今週のお題「上半期ふりかえり2025」

とりあえず、以下の記事を読んでみてください。

アメリカでオゼンピックを服用する若者が急増。「親は慎重になるべき」と医師たちが警告
近年、ダイエット目的で「オゼンピック」を服用する人が急増している。本来は2型糖尿病の治療薬として処方されるこの注射薬だが、多くのセレブたちが減量のために使用していると明かしたことで、一気に注目を集めた。
そして今、その流れはハリウッドだけにとどまらず、アメリカの10代の若者たちにまで広がっており、医師たちは健康への影響に警鐘を鳴らしている。
減量目的でGLP-1薬を服用する10代が増加
本来は2型糖尿病の治療薬でありながら、空腹感を抑える作用があることから、ダイエット目的での服用が急増※しているGLP-1受容体作動薬(GLP-1薬)「オゼンピック」。※患者はこの薬を必要としており、その不足から入手が困難であることを考慮するのが重要です。適応外の薬を使用することで、問題を助長している可能性があります。
またオゼンピックだけでなく、肥満治療用の「ウゴービ」などのGLP-1薬がかつてないペースで10代の若者に処方されており、調査会社Truvetaによると2024年には12歳から17歳の処方件数が50%増加したという。
一部の専門家は、「子どもたちを注射漬けにしてしまう前に、親は慎重になるべきだ」と警告しており、シンシナティ小児病院の小児科医ロバート・シーゲル氏は、『Reuters』の取材に対しこう述べている。
「これらの薬は、体重を維持するにはずっと使い続けなければならない可能性が高いのです」
10代への処方が急増している背景には、2022年末に同じくGLP-1薬のひとつである「ウゴービ」が青少年への使用を米国で承認されたことがある。それ以降、アメリカでは10代の約4人に1人が肥満に悩んでいるという現状を受け、体重管理の手段としてGLP-1薬を使う家庭が増え続けているという。バージニア大学医療システムの肥満医学部門ディレクター、ケイト・ヴァーニー氏は、「重度の肥満患者の中で実際に薬にアクセスできているのは、まだごくわずかにすぎない」と現状の課題を指摘する。
生活習慣の改善だけでは効果が見られない場合、GLP-1薬の服用が必要になるケースもあるというが、ヴァーニー氏もシーゲル氏と同じように「無期限に使い続ける必要があるかもしれない」とも述べている。また多くの小児科医は、筋肉の減少や発達の遅れといった長期的な副作用をきちんと見守るための知識や体制が整っていないという懸念も示しているとのこと。
また、GLP-1薬は即効性のある解決策というよりも、長期的な取り組みが必要になる可能性があるため、一部の医師たちは、注射に頼る前にまずは昔ながらの方法に取り組むべきだと助言している。
GLP-1薬の服用を考えている人が多い?
SNSでも減量薬の広告を見かけるようになった昨今。減量薬を使用してダイエットをした人の投稿が流れてくることもあり、リスクなどを知らない人もいるはず。デジタル医療プラットフォーム『Tebra』が2024年12月に発表した調査によると、アメリカ人の4人に1人以上が、ダイエットの手段としてこうした薬の服用を検討していることが明らかに。特に若い世代ほどこの傾向が強く見られ、体重を減らすためにジム通いをやめて、GLP-1薬を服用しようと考えている人が37%もいたという。
さらに女性は男性よりもGLP-1薬の服用を選ぶ傾向が強く、30%の女性が薬に頼ると答えているのに対し、男性は20%にとどまっているとのこと。
これらの薬に対する関心や服用が広がっているものの、実際に興味がある人の64%が「費用」を最大の懸念材料として挙げている。数千ドルの費用がかかることもあり、多くのアメリカ人は手が届かないと感じているようだ。
次いで59%の人が副作用への不安があると回答。もともと2型糖尿病の治療を目的として開発されているため、危険な副作用や最悪の場合は死亡のリスクもある。一方で、86%の人が「利益はリスクに見合う」と考えているという。
※オゼンピックは2型糖尿病治療のための医療用医薬品であり、美容やダイエット目的での安易な使用は推奨されません。医師による診断と慎重な判断が不可欠です。

