
毎月季節の魚介を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役魚」。
私は健康なカラダづくりに役立つ海の幸・魚介類を【役魚やくぎょ】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える魚たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。8月の役魚はカワハギです。

カワハギ
カワハギの旬は
- 産卵期 5月頃から8月頃
- 肝の大きくなる 11月〜2月頃
の年2度訪れます。

カワハギ(皮剥、鮍、英名:Thread-sail filefish、学名:Stephanolepis cirrhifer)
フグ目カワハギ科に分類される魚。丈夫な皮に覆われた海水魚で、美味な食用魚でもある。

カワハギの名前の由来
カワハギってちょっと変わった響きのある名前ですが、由来は何なのでしょうか。

カワハギの別名
バクチやバクチウオなどの名の由来は、「皮がすぐ剥がれる」さまが「博打に負けて身ぐるみ剥がされる」さまを連想させるためである。また前述の通り、針に引っかからずに餌だけを食べることが多いため、「餌泥棒」「餌取り名人」などとも呼ばれる。
調理の際、皮が簡単に身からはがせることが名前の由来となっている。
エチゼンクラゲの毒にも強く、全身が厚いざらざらした皮におおわれていますが、この皮は料理の時にすぐに剥がせることが和名の由来となっており、見事な剥げっぷりに略してハゲともいい、身ぐるみ剥がされるのでバクチウオとも呼ばれます。

魚へんに「皮」でカワハギ
カワハギの名前の由来は、皮を剥いで食べる魚であることから「皮剥」と名付けられたとされています 季語と歳時記。漢字では「皮剥」と書き、魚へんに皮で「鮍」とも書きます。「食べる時の様子」が名前になったとはちょっと可哀想?ですね。

生きたカワハギの動画
海底の砂の中にいる「エサ」を食べている様子です。

カワハギの仲間は100種以上
カワハギの仲間はたくさんいるそうです。

カワハギはマンボウやハリセンボンと同じフグ目に属します。カワハギの仲間は世界中に100種以上存在しており、日本近海でも23種生息しています。

代表的なカワハギの仲間たち
100種以上のカワハギの仲間のひとつ、これ↓は「ウマヅラハギ」だそです。

カワハギ科には、カワハギ以外にも多くの仲間が存在します。代表的な種類には、ウマヅラハギやウスバハギ、モンガラカワハギなどがあります。
ウマヅラハギはその名前の通り馬のような顔つきをしており、体長は約30cmとカワハギよりやや大きめです。ウスバハギはさらに大型で最大75cmに達し、食用として利用されることもありますが、カワハギほどの美味しさはないと言われています。一方、モンガラカワハギは美しい模様を持ち、観賞魚としても人気があります。これらの種類はそれぞれ特徴が異なるため、見比べてみるのも面白いでしょう。

カワハギは1年で15cm

カワハギの寿命は10年程度と言われています。
1年で15センチになり、2年で20センチになります。3年で成熟し30センチ以上となります。
釣りのサイトを見ると「30cm以上のカワハギ」がよく登場していますので、一般的にカワハギは30cm=3歳以上、ということのようです。


カワハギの歯は強い!

ユニークな食性と捕食方法
カワハギは、その特異な食性と捕食方法で知られています。主要な食料は小エビやゴカイ、貝類、ウニなどで、硬い殻を持つ甲殻類や貝を捕食する際には、その強靭な歯が活躍します。これにより、他の魚では手を出しにくい硬い餌を効率的に食べることができます。この特徴により、カワハギは「エサ取り名手」として知られています。また、口が小さいことから、細かいエサを選んで食べる傾向があり、飼育や観察の際にもその行動を見るのは非常に面白いです。

カワハギの肝
↓こちらはカワハギの肝です。カワハギの肝はとても美味しいとされています。

カワハギの肝の魅力「海のフォアグラ」と呼ばれる秘密
カワハギの「肝」は、その濃厚でクリーミーな味わいから「海のフォアグラ」と称されています。特に、脂が乗る秋から冬の時期は、肝の大きさや風味が最大限に引き出されるため、多くの食通たちにとって見逃せない存在です。この肝は、刺身や鍋料理と合わせることで、カワハギの繊細な旨味をさらに引き立てます。特徴的なのは、桃色や緑がかった肝醤油を作り、これにカワハギの身を付けて食べるという独自の食べ方です。その深い味わいは、一口で多くの人を魅了します。
今回8月をカワハギの旬としましたが、カワハギは5月頃から8月頃までの間に産卵期に入り、そのため獲れやすくなります。が、カワハギの肝に注目すると、肝が大きくなるのは、11月〜2月頃=秋〜冬の間に迎えます。なので、食べる意味で言うと、冬の方がカワハギは美味しいと言えます。

カワハギの捌き方
その名の由来となっているカワハギの捌き方の動画を見つけました↓

カワハギの国内の水揚げ

カワハギは量で一気に獲るというのは難しいそうです。ですが、国内では
天然)
- 瀬戸内海
- 大分県
養殖)
- 九州各県
- 和歌山県
- 愛媛県
- 三重県
が盛んなんだそうです。

