『血糖値スパイク』って知ってますか?
スパイクと言えば
野球やサッカーなどの選手が履く
靴の裏に「滑り止め」のような金具の付いているアレですよね。
血糖値の上下動があのスパイクのようなカタチに似た動きを
スパイクになぞらえてそう呼びます。
血糖値(グルコース)スパイクというのは、食後に血糖値が急上昇(食後高血糖)し、その後急降下すること。
激しく血糖値が変動することによって、食後に眠気や頭痛などを感じることもある。
この状態を放置しておくと、2型糖尿病になるリスクが高くなるし、最近では、動脈硬化の進行が早まるとも言われとる。
参照・参考:
左の健康な状態の血糖値の動きと
右の動きは明らかに違うことが判ります。
右は血糖値の上昇が急激でしかもスパイクのように高くなっています。
このような血糖値の動きを「血糖値スパイク」と呼びます。
ーー健康診断でも血糖値は大丈夫だったし、
ーー糖尿病じゃないから血糖値は心配ない。
実は「健康診断」では「血糖値スパイク」 は見つけられないのです!
血糖値スパイクが起こっている人でも、空腹時血糖値はそれほど高くないから、血糖値の平均を表すHbA1cの値は正常なまま。だから、健康診断ではわからないことが多い。
どういうことでしょうか。
血糖値は食事をすると食べものの中に含まれている
主に活動のためのエネルギー源となる「糖」を
消化吸収することで血糖値は「上昇」します。
すると
膵臓からインスリンというホルモンが分泌され
血液中の糖をエネルギーとして使うために
体内に取り込むことで血糖値は「下降」します。
動きだけを見ると
血糖値は食事をすると「一旦上がりそして下がる」
という動きになります。
逆に言えば
血糖値は食事をしないと「動かない」わけです。
=「空腹時血糖値」は「低く」なります。
つまり「正常」。
多くの健康診断の場合、
食事を抜いて採血することが多いと思います。
そう「空腹時」に血糖値を測定しているのです。
ところが
「血糖値スパイク」
が表れるのは「食後」なのです。
食後に起きるので空腹で血糖値を測定する
健康診断の場合「発見することが難しい」のです!
健康な人では、食後でも血糖値はあまり上がらないし、元に戻るのも早い。
糖尿病や血糖値スパイクのある人では、
食後に血糖値が大きく上昇してしまう。
食後血糖値が高め(140~200mg/dL)だと、
食後すぐに血糖値スパイクを起こしている疑いアリ。
参照・参考:
この「血糖値スパイク」に注目が集まっています。
ではどうしたら「血糖値スパイク」が起きているのか判るのでしょうか。
それには「OGTT」という方法があります。
OGTTとは
Oral Glucose Tolerance Test =経口ブドウ糖負荷試験
のことで、
(主な検査の流れ)
①検査当日の朝まで10時間以上絶食した「空腹」の状態で採血し、血糖値を測ります。
②次に、ブドウ糖液(ブドウ糖75gを水に溶かしたもの、またはデンプン分解産物相当量)を飲みます。
③ブドウ糖負荷後、30分に採血をし血糖値を測定。
④1時間後に採血をし血糖値を測定。
⑤2時間後に採血をし血糖値を測定。
という検査で、
これで「血糖値スパイク」が起きているかどうかが判ります。
*これらの検査は医療行為です。医師、特に糖尿病専門医に必ず相談してください。
もし食後に
- ぐったりしてしまう
- 急に眠気に襲われる
- 疲労感がある
- 集中力や判断力が下がる
など思い当たるのであれば、
健康診断で血糖値やHbA1cが正常範囲内であったとしても
糖尿病専門医に相談してみてはいかがでしょうか。
★ぶー!ポイント★
早期発見!
これこそが糖尿病治療の秘訣です!
最後に日本医師会が「血糖値スパイク」についての情報を提供していますので紹介します↓
http://dl.med.or.jp/dl-med/people/plaza/495.pdf
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。