GLP-1受容体作動薬
GLP-1受容体作動薬 特徴
GLP-1(ジーエルピーワン)は、もともと私たちの体にあるホルモンで、血糖値を下げる働きがあります。
GLP-1受容体作動薬は、体の外からこのGLP-1を補うお薬です。現在の糖尿病治療では、HbA1cを7%未満※に下げることが目標とされていますが、例えば飲み薬で治療していても目標にとどかないときに、GLP-1受容体作動薬が助けてくれる可能性があります。
一方、GLP-1受容体作動薬は空腹時には働かず、食事をとって血糖値が高くなったときに働くため、低血糖を起こしにくいといわれています。ただし、SU薬やインスリンと一緒に使う場合は低血糖への注意が必要です。
また、血糖値を下げるお薬を使うと体重が増えることがありますが、GLP-1受容体作動薬は体重増加を来しにくいお薬です。
※HbA1c7%未満は、合併症予防のための目標値です。
低血糖などの副作用や、その他の理由で治療が難しいときは8%未満をめざします。
(日本糖尿病学会 編・著. 糖尿病治療ガイド2016-2017, 文光堂, 2016, p.27)

今回紹介した上記の記事は最近のアメリカの状況をレポートしたものですが、日本に於いても2023年12月末にはNHKが以下のような報道を行っています。
GLP-1ダイエット “夢のやせ薬”の落とし穴
2023年12月28日 18時48分「運動や食事制限の必要なし」
「簡単にやせられる」こうした“甘い”うたい文句を目にしたことはありませんか?ある薬を使用することでやせられると宣伝する「GLP-1ダイエット」です。処方は自由診療で行われ、オンライン診療の普及もあって急速に広がっています。一方で、深刻な健康被害を訴える人も。国や医師会などが相次いで警鐘を鳴らす異例の事態が起きています。
糖尿病の治療薬と分かっていても…
ことし10月から「GLP-1ダイエット」を行っている、30代の女性です。使っているのは、週に一回、自分で注射をするタイプの薬です。「GLP-1受容体作動薬」と呼ばれるこの薬。実は糖尿病の治療薬として承認されているものですが、この女性には既往歴はありません。ダイエットのために使うことは「適応外」となり、自由診療の枠組みで処方されます。10代の頃から、自分の体型にコンプレックスを感じていたという女性。肥満度を表すBMIが標準であっても、常にやせたいという気持ちを抱いていました。食事内容も厳しく管理し、パーソナルジムにも通いましたが、思うように体重が減りません。その時目にとまったのが「簡単にやせられる」という広告。それが「GLP-1ダイエット」でした。30代女性
「周りが結構やせている友達が多く太れないというか。つきあっていた人とかからも、いじりですけど『なんか白くて丸いから、なんか大福みたい』とか、そういう本当にちょっとしたことで、ああやせなきゃいけないと。ずっと高校生のときからダイエットをしていました。テレビとかでもGLP-1はやっていて、わりと短期で効くのかなとSNSインターネットで調べてみて、まあ、試してみようって感じでした」女性は利用していたクリニックにオンライン診療を申し込み、医師と名乗る男性から電話で問診を受けました。問診では目的がダイエットであることや病気の有無などを聞かれ、5分ほどで終了。すぐに薬が処方されたと言います。費用は3か月分で、およそ6万円。薬を使用して2か月で体重は4キロ減ったといいます。
30代女性
「ちょっと胃に食べ物がまだあるっていう感じ。そうすると、頭の脳も全然食べたいってならない。本来は糖尿病の人の治療薬だということは分かっていますが、買えるんだったら買おうかなと」“夢の薬”と思っていたのに…
「手軽にやせられる」としてSNSなどで広がっている「GLP-1ダイエット」一方で、健康へのリスクを指摘する声もあがっています。薬の使用を続ける中で、命の危険に直面したという50代の女性が、自分の経験を伝えたいと取材に応じてくれました。この女性もオンラインのクリニックで薬を処方され、半年で約10キロ減量しました。しかし、ある日、体調に異変が起きたと言います。50代女性
「痛くてじっとしていられず、のたうち回ると言う言葉がぴったりな痛みが夜中の1時ぐらいまで続きました」突然、腹部と背中に激しい痛みを感じ、救急車で搬送されたのです。診断の結果は急性すい炎。命にも関わる可能性がある重篤な病気です。さらに胆石も見つかり、女性は入院して手術を受けることになりました。「GLP-1受容体作動薬」は、主な副作用として、吐き気、頭痛、めまい、消化器の不調(便秘、下痢)などの症状が挙げられてます。また重大な副作用として、まれに急性すい炎や低血糖になることもあるとされています。
GLP-1受容体作動薬の主な副作用(糖尿病患者に投与した際)
