今週のお題「久しぶりに食べたもの」

毎月季節の魚介を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役魚」。
私は健康なカラダづくりに役立つ海の幸・魚介類を【役魚やくぎょ】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える魚たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。11月の役魚はハマチです。

ハマチ
ハマチの旬は9月から12月です。

ハマチ
Seriola quinqueradiata Temminck et Shlegel
硬骨魚綱 スズキ目 アジ科
1.ハマチはどんな魚?
皆さんよくご存じのハマチ、実は正式な名前(標準和名)はブリです。ブリはスズキ目アジ科ブリ属に属する種類で、日本近海に生息するブリ属4種類の中で最も多く、漁業的にも最も重要とされています。
「ハマチ」についてネット検索を必ず「ブリ」が結果として表示されます。
前出にあるように「ハマチ、実は正式な名前(標準和名)はブリです。」と環境省が明言しているように、ハマチは成魚のブリに成長している途中の状態を指します。
ということもあり、今回の役魚「ハマチ」はところどころ「ブリ」と表記してあったり、ブリについての内容もありますが、ご了承ください。

ハマチは出世魚、というか出世途中!
ハマチが出世魚というのは有名な話。

ハマチは出世魚
「出世魚」と呼ばれる魚は、成長に伴って呼び名が変わります。ブリの場合は、関西ではツバス(約20cm)→ハマチ(約40cm)→メジロ(約60cm)→ブリ(約80cm)となります。皆さんもご存じのとおり、江戸時代までは、武士や学者などは元服や出世の際に名前を変える習慣がありましたが、これになぞらえて成長とともに呼び名の変わる魚を「出世魚」と言います。
ハマチという名前はブリの成長途中の呼び名であり、決して間違いではないんですね。
ちなみに、この呼び名も地方によって異なり正確に整理するのは困難ですが、関東と関西で大きく分けると表のようになります。 なお、養殖されたものをハマチ、天然のものをブリと呼んでいる場合も多いようです。日本海側では小型のものをまとめてフクラギと呼んでいます。
つまり「大きさ」=成長度合いによって名前が変わるのです。
ブリの呼び名
サイズ |関東 |関西 |20cm|ワカシ|ツバス|
40cm|イナダ|ハマチ|
60cm|ワラサ|メジロ|
80cm|ブリ |ブリ |

ハマチ(30~40cm)→メジロ(50~60cm)→ブリ(80cm以上)→オオウオ(1m)
こうしてみるとハマチはブリの半分の大きさ。しかも関東ではなく主に関西で呼ばれている、ということには驚きました。

各地での「出世魚:ブリ」の呼び方

東北地方
- ツバエリ |稚魚
- コズクラ |35㎝以下
- フクラギ/フクラゲ |35~60㎝
- ガンド/ガンドブリ |60~80㎝
- ブリ |80㎝以上
関東地方
- ジャコ/モジャコ |稚魚
- ワカシ/ワカナゴ |35㎝以下
- イナダ |35~60㎝
- ワラサ |60~80㎝
- ブリ |80㎝以上
北陸地方
- ツバス/ツバイソ |稚魚
- コゾクラ/コズクラ/ハマチ|35㎝以下
- フクラギ |35~60㎝
- ガンド/ガンドブリ |60~80㎝
- ブリ |80㎝以上
関西地方
- ジャコ/モジャコ |稚魚
- ワカナ/ツバス/ヤズ |35㎝以下
- ハマチ |35~60㎝
- メジロ |60~80㎝
- ブリ |80㎝以上
九州地方
- ワカナゴ |稚魚
- ヤズ |35㎝以下
- ハマチ |35~60㎝
- メジロ/コブリ |60~80㎝
- ブリ |80㎝以上
やはり西日本で「ハマチ」という呼び方をするようです。

