今週のお題「春に食べたいもの」

毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。5月の役菜はニラです。
ニラ
ニラの旬は12月〜5月です。

ニラ(韮・韭、学名: Allium tuberosum)
ネギ属に属する多年草。中国原産で欧米では栽培されておらず東洋を代表する野菜である。五葷・五辛の1つ。
とても深く鮮やかな緑色で細長ーく薄っぺらな葉っぱのニラ。その見た目からは想像できない程、強い味がします。

ニラとなった由来
ニラという名前の由来は何でしょうか。

ニラの語源は、古名の「みら」が転じたものとされています。『古事記』では「賀美良(かみら)」、『万葉集』では「久久美良(くくみら)」と表記され、奈良時代以前から「ミラ」と呼ばれていました。また、美味しさを意味する「美辣(みら)」から由来したという説も存在します。
語源の主な由来と変遷
「みら」の転訛:古い呼び名である「ミラ」が次第に「ニラ」に変化した。「美辣(みら)」説:味が良いことを表す「美」と、辛味や独特の風味を意味する「辣」を組み合わせた。「臭嫌(においきらう)」説:独特の臭いがあるため「臭嫌(においきらう)」が変化したという説もある。名称
『古事記』では「加美良」(かみら)、『万葉集』では「久々美良」(くくみら)、『正倉院文書』には「彌良」(みら)とそれぞれ記載されている。このように、古代においては「みら」と呼ばれていたが、院政期頃から不規則な転訛形「にら」が出現し、「みら」を駆逐して現在に至っている。近世の女房言葉に二文字(ふたもじ)がある。これは、ネギが古語の「キ」にちなんで、同じく女房言葉で「一文字」と呼ばれていたことにちなむ。別名はフタモジ[6]。日本の地方による方言では、フタモジ(二文字:千葉県上総地方)、ジャマ(新潟県中越地方)、ニラネギ(韮葱:静岡県、鳥取県などの一部)、コジキネブカ(乞食根深:愛知県、岐阜県の一部)、トチ(奈良県山辺郡、磯城郡)、ヘンドネブカ(遍路根深:徳島県の一部)、キリビラ(沖縄県島尻郡)、チリビラ(沖縄県那覇市)、キンピラ(沖縄県那覇市)、ンーダー(沖縄県与那国島)などがある。
英名はチャイニーズ・チャイヴ(Chinese chive)、仏名はアイユオドラン(ail odorant)中国植物名は韮菜(きゅうさい)という。
味がよく、独特の風味という意味から「ニラ」と呼ばれるようになったそうです。納得です。

ニラはスタミナ増強!?
ニラには強い独特の香りと口に入れた時に感じる辛味があります。その元となっているのが硫化アリルの一種「アリシン」という成分です。

アリシン(英: allicin)
ニンニク由来の化合物。強い抗菌・抗カビ作用を持つ。生のニンニクを煮たり炒めたりした時の臭いの元となる物質でもある。
ニラは高い栄養価を持つスタミナ野菜で、疲労回復成分「アリシン」が豊富。ビタミンB1と合わせると効果が倍増する。根元に栄養が集中しており、加熱は短時間が肝心。βカロテンが豊富なため油炒めが最適で、乾燥や冷凍保存(1ヶ月)も可能。スタミナ増強: 香り成分「アリシン」がビタミンB1の吸収を高め、疲労回復、血行促進、冷え性改善に効果がある。

ニラは漢方

漢方では、ニラの葉を乾燥させたものを「韮白(きゅうはく)」と言い、止血・解毒作用があります。
また、種子を乾燥したものが「韮子(きゅうし)」と言い腰痛・頻尿などの症状に用いられます。
ちなみにニラの種はコレ↓


ニラは日本でも

日本のにら栽培は、9~10世紀ころから始まったと言われており、古くから重要な野菜であったと考えられます。古事記や日本書紀にも記述があり、万葉集では、にらは「久々美良」(くくみら)と呼ばれ、この「みら」がなまって「にら」となったという説もあります。
江戸時代の著名な農学者である宮崎安貞は、彼の代表的著書である「農業全集」の中で、「にらは昔から有名な作物で、人々から賞味されている。」、「陽起草とも言って、人の栄養を助けて体を温める、性質の良い野菜である。」と述べています。

