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適材適食 -てきざいてきしょく-

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1492食目「ノンアルコール飲料はこどもに飲ませていいの?」あなたはどう考えますか?

「ノンアルコール飲料はこどもに飲ませていいの?」あなたはどう考えますか?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

前回「ノンアルコール飲料」についてお話しました↓

今回はその続き、です。今回のテーマは「ノンアルコール飲料はこどもに飲ませていいの?」です。

「ノンアルコール飲料はこどもに飲ませていいの?」あなたはどう考えますか?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

ノンアルコール飲料、例えばビールテイスト飲料は見た目も香りも味もアルコール入りのホンモノ?のビールそっくりです。技術の進歩、情熱、努力を感じます。最早アルコールが入っているかいないかの違いのようにさえ思えます。

しかし、前回のお話で↓

 

ノンアルコール飲料は含有アルコール量が1%未満の飲料、つまりアルコールを含んでいる場合があるのです。逆に言えば、日本では1%未満であればノンアルコール=アルコールを含んでいないものとして扱っているわけです。

「ノンアルコール飲料はこどもに飲ませていいの?」あなたはどう考えますか?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

ーーーお酒は20歳を過ぎてから。

誰もが知ってる標語ですが、お酒ではないノンアルコールなら未成年者でも飲んでいいものなのでしょうか。

そこで大手アルコール飲料メーカーのサイトを調べてみると、

ノンアルコールビールテイスト飲料を未成年が飲んでもいいのでしょうか?

法律上は未成年の方が飲用されても問題ありませんが、ビールテイストの炭酸飲料のため、未成年者の飲用はお薦めしません本商品は20歳以上の成人の飲用を想定・推奨しています。

ノンアルコールビールテイスト飲料を未成年が飲んでもいいのでしょうか? | よくあるご質問 | サッポロビール

とありました。他にも

ノンアルコール飲料は清涼飲料なので、未成年が飲んでも法的には問題ありません。ただ、ビール大手各社は「20歳以上の人に向けて開発した商品」と位置づけており、未成年が飲むことを勧めていません。これらの飲料について各社は「お酒らしい味わい」を追求しており、サントリーは「本物のアルコール類に誘引する恐れがある」として、酒売り場に置いてもらうよう販売店などに要請しています。セブンイレブンでは酒類と同様に、販売時に年齢確認をしています

https://www.kyoeikasai.co.jp/kpa/agent/monosiri2012-25.htm

だったりだとか、

酒類販売業免許が不要で、20歳未満への販売、提供と20歳未満の購入や飲用も、未成年者飲酒禁止法上では問題はないが、あくまでも20歳以上が飲用することを念頭に開発されており、未成年者の飲酒を助長する恐れがあるなど、混乱やトラブルを招きかねないため、未成年者への販売は推奨されておらず、大手チェーン店を中心に、自主規制として販売を自粛するところもある。また、同じ理由で未成年者が購入しにくいようにお酒の売り場に陳列する場合も多い。なお、一部の大手コンビニでは、ノンアルコール飲料の購入時に、酒やたばこと同様に、レジにて年齢確認ボタンを押す必要がある。ビールやワイン、酎ハイなど、現存しているアルコール飲料のアルコール分を極端に少なくする、もしくは0%にした飲み物であり、ノンアルコールビールでは、1%未満のものをいう。2003年の道路交通法改正により、飲酒運転への罰則が強化されたことに伴ってノンアルコール飲料の需要が高まったため、大手酒造メーカー各社が一斉にノンアルコール飲料に参入したが、法的にはアルコールが1%未満であれば「ノンアルコール飲料」を名乗れるため、実際はかなりのアルコールが含まれていた。例えば2003年に発売された『モルトスカッシュ』(キリン)にはアルコールが0.5%、『アサヒポイントワン』(アサヒ)には0.1%のアルコールが含まれており、お酒に弱い体質の場合や大量に飲んだ場合は酔うことがあり、飲酒運転として捕まる可能性があった[2]。また、未成年者やお酒に弱い人、妊婦の飲用は十分注意する必要があり、定着しなかった。2007年の道路交通法改正で、飲酒運転への罰則がさらに強化されたため、2009年4月にキリンは『モルトスカッシュ』に代わってアルコールが0.00%である日本初のノンアルコールビールである『キリンフリー』を発売。この大ヒットを受け、アサヒが『アサヒポイントワン』に代わって『アサヒポイントゼロ』を発売するなど、各社が続々とアルコール0.00%飲料に参入した。

ノンアルコール飲料 - Wikipedia

まとめると、

  • ノンアルコール飲料を未成年者が飲むことに関して、法律上は問題ない。
  • しかしノンアルコール飲料はアルコール飲料に酷似しているので、アルコールを飲むきっかけになりかねない。
  • ノンアルコール飲料を販売する店側では、アルコール飲料と並べ手に取りにくい工夫やタバコのように年齢確認を行っている。

ということのようです。

 

では、アルコールを含むお菓子はどうなっているのでしょうか。一例としてこちら↓を取り上げてみます。

「ノンアルコール飲料はこどもに飲ませていいの?」あなたはどう考えますか?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

ちゃんとパッケージにアルコール分がどれだけ入っているか書かれています。

「ノンアルコール飲料はこどもに飲ませていいの?」あなたはどう考えますか?【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

裏面にも表記されています。

67%のラム酒=アルコールを含んでいて、アルコール分は3.8%と書かれています。

ーーーノンアルコール飲料は含有アルコール量が1%未満の飲料だったから3.8%はオーバーしているんじゃないの???