ハマチは養殖魚の代表
ハマチは天然ものより養殖ものの方が有名なんだそうです。

養殖魚の代表選手
全国各地でいろいろな養殖が行われていますが、海産魚類の養殖で最も盛んなのがブリの養殖です。千葉県以西で行われており、特に九州付近で盛んですが、瀬戸内海でも養殖量は多く、ブリの漁獲量全体の90%以上を占めています。香川県ではハマチとして県の魚にも指定されています。
ブリの養殖はモジャコ漁から始まります。モジャコ漁とは、流れ藻に付いているブリの稚魚(モジャコ)を流れ藻ごと網ですくい取る漁で、この方法で集められた稚魚を養殖に用いるのです。同じく養殖の盛んなマダイやヒラメなどは、人工的に卵からふ化させた仔魚を育てた人工種苗が用いられていますが、ブリではまだ試験段階で、養殖に用いるほどの大量種苗生産には至っておらず、天然の稚魚が頼りになっているのです。
集められた稚魚はサイズ毎に養殖生け簀(いけす)に収容され、豊富な餌を与えられて大きく育っていきます。養殖生け簀は、木や金属で出来た枠に袋状の網が吊り下げられた構造になっており、波の影響の少ない内湾などの、比較的潮通しの良い場所に浮かべられています。餌はイワシ類やイカナゴなどの生魚の他、最近は配合餌料やモイストペレット(カタクチイワシ、イカナゴなどの小魚と配合飼料の粉末を混ぜ合わせて粒状に成形したもの)が多く用いられています。
ブリ養殖は1927年に香川県で放養(ほうよう)されたのが始まりとされており、その後生産量は急速に増加し、1970年代以降は15万トン前後で推移しています。その後生産量の急激な増加から価格が暴落し、近年はマダイなどの養殖も盛んになってきましたが、それでも養殖魚生産量の4割近くを占めており、相変わらずNo.1の座を守っています。瀬戸内海は地理的にも養殖に適しており、全国の1割程度の養殖ブリが生産されています。
幼魚を捕まえて生け簀で育てる。ただそれだけではないようです。

ハマチを安定して供給できる技術

高い養殖技術により安定供給を実現
日本の海面で養殖された魚類の収穫量(2016年、農林水産省「漁業・養殖業生産統計」)は24万8200トンで、その半数以上の14万1000トンをブリ類が占めています。ブリは成長が非常に早く、18度以上の温暖な海水域で育つことから、鹿児島湾(鹿児島県)や豊後水道(愛媛県、大分県)などの各地で盛んに養殖されています。
養殖ブリの育成は、黒潮で生まれたモジャコと呼ばれる稚魚を捕獲して、種苗として用いるところから始まります。生け簀(す)に収容された稚魚は、豊富なえさを与えて育てられ、1~3年程度で出荷されます。春に5~10cm程度だった稚魚は、1年半後の秋には60cmの体長にまで成長します。
約90年前にスタートしたとされるブリの養殖技術は、歴史を経て発展しました。生け簀の大型化、ペレットえさの改良、疾病対策などを通じて、年間を通じて品質の高いブリを安定供給できるようになり、冬以外の季節では天然ブリよりも高値で取引されているほどです。飼育した親魚が早期採卵した稚魚を使った人工種苗によって、赤潮発生時期の前に出荷するなどの技術革新も進められています。
なんと国内の養殖魚の半分がブリ。そんなブリの養殖は90年以上の歴史がある。スゴいですね!みんなブリ=ハマチが大好きなんですね!
こんなブリ/ハマチに関する専門パンフレットを見つけました↓
https://www.fra.affrc.go.jp/bulletin/news/fnews33.pdf

天然もののブリ

日本全国の沿岸で漁獲
天然のブリは、沖縄を除くほぼ日本全国の沿岸で漁獲されます。伝統的な定置網が漁の主流でしたが、近年ではまき網漁でも漁獲されています。農林水産省の漁業・養殖業生産統計によると、2016年の天然ブリの漁獲量は10万4800トン。かつて、天然ブリは養殖ブリの半分程度でしたが、2010年から10万トン以上を維持し、ブリ生産量の約4割を占めます。地域別では、島根県、石川県、北海道、長崎県の順に水揚げが多くなっています。富山県の氷見(ひみ)ブリや北海道の天上ブリなど、各地に高級ブリのブランドがあり、高い価格で取引されています。また、趣味で釣りをする人にとっても、ブリは格好のターゲットです。餌やルアーを変えたりして、季節によってさまざまなスタイルの釣りが楽しめます。

ハマチって感じでどう書くの?

魬
魚へんに反でハマチ
魚に反と書いてハマチ、なんだそうです。

ハマチの名前の由来

ハマチの名前の由来
- 「身が張って丸い(ハリ・マ・チ)」から来ているという説
- 魚体が反り返っていても元に戻る姿から「反」の字が使われたという説。漢字の「魬」の魚へんに使われる「反」は、その姿に由来するとも考えられています。
- 刀剣の身と茎(なかご)との境目を「刃区(はまち)」と呼ぶことに由来する説

ブリ(ハマチ)の生態・食性

ブリはカムチャッカ半島より南の北太平洋・オホーツク海・東シナ海・日本海を回遊する回遊魚です。群れで泳ぎながら春から夏にかけて北上し、秋になると南下を始めます。ブリはイワシやアジなどを食べて生活しています。また、ブリの産卵期は2月から初夏にかけてです。稚魚はモジャコと呼ばれ、藻で身を隠しながらプランクトンを食べて成長します。
ブリ(ハマチ)は、日本から北アメリカ大陸の間にある太平洋の北部分をかなり広く遠くまで回遊しているんですね。