アリシンを含むニラを摂取する上での注意点

アリシンの殺菌効果は強力なため、ニンニク、ネギ、タマネギ、ニラなどを生で摂取したり、過剰摂取すると、胃腸内に存在する善玉菌である腸内細菌類をも殺してしまい、胃腸障害を引き起こす危険性がある。
食べると色々な効果がある、ということはそれだけ「影響」があるということ。過剰摂取により胃腸障害を起こすことがあるとのこと。身体によいからと言って食べ過ぎ注意です。

ニラの主な国内産地

ニラ(韮)
順位|都道府県|生産量 |シェア1位|高知 |14,500t|24.9%
2位|栃木 |10,900t|18.7%
3位|茨城 | 7,780t|13.3%
4位|宮崎 | 3,540t|6.1%
5位|北海道 | 2,940t|5.1%
6位|山形 | 2,890t|5.0%
7位|群馬 | 2,750t|4.7%
8位|大分 | 2,690t|4.6%
9位|福島 | 2,450t|4.2%
10位|千葉 | 2,180t|3.7%合計 |全国 |58,300t|
表:都道府県別のニラ(韮)生産量と全国シェア(2019年)
高知+栃木+茨城の上位3県で57%とのこと。でも北海道から、宮崎まで全国で生産されています。

ニラの栄養

ニラ(生)100 gあたり
エネルギー・・・・・・・・・・・・・・・・・18 kcal
水分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・92.6 g
たんぱく質・・・・・・・・・・・・・・・・・1.7 g
脂質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.3 g
食物繊維総量・・・・・・・・・・・・・・・・2.7 g
炭水化物・・・・・・・・・・・・・・・・・・4.0 g
ナトリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・1 mg
カリウム・・・・・・・・・・・・・・・・・・510 mg
カルシウム・・・・・・・・・・・・・・・・・48 mg
マグネシウム・・・・・・・・・・・・・・・・18 mg
リン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 mg
鉄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.7 mg
亜鉛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.3 mg
銅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.07 mg
マンガン・・・・・・・・・・・・・・・・・・0.39 mg
ヨウ素・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 μg
セレン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 μg
クロム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 μg
モリブデン・・・・・・・・・・・・・・・・・15 μg
β−カロテン・・・・・・・・・・・・・・・・・3500 μg
β−クリプトキサンチン・・・・・・・・・・・・32 μg
α−トコフェロール・・・・・・・・・・・・・・2.5 mg
γ−トコフェロール・・・・・・・・・・・・・・0.5 mg
ビタミンK・・・・・・・・・・・・・・・・・・180 μg
ビタミンB1・・・・・・・・・・・・・・・・・0.06 mg
ビタミンB2・・・・・・・・・・・・・・・・・0.13 mg
ナイアシン・・・・・・・・・・・・・・・・・0.6 mg
ビタミンB6・・・・・・・・・・・・・・・・・0.16 mg
葉酸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100 μg
パントテン酸・・・・・・・・・・・・・・・・0.5 mg
ビオチン・・・・・・・・・・・・・・・・・・2.1 μg
ビタミンC・・・・・・・・・・・・・・・・・19 mg