- おう吐・吐き気・下痢
- 低血糖
- 急性すい炎
- 胆石症・胆のう炎・胆管炎
- など
しかし、これらの副作用は2型糖尿病の患者に投与した場合についてです。糖尿病の患者以外の人が使用した場合の、安全性や有効性などは確認されていません。またこの薬は、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うことが求められていますが、女性によるとクリニックからの確認は一度もなかったと言います。女性は、体調に異変が起きるまで半年間、薬の利用を続けていました。
50代女性
「薬の副作用を調べたら『まれに急性すい炎を起こすことがある』って書いてあったので『あ、これだ、しまったな』と思いました。家族も巻き込み、自分も痛い思いまでして、入院でお金もかかるし、複雑ですよね。悲しいと言うよりむなしい感じです」女性の症状について、搬送先の病院は「GLP-1受容体作動薬」によって引き起こされたものかは「断定はできない」としています。ただ、病院の院長は、薬を処方したクリニックの対応には大きな問題があると指摘します。
中濃厚生病院 勝村直樹 病院長
「薬を処方する側は、自由診療であろうが責任を持たなければいけないので、そこは自由診療であろうが、医療者としてのプロフェッショナリズムをちゃんと持ってもらうことは必要だ」調査報道 GLP-1 オンライン処方の実態は
今回、取材に応じてくれた人たちは、オンラインクリニックの自由診療で薬を処方されていました。私たちは実態を調べるため、実際に「GLP-1受容体作動薬」がどのように処方されているのか、確かめることにしました。対象は、大手検索サイトに表示された20の医療機関です。調査の結果、3つの医療機関では処方されませんでした。このうち、血液検査を求められたところが1つ。BMIをみて「処方しない」と判断したクリニックが2つ。客観的な情報に基づいて、処方をしない判断をしているものとみられます。
コンタクトした20の医療機関
- 処方 17
重大な副作用を説明しない
チャットだけで完結
などを確認- 処方されず 3
血液検査が必要 1
BMIが基準外 2一方で、処方すると判断をしたのは17の医療機関です。診察や薬の説明を丁寧に行っていたところもあった一方で、ひとことふたことで診察が終わったところや、重大な副作用について説明がなかったところもありました。薬の使用後に体調不良が起きたときの対応については、半数の10か所が「フォローがない」「専門医がいない」などとして、対応は難しいと回答しました。続いて、医師が診察を行っていることを患者にどう提示しているのか調べました。国のオンライン診療のガイドラインでは「医籍登録年を伝えること」や「顔写真付きの本人証明書などを用いて、医師の資格を持っていることを示すこと」などと定められています。しかし、今回の調査では「個人情報なのでお伝えしない」や「証明できない」などと回答し、医師が診療にあたっているかどうか確認できない医療機関が4か所ありました。さらに、チャットのみで処方した医療機関や、看護師の問診のみで処方した医療機関もありました。
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弊院、二田哲博クリニック[ 福岡姪浜 ]院長の下野大がテレビの取材に答えています↓

★にょろにょろポイント★
「ダイエット」とは何でしょう?
ダイエット(英: Dieting)
体重を減少、維持、または増加させるため、あるいは糖尿病や肥満などの疾患を予防および治療するために、規制された方法で食事をすることの実践である。体重減少はカロリー摂取量に依存するため、様々な種類(英語版)のカロリー制限ダイエット(特定のマクロ栄養素を強調した低脂肪食、低炭水化物ダイエットなど)は、互いに効果が優れているとは示されていない。体重の回復が一般的であるため、ダイエットの成功は長期的な継続によって最もよく予測される。とはいえ、ダイエットの結果は個人によって大きく異なる。
疾病を予防したり、治療するために行うのがダイエット、です。
私たち「管理栄養士」は英語で
National registered dietitian(ナショナル レジスタード ダイエッティシャン)
「ダイエッティシャン」と呼ばれます。
そして糖尿病専門クリニックに勤務する私は「糖尿病=ダイアベティス」を治療するために、ひとりひとりの身体の状態に合わせた「ダイエット」方法を提案しています。
ーーーあなたは今回紹介した記事で何を想い、何を考えましたか?
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。

