
毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。3月の役菜はクレソンです。

クレソン
クレソンの旬は3月〜6月です。

オランダガラシ(阿蘭陀芥子・和蘭芥子、学名: Nasturtium officinale)
水中または湿地に生育するアブラナ科の多年草。クレソン(フランス語:Cresson)またはクレス(cress)ともいう。「葶藶(ていれき)」ともいう。ヨーロッパから中央アジアの原産。辛みがあり、肉料理の付け合わせとしてよく知られる。
あれ?クレソンってオランダガラシと言うんですね。

クレソンの他の呼び名

日本では一般にクレソンと呼ばれていて、標準和名オランダガラシは、外国から渡来したという意味で名付けられている。英名をウォータークレス (Watercress) 、仏名クレッソン (Cresson / Cresson de fontaine) 、伊名クレシオーネ (crescione) 、中国名では豆弁菜(とうべんさい)とよばれている。別名では、オランダミズガラシ、ミズガラシ(水芥子)、セイヨウゼリ(西洋芹)、バンカゼリなどともよばれているが、いずれも同じクレソンである。学名としてはNasturtium officinale、N. nasturtium-aquaticum、N. aquaticum、Rorippa nasturtium-aquaticum(別属Rorippa に含める場合)が用いられる。別種のガーデンクレス(学名: Lepidium sativum)は、アブラナ科マメグンバイナズナ属の植物で、和名をコショウソウという。
一般名・・・・クレソン
標準和名・・・オランダガラシ
英名・・・・・ウォータークレス (Watercress)
仏名・・・・・クレッソン (Cresson / Cresson de fontaine)
伊名・・・・・クレシオーネ (crescione)
中国名・・・・豆弁菜(とうべんさい)
別名・・・・・オランダミズガラシ
ミズガラシ(水芥子)
セイヨウゼリ(西洋芹)
バンカゼリ
ということのようです。

クレソンの和名に「オランダ」と入っている理由
となるとクレソンとオランダには関係がないみたいですけど・・・どうして???

なぜオランダなのか?
クレソン伝来の少し前、江戸時代には鎖国政策が実施された。ヨーロッパ諸国とも国交が途絶えていたが、例外的にオランダとは関係が続いていた。
当時、オランダから科学や医学のほか、食物や文化などさまざまなものが日本に取り入れられた。ヨーロッパの他の国の文化や食物も、オランダを経由して取り入れられたことから、当時の日本人の目にはオランダのものと映ったようだ。その関係か、伝来物の日本名にオランダを含めることが多かったようだ。クレソンの和名のオランダも、この習慣の影響で付けられたと考えられる。
他の例として、たとえばキャベツにはオランダナ、アスパラガスにはオランダキジカクシといった別名がある。おそらくいずれも由来は同じだ。
開国して間もない日本にとって、オランダは西洋諸国の代表だった。そのために、西洋の野菜であるクレソンの日本名にオランダの名前が冠されたと考えられる。
江戸時代にオランダ人が自給用に種子を持ち込み、各地の水田の畦や谷川のほとりに野生化したものがみられる。その後明治中期に再度日本に持ち込まれた。数多い洋菜の中で歴史も古く、知名度の高いものの一つである。
オランダ人が自分用として持ち込んだものが自生して現在に至るというのはなるほど、って思いました。
でもオランダガラシという和名ですが、最終的にフランス語由来の「クレソン」になったのは面白いですね。

農林水産省がクレソンに決めた!?

クレソンの原産地は、ヨーロッパで、現在は世界各地に帰化植物として野性化しています。和名はオランダがらし、オランダみずがらし、西洋ぜり、クレソンと呼ばれ、英語ではウォータークレスといいます。農水省は統一名称としてクレソンと決めました。クレソンはフランス語である。
確かにクレソンが一番しっくり来ますね。

クレソンの辛味成分
クレソンと言えば独特の辛味が特徴。あの辛味の正体は?