そうですよね。心配になりますよね。でも右上の栄養成分の欄に「1本(15g)」とあります。

ノンアルコール飲料って本当にアルコール"ゼロ"?

日本の酒税法では、アルコール分1%以上の飲み物を「酒類」としています。そのため、アルコール分1%未満の飲み物は、ノンアルコール飲料に含まれることになります。たとえば、居酒屋で見かけるホッピーは、アルコール度数は0.8%もありますが、ビアテイストの清涼飲料水(ノンアルコール飲料)です。このホッピーを、体重60kgの方がどのくらい飲むと、酒気帯び運転になるのか計算してみました。適正な飲酒量(ml)は、(血中濃度)×(指数)×(体重)÷アルコール度数で導き出すことができます。それをふまえて、先ほどの血中アルコール濃度0.03%をベースに計算すると、以下の通りとなります。※指数とは、体重1kgあたりの平均血液量(=833ml)
0.03(%)×833×60(kg)÷0.8(%)=1,874.25(ml)
つまり、ノンアルコール飲料のホッピーでも、アルコールに弱い人なら1.5L強で血中アルコール濃度は0.03%(アルコール濃度0.15mg)近くになります。ノンアルコールだからといって、飲み過ぎると酒気帯び運転になる可能性があるということです。

ノンアルコールビールやノンアルコールカクテルは飲酒運転になる?

上記の式を使って計算すると、

①血中アルコール濃度(%)

②体重1kgあたりの平均血液量(=833mL)

③実際の体重(kg)

④商品に含まれるアルコール濃度(%)

①x②x③÷④

0.03(%)x833(mL)x60(kg)÷3.8(%)=394.578...(mL)

394mL以上で適正な飲酒量を超えることになります。アルコール濃度がホッピーよりも高いので当然です。

でも、ここで考えて欲しいのはホッピーは飲み物=液体で、お菓子はチョコレート=固体ということです。チョコレートを394mL相当まで食べるのはちょっと現実的ではありません。ただ、こちらの商品の場合、4本入りなので全部一気に食べてしまうと、それなりにアルコールを摂取していることになります(私はアルコールに弱いのでとてもじゃないけど食べられません、1本で限界?です)。

また、上記の計算は60kgの成人を想定しています。その半分体重30kgの子どもで試しに計算してみると、

0.03(%)x833(mL)x30(kg)÷3.8(%)=197.289...(mL)

となり、成人の半分で適正量?を超えてしまいます。

やはり、未成年者にノンアルコール飲料はもちろんのこと、アルコールを含む食べ物は与えないほうが良さそうです。

 

ところでなぜ未成年者はアルコールを摂取してはいけないのでしょうか。

国税庁のサイトには以下のように記されています↓

未成年者の飲酒防止の推進

成長過程にある未成年者の飲酒は、本人にとって身体的、精神的に大きなリスクがあるだけでなく、社会的にも大きな影響を与えます。これを未然に防止するためには、未成年者が「なぜ自分たちがお酒を飲んではいけないのか」を理解できるよう、学校での教育のほか、家庭や地域社会においてもしっかりと説明するなど、大人の責務として社会全体で取り組む必要があります。

未成年者がお酒を飲んではいけない5つの理由

  1. 脳の機能を低下させるおそれがあります
  2. 肝臓をはじめとする臓器に障害を起こしやすくなります
  3. 性ホルモンに異常が起きるおそれがあります
  4. アルコール依存症になりやすくなります
  5. 未成年者の飲酒を禁じる法律があります

未成年者の飲酒防止に関する法律
未成年者(20歳未満の者)の飲酒は、「未成年者飲酒禁止法」により禁止されています。この法律では、①親や親の代理をする者は、監督する未成年者の飲酒を制止しなければならない、②酒類を扱う販売業者や飲食業者は、未成年者が飲むことを知りながら酒類を販売・提供してはならないこととされており、①に違反した場合は科料、②に違反した場合は50万円以下の罰金が課されることとされています。
また、酒類を扱う販売業者や飲食業者は、未成年者の飲酒防止に資するため、年齢確認等の必要な措置を講ずることとされています。

未成年者の飲酒防止の推進|国税庁

★モゥー!ポイント★

法律を守ることはとても大切なことです。でもそれ以上にこどもの身体、未来を護ることの方が大事ではないか、と私は考えています。

 

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級

毎日更新!たべものブログ【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級)糖尿病・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。