小さい頃はモジャコ
ブリがまだ小さい時はハマチ。ハマチがまだ小さい時は地域によって「モジャコ」と呼ばれているらしいです。でもなぜモジャコ?
も‐じゃこ【藻雑=魚】
ブリの稚魚。流れ藻について暮らす。5、6月ごろ九州から三重県の沿岸で採取し、養殖ハマチにする。
海を漂う「藻」に絡まって育つから藻雜魚=モジャコ。かわいいですね。しかもモジャコたちは食欲旺盛らしいです。だからすくすく育つんですね。

ブリ(ハマチ)の寿命
モジャコの頃からハマチとなってブリになるのにどれくらいかかるのでしょうか。

ブリの寿命は約6年から8年らしいです。
寿命の期間中に、イワシやアジなどの魚を捕食しながら成長し、体長は120cm程度に達します。
寿命 6年から8年程度。
成長
- 1年で約30cm
- 2年で約50cm
- 3年で約65~70cm
- 5年で約80cmを超え
体長120cm程度まで成長する個体もいるそうです。

ハマチは仲間と一緒にいる!?
ハマチには「仲間と一緒にいたがる」という習性があるようです。
魚が群れを作るのは、外敵から身を守る為でもありますが、フィッシュイーターのハマチも群れをなします。その理由は、”効率よくエサを見つけ食べる為”だったり。
だから群れの中の誰かがエサを見つけると、『わー!エサだ!!食うぞー!!!』とスイッチがオンになり活性が高まるので1匹釣れると、次々と釣れていくことが多いのです。
みんなと一緒に!という習性がまさに一網打尽になってしまう原因となっているんですね。

ブリとハマチの栄養を比較

栄養素比較(100gあたり)
|ハマチ |ブリ |
エネルギー | 217 | 222 |kcaL
たんぱく質 | 20.7 | 21.4 |g
DHA | 910 | 1700 |mg
EPA | 480 | 940 |mg
脂質 | 17.2 | 17.6 |g
ビタミンB1 | 0.16| 0.23|mg
ビタミンB2 | 0.21| 0.36|mg
ナイアシン | 9.0 | 9.5 |mg
ハマチとブリの栄養素量を比較するとほぼ同じと考えていいかも知れません。ただブリの方がDHAやEPAをハマチよりも多く含んでいるようです。

ハマチの注目したい栄養素

良質な脂質
はまちとぶりにはDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)が多く含まれている。DHAやEPAには、多くの健康効果が期待されている。
- 動脈硬化や脂質異常症の予防と改善に期待できる
- 中性脂肪を減らす効果が期待されている
- 血液の凝固を抑える働きがある
- 血栓症の予防の効果が期待できる
- 記憶力の機能の向上によい影響を与えるともいわれている
最近の日本人は魚離れが深刻化している傾向にあり、DHAやEPAをサプリで補う人が増えている。
ビタミンB1
はまちやぶりには、ビタミンB1が多く含まれている。ビタミンB1は、エネルギーを作るときに必要なビタミンだ。疲労回復にも効果があるため、特に激しい運動をしたあとは、積極的に摂取したい栄養素である。ビタミンB2
はまちやぶりには、ビタミンB2が多く含まれている。ビタミンB2は、糖質、脂質、たんぱく質の代謝を助ける栄養素だ。またビタミンB2には、動脈硬化の原因ともなる過酸化物質を抑える働きもあるとされています。ナイアシン
はまちやぶりには、ナイアシンが多く含まれている。ナイアシンもビタミンB2と同様に、糖質、脂質、たんぱく質の代謝に関わるビタミンである。また、ナイアシンは、アセトアルデヒドという二日酔いを起こす成分の分解を助ける補酵素の働きがある。はまちやぶりは、お酒の充てとして食べるのにも向いている。ビタミンD
はまちとぶりには、ビタミンDが多く含まれている。ビタミンDはたくさんの健康効果が期待されている。
- カルシウムの吸収を促し、骨を強くする効果が期待ができる
- 骨粗しょう症の予防
- 免疫力アップ
- 花粉症などのアレルギーの症状の緩和

★にょろにょろポイント★

ハマチやブリというと刺身や寿司など生で食べる機会も多いですが、他にも色々と調理方法はあります。ハマチが美味しいこの時期、ぜひ味わってみましょう。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。