クレソンの辛味成分
クレソンの特有のピリッとした辛味は、主にシニグリンという成分によるものです。この成分が酵素と反応して「アリルイソチオシアネート(アリルカラシ油)」という成分に変化し、ワサビや大根のような爽快な辛味を生み出します。クレソンの辛味成分(シニグリン)の特徴
- 辛味の由来 シニグリンはアブラナ科の植物に含まれるカラシ油配糖体の一種です。
- 効果・効能 消化促進・胃もたれ解消: 肉料理の脂っこさを緩和し、消化を助けるため、ステーキの添え物に最適。
- 抗菌・殺菌作用 口臭予防や食中毒の予防に役立つ。
- 血行促進・食欲増進 血液の酸化防止や新陳代謝を高める。
- 注意点 非常に高栄養で「スーパーフード」とも呼ばれますが、辛味成分は一度に多く摂りすぎると胃や腎臓に刺激を与える可能性があるため、適量の摂取が推奨されます。
アリルイソチオシアネート (Allyl isothiocyanate, AITC)
示性式CH2CHCH2NCSで表される集積二重結合化合物の1つであり、有機硫黄化合物にも分類される。無色の油状液体で、マスタードやワサビなどの辛味成分である。辛味や催涙作用の発現には、TRPA1、TRPV1の2つのイオンチャネルが関わっている。水には微溶だが、ほとんどの有機溶媒には可溶である。アリル芥子油とも。
イソチオシアネート(英: Isothiocyanate)
-N=C=Sという化学基を持つ物質の総称であり、イソシアネート基の酸素を硫黄に置き換えることによって得られる。植物由来の天然イソチオシアネートの多くは、グルコシノレートと呼ばれる代謝産物が酵素によって変換されて生成される。アブラナ科の植物にしばしば含まれるアリルイソチオシアネートはマスタードオイルに含まれ、辛味の原因となっている。人工のイソチオシアン酸であるフェニルイソチオシアネートは、エドマン分解ではアミノ酸の配列決定に用いられる。
シニグリン (sinigrin)
アブラナ科の植物、特にメキャベツ、ブロッコリー、ホースラディッシュ、クロガラシ等に多く含まれる配糖体である。グルコシノレート(カラシ油配糖体)の代表的なものの一つ。
特に「イソチオシアネート」はダイコンをすりおろすと発生する栄養素というイメージがありますが、クレソンにも含まれているんですね。

クレソンの辛味、好き?嫌い?
クレソンの辛味ですが、好き/嫌いのアンケートを見つけました。
ウェザーニュースで実施したアンケートによると、クレソンを好きと答えた人が68%いる一方で、約3人に1人の32%が嫌いと答えています。クレソン独特の辛味や苦味を苦手としている人も多いようです。

クレソンは米国疾病予防管理センターからも注目

非常に栄養価が高い野菜で、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が2015年に栄養素の高い野菜&果物TOP41で第1位と紹介したほどです。

クレソンを食べて知恵を得よ

「クレソンを食べて知恵を得よ」とは、主にギリシャに古くから伝わる、クレソンの優れた栄養価や薬効を称える言い伝えです。
クレソンは「栄養の宝庫」であり、健康維持に役立つことから、「クレソンを食べることで健康になり、賢くなる(知恵を得る)」という意味で使われてきました。
なぜ「知恵」なのか?(言い伝えの背景)
古代からの薬草: 古代ギリシャなどでは、クレソンは単なる野菜ではなく、薬効のある植物として知られていました。特に肝機能の向上や、デトックス作用(解毒・排泄)があるとして、健康維持に欠かせないものとされてきました。心身の健康と聡明さ: 健康な体(特に血液や肝臓が綺麗)こそが、明晰な思考や知恵(ヤル気や知識)を生み出す、という考え方に基づいています。クレソンが「知恵の野菜」と言われる栄養的根拠
現代の科学においても、クレソンは極めて高い栄養価を誇る野菜として認められています。「世界最強」の野菜: 米国疾病予防管理センター(CDC)の指標(栄養素スコア100点)で、栄養価の高さで第1位に輝いたこともあります。
- 栄養満点 カルシウム、リン、鉄分などの無機質(ミネラル)や、ビタミンC、β-カロテンなどが豊富に含まれています。
- 薬効成分 独特の辛み成分である「シニグリン(イソチオシアネート)」は、抗酸化作用や抗菌作用があり、血液の酸化を防ぎ、消化や解熱の効能があるとされてきました。
歴史と呼び名
欧州の歴史: 14世紀頃にはフランスで栽培されていた記録があり、ヨーロッパでは古くから食卓に欠かせないハーブでした。日本での呼び名: 明治時代に導入され、オランダからやってきた辛いセリ(辛味のある野菜)として「オランダガラシ(オランダ辛子)」と呼ばれています。つまり、「クレソンを食べて知恵を得よ」は、「健康こそが最大の知恵であり、栄養価の高いクレソンを食べて健康な心身を維持しなさい」という、古くからの知恵が詰まった言葉といえます。

