裂を促す酵素を助ける補酵素として働くほか、赤血球の中のヘモグロビンの合成を助ける働きがあります。そのため、ビタミンB12が不足すると、悪性貧血を発症することがあり、動悸やめまい、だるさ、また下痢などの症状を引き起こす場合があります。③DHA/EPA
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペタンエン)は、それぞれ魚類に含まれている不飽和脂肪酸の一種で、私たちの体では作り出すことができない、必須脂肪酸です。DHAは脳や目の網膜をはじめとする神経細胞に多く含まれていて、脳の健康を守り、痴呆などの予防に役立つといわれています。また、EPAはコレステロール値の安定に役立ち、血栓を防いで高脂血症を予防し、動脈硬化や心筋梗塞をはじめとする循環器病の予防効果があることが知られています。

★にょろにょろポイント★
イサキの生き腐れ
「死んだ魚の目」という言葉はあまりいい意味で使われません。しかし「イサキ」だけは例外のようです。

鮮度は目ではなく、体の色つやと張りで見よう
イサキの目はどんなに新鮮でもくすんで見え、俗に「イサキの生き腐れ」と言います。目が澄んでいるに越したことはありませんが、鮮度で選ぶ場合は、腹部に張りがあるものを選びましょう。切り身なら薄いピンク色のものを選ぶと良いです。全体に色つやがよく、ふっくらと丸みを帯びたものが良いです。エラブタを持ち上げてみて、エラが鮮やかな赤色のものが新鮮です。イサキは大きい方が美味しいですが、小さくても美味しい魚です。
イサキの眼はどんなに新鮮でもくすんで見える!これは大事!
ちなみに国内3位の水揚げ量を誇る福岡県住みの私ですが、あまりイサキを魚屋さんの店先で見かけた記憶はありません。一体どこに行っちゃったのでしょうか。もしイサキと出会えたらぜひお試しください!
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。