ニラの注目したい栄養素

緑黄色野菜トップのβカロテン
ニラはたくさんの栄養素をもっている野菜です。その中でもニラを代表的な栄養がβカロテンです。βカロテンはにんじんやホウレンソウなどの緑黄色野菜に多くふくまれていますが、ニラはそれよりも高い含有量をほこる野菜です。100gあたり3500μgものβカロテンがあり、これは野菜のなかでもトップクラスの量です。βカロテンは体内でビタミンAに変換される栄養素で、主に目や皮膚などの健康維持に欠かせません。ほかにも抗酸化作用に優れているため、アンチエイジングにも役立ちます。強力な抗酸化作用があるビタミンE
ニラにふくまれているビタミンEにも、強力な抗酸化作用があります。体内にある活性酸素の働きをおさえて、皮膚の代謝をアップさせる効果が期待できます。そのため、シミやそばかすのケア、肌荒れ防止などの美肌づくりの手助けにもつながる栄養素なのです。免疫力アップのアリシン
ニラの独特の匂いの元である栄養素がアリシンです。アリシンはニンニクにもふくまれている栄養素で、独特の辛味や匂いを生み出しています。この辛さをかんじる匂いこそ疲労回復をサポートするアリシンなのです。アリシンはビタミンB1と結合して、体内に長時間とどまって疲れた体をいやしてくれます。ただしアリシンは熱に弱く栄養が壊れやすいため、調理方法に注意が必要です。油といっしょに料理すると、アリシンが分解されにくくなるので、ぜひ油で炒めましょう。貧血予防に役立つ葉酸
ニラは貧血対策につながる葉酸(ようさん)も多く含んでいる野菜です。
葉酸は赤血球を成熟させるために欠かせない栄養素。葉酸が不足していると葉酸欠乏症になってしまい、貧血をおこす原因につながります。この葉酸不足による貧血を「巨赤芽球性貧血 」とよび、特に多くの血液を必要とする妊婦にはたっぷりの葉酸がかかせません。お腹の調子を整える食物繊維
ニラは100gあたり2.7gもの食物繊維が含まれています。しかも、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の両方がはいっているため、お腹の調子を整えて便秘予防につながります。水溶性食物繊維は腸の中の水分をとりこんで、スムーズな排便を手助けする食物繊維です。そして不溶性食物繊維は腸に残った食べかすなどをからめとって、いっしょに便として排出するために役立ちます。ほかにもニラは水分の排出を手助けするカリウムなど、むくみ対策につながる栄養素も含んでいます。体の中にあるよけいなものを外に出して、アンチエイジングをサポートするビタミン類をたっぷりと含んでいる、まさに健康や美容にうれしい野菜の1つなのです。
ニラに含まれる驚きの栄養とは?免疫力アップ・疲労回復・冷え性におすすめ! | ふるなび公式ブログ ふるさと納税DISCOVERY

★ユニコーンポイント★
福岡・博多でニラと言えば「もつ鍋」です。

もつ鍋(もつなべ)
牛または豚のもつ(小腸や大腸などの内臓肉、別名「ホルモン」)を主材料とする鍋料理であり、ホルモン鍋(ほるもんなべ)とも呼ばれる。日本で食される牛豚のもつ(ホルモン)を具材に用いた鍋料理にはいくつかの種類があるが、福岡県福岡市を中心に食されてきたものが広く知られている。

福岡・博多の「もつ鍋」
福岡・博多においては、第二次世界大戦後にもつ肉とニラをアルミ鍋で醤油味に炊いたものがルーツとなっており、1960年代にはごま油で唐辛子を炒めてもつを入れてから味付け用調味料とネギ類を入れ、すき焼き風に食べられていた。「ホルモン鍋」とも呼ばれる。福岡では郷土料理と化し、老舗のみならず一般の居酒屋でも博多ラーメンに次ぐ人気メニューとなっている。近年のスタイルは、鰹や昆布、鶏ガラなどでとったダシに醤油や味噌で味つけし、その中に下処理したもつと大量のニラ・キャベツともつの臭みを消すためのニンニク(ニンニクはスープにあらかじめ風味付けしておく場合もある)のほか、好みで唐辛子(鷹の爪)を入れ、これを火にかけて煮込んで食べる。もつと野菜を食べた後には、残った汁にうどんを入れていたが、1990年頃より長崎出身者の影響でちゃんぽんの麺を入れて「締め」とする場合も多く、牛のもつにこだわる店や水炊き風に酢醤油を付けて食べる方法を推奨する店などもある。

ニラはとても栄養豊富ですが、食べ過ぎにはくれぐれもご注意ください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・糖尿病病態栄養専門管理栄養士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。