クレソンの国内産地

順位 都道府県|生産量 | シェア
1位 山梨 |291t|38.0%
2位 栃木 |270t|35.3%
3位 沖縄 | 53t|6.9%
4位 静岡 | 34t|4.4%
5位 大分 | 33t|4.3%
6位 和歌山| 24t|3.1%
7位 愛知 | 13t|1.7%
8位 大阪 | 7t|0.9%
9位 茨城 | 5t|0.7%
10位 千葉 | 3t|0.4%全国合計 |765t|100%
都道府県別のクレソン生産量と全国シェア(2018年)
寒い場所を除いて色々なところで栽培されているようです。

クレソンの栄養

クレソン(生)の100gあたりの栄養価
- エネルギー:13kcal
- たんぱく質:2.1g
- 脂質:0.1g
- 炭水化物:2.5g
- ビタミン
・ビタミンA(βカロテン):2700μg
・ビタミンD:0μg
・ビタミンE:1.6mg
・ビタミンK:190μg
・ビタミンB1:0.1mg
・ビタミンB2:0.2mg
・ナイアシン:0.5mg
・ビタミンB6:0.13mg
・ビタミンB12:0μg
・葉酸:150μg
・パントテン酸:0.3mg
・ビオチン:4μg
・ビタミンC:26mg- ミネラル
・ナトリウム:23mg
・カリウム:330mg
・カルシウム:110mg
・マグネシウム:13mg
・リン:57mg
・鉄:1.1mg
・亜鉛:0.2mg
・銅:0.05mg
・マンガン:-
・ヨウ素:2μg
・セレン:2μg
・クロム:1μg
・モリブデン:20μg- 食物繊維:2.5g
- 【管理栄養士監修】クレソンの栄養面の特徴やおすすめの食べ方を解説 | 食・料理 | オリーブオイルをひとまわし

クレソンの注目したい栄養素

ビタミン類
クレソンはビタミンA(βカロテン)、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB群、ビタミンCといったビタミン類を多く含んでいる。これらのビタミン類は身体の機能を正常に保つために欠かすことができない。しかし、体内では合成できないため、食べ物から摂取する必要がある。(※2)ビタミンDはクレソンに含まれていないが、その他のビタミン類はバランス良く摂ることができるだろう。ミネラル類
クレソンはカリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル類も含んでいる。これらのミネラル類もビタミン類と同じで、身体の機能を正常に保つ働きがある。しかし、ミネラル類も体内では合成できないことから、食べ物からバランス良く摂取しなければならない。(※2)食物繊維
クレソンは、食物繊維の含有量も多い。食物繊維には多くの生理機能があるとされており、現在では第6の栄養素に位置付けられている。しかし、現代人は食物繊維が不足気味となっている。肉料理にクレソンを合わせることで、不足しがちな食物繊維を補うこともできるだろう。(※2)シニグリン
クレソンはピリッとした辛味が特徴的だが、これはシニグリンと呼ばれる辛味成分に由来する。シニグリンは食欲を増進したり、消化をサポートしたりする働きがあるとされている。クレソンを脂っこい肉料理などに合わせることで消化を助けてくれるだろう。(※3)

★ユニコーンポイント★

肉料理に添えられていることの多いクレソン。「カラシ」の名の通り、お肉にぴったりです。が、他にも色々なレシピがあるようです。旬のクレソン。肉料理の添え物、彩りだけでなく、他の食べ方、楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか?
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・糖尿病病態栄養専門管理栄養士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。