カワハギの栄養

カワハギの栄養(生)100g当たり
- 水分・・・・・・・・・・・・・・・79.9 g
- 熱量・・・・・・・・・・・・・・・77 kcal
- たんぱく質・・・・・・・・・・・・18.8 g
- 脂質・・・・・・・・・・・・・・・0.4 g
- 食塩相当量・・・・・・・・・・・・0.3 g
- 飽和脂肪酸・・・・・・・・・・・・0.08 g
- n-3系脂肪酸・・・・・・・・・・・0.1 g
- n-6系脂肪酸・・・・・・・・・・・0.04 g
- ビタミンA・・・・・・・・・・・・2 µg
- ビタミンD・・・・・・・・・・・・43 µg
- ビタミンE・・・・・・・・・・・・0.6 mg
- ビタミンB1・・・・・・・・・・・・0.02 mg
- ビタミンB2・・・・・・・・・・・・0.07 mg
- ナイアシン・・・・・・・・・・・・3 mg
- ビタミンB6・・・・・・・・・・・・0.45 mg
- ビタミンB12・・・・・・・・・・・1.3 µg
- 葉酸・・・・・・・・・・・・・・・6 µg
- パントテン酸・・・・・・・・・・・0.17 mg
- ビオチン・・・・・・・・・・・・・0.9 µg
- ナトリウム・・・・・・・・・・・・110 mg
- カリウム・・・・・・・・・・・・・380 mg
- カルシウム・・・・・・・・・・・・13 mg
- マグネシウム・・・・・・・・・・・28 mg
- リン・・・・・・・・・・・・・・・240 mg
- 鉄・・・・・・・・・・・・・・・・0.2 mg
- 亜鉛・・・・・・・・・・・・・・・0.4 mg
- 銅・・・・・・・・・・・・・・・・0.03 mg
- マンガン・・・・・・・・・・・・・0.02 mg
- ヨウ素・・・・・・・・・・・・・・33 µg
- セレン・・・・・・・・・・・・・・35 µg
- 灰分・・・・・・・・・・・・・・・1.2 g

カワハギの主に注目したい栄養素

たんぱく質
肌や筋肉、内臓などを作る成分になるほか、体の機能を調整するホルモンや酵素の材料にもなる栄養素です。肉や魚に含まれるたんぱく質は良質ですが、脂質も多く含まれることがデメリットに挙げられます。しかしカワハギは脂質が少ないため、健康的なたんぱく質源として有効活用できるでしょう。ビタミンD
骨や歯との関わりが深く、小腸でカルシウムの吸収を促し、骨へのカルシウム沈着をサポートする働きがある栄養素です。病原体やウイルスから体を守るシステムである、免疫機能を高める作用を備えていることもわかっています。ビタミンB12
体中に酸素を運ぶ血液中の赤血球は、体の中でつねに新しいものが作られています。赤血球の生成に関わるビタミンB12は、赤血球の不足が原因となる貧血を防ぐために大切な栄養素です。

カワハギの肝の栄養

カワハギの肝は、ビタミンAやD、B群、カリウムなどが豊富で、特にビタミンAとDは粘膜を強くする働きがあり、風邪やインフルエンザ予防に役立つとされています。また、カリウムは高血圧やむくみの解消、筋肉の正常な収縮を助ける効果も期待できます。ただし、肝は脂質やコレステロールも多いため、食べ過ぎには注意が必要です。
脂質・コレステロール
- 肝は脂質やコレステロールを多く含むため、食べ過ぎに注意が必要。
カワハギの肝を食べる際の注意点
- 新鮮なカワハギの肝は生で食べられますが、鮮度が落ちると劣化が早いため、早めに食べるか、適切に保存することが大切です。
- アニサキスなどの寄生虫がいる場合もあるため、十分な加熱調理が必要です。
- 肝は脂質やコレステロールが多いため、食べ過ぎに注意が必要です。

★にょろにょろポイント★
カワハギの仲間には「猛毒」を持つものがいる!
猛毒を持つ「ソウシハギ」に注意してください!!
平成24年10月に、本県近海において猛毒を持つ「ソウシハギ」が採捕・確認されました。ソウシハギは、消化管や肝臓にパリトキシンという毒を含むことがあり、食べた場合、筋肉痛、麻痺、呼吸困難、けいれんなどを起こし、重篤な場合には死亡することもあります。この魚を漁獲した場合、販売等しないように、また、食用としないように、注意してください。
ソウシハギの特徴
- カワハギ科の魚で世界中の暖海域に生息し、日本では本州中部以南に見られる。
- 体長は、50cmに達する。
- 体側に、青い波模様と青い斑点があり、尾びれはうちわのように大きい。
- 肝臓や消化管にパリトキシンという毒を蓄積すると言われている。
※パリトキシン:フグ毒(テトロドトキシン)の数十倍の毒性あり
上記のソウシハギはカワハギ科ですが、今回紹介しているカワハギとは異なります。が、釣りなどを趣味にしている人、釣ったものをもらうなどの場合は注意してください。

肝を楽しみたい!人は秋まで待って頂くことになります、が、今もカワハギの旬です。見かけた時はぜひお楽しみください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。
