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適材適食 -てきざいてきしょく-

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1009食目「美味しいお茶の淹れかた」おちゃってなあに?その⑥

「美味しいお茶の淹れかた」おちゃってなあに?その⑥【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

 

そろそろ美味しいお茶が飲みたくなってきたのではないでしょうか。今回はお茶の淹れ方についてお話していきます。

 

おいしいお茶のいれ方

お茶を淹れる時の5つのポイントを紹介します。

1)

水は軟水。軟水とはカルシウムやマグネシウムの金属イオン含有量が少ない水のこと。それを硬度という単位で表します。軟水は硬度が低く、高いのは硬水になります。味としてはまろやかに感じる水です。

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水中のカルシウム・マグネシウムの少ないものを「軟水」、多いものを「硬水」といい、日本全国様々です。一般的には、以下のように分類されます。
硬度 0〜60       :軟水

硬度 60〜120   :中程度の軟水

硬度 120〜180 :硬水

硬度 180〜       :非常な硬水

2)沸かす

水をやかんで沸騰させ3分〜5分そのままにしてカルキ臭をとる。

3)お湯の温度

お湯の温度は低い方がアミノ酸(うまみ成分)が多く、渋み・苦味は少なく、うまみが強く感じられる。

4)茶葉の量

茶葉の量は好みがあり定めにくい。自分の好みの量を見つけると良い。

5)抽出時間

抽出時間はお湯の温度が低いほど、茶葉がお湯を吸って薄緑色に変化し、茶葉に含まれる成分が抽出されるまで時間がかかる。

 

 

「美味しいお茶の淹れかた」おちゃってなあに?その⑥【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

玉露の淹れ方ーーーーーー

準備   湯冷まし、宝瓶ほうひん

茶葉の量 2g~3g×人数 *1人分の時は5gがオススメ

温度   40℃~50℃がオススメの温度。

*湯呑や湯冷ましにお湯を1回移し替えると7℃~10℃下がる。例えば90℃のお湯を別の容器に移し替えると80℃程度に温度が下がる。なので4回〜5回程度お湯を移し替えるとちょうどいい温度になる。

淹れ方

①沸騰したお湯60cc〜70ccを湯冷ましから宝瓶(急須)に入れる。さらに、茶碗に注ぎ、約40℃~50℃になるまで冷ます。*一人の場合はお湯20〜30cc

②急須に茶葉を大匙山盛り2杯程度、10g入れる。*一人の場合は茶葉5g

③湯冷ましした茶碗のお湯40℃~50℃を宝瓶(急須)に入れる。

④蓋をせずに茶葉の動きを眺める。

⑤お湯を注いで1分ほどすると茶葉がお湯を吸って、薄緑色に変化していく。出し頃は1分〜2分後。*最後の1滴まで注ぐ。雫の間隔が1秒以上あけば最後の一滴。

★最後の1滴にお茶の美味しさがつまっている=ゴールデンドロップと呼ばれる

⑥お茶を急須から茶碗に回し注ぎをして濃さが均一になるようにする。注ぎ終わったら、茶葉が蒸れないように蓋をずらして、空気を入れる。

⑦2煎目以降はお湯の温度を上げてすぐに淹れる。3煎目も同様に短時間に淹れる。

淹れるポイント 揺らさないこと。揺らすと雑味が出てしまう。

お茶の味 テアニン(アミノ酸の一種)が増すと甘味が強く感じる。低い温度のほうが抽出される。カテキンやカフェインは苦みや渋味成分で高温で抽出されるもの。低い温度では抽出されにくい。

*カフェインが多いほうが好きな人は高温でお茶を楽しむと良い。

*日本茶は温度で変化を楽しむことができる。

*茶葉は出し醤油でおひたしのように食べることができる。上質な「玉露」の葉は比較的柔かいので食べることができるが、その他の茶葉は食べにくい。ほうれんそうやコマツナなど葉物のおひたしのような味わい。

 

 

「美味しいお茶の淹れかた」おちゃってなあに?その⑥【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

抹茶の淹れ方ーーーーーー
準備   抹茶椀、茶筅ちゃせん
抹茶の量 1.7g
温度   80℃がオススメの温度。

淹れ方
①(前準備)1.7g/人の抹茶+10ccの水=抹茶をほぐす。
*正式な作法ではないが、ダマにならないようにするためには、少量の水で滑らかにしておくことがオススメ。抹茶を「トントン」とほぐし、なめらかになるまで「くるくる」混ぜる。つやが出てくるまで混ぜる。
*正式な茶室の時は、事前に抹茶を2〜3回茶こしで濾して②から行う。
②70cc〜80㏄の90℃の湯を注ぐ。
③抹茶と湯を混ぜる。底の抹茶をお湯になじむようにゆっくり混ぜる。はじめはこぼしにくく、泡立ちやすくするため「川」の字でたてて、泡立てる。ある程度泡がたったら、表面を整えるように「の」の字で茶筌を上げる(大きな泡が消えて、真ん中に泡が集まり盛り上がりのある感じ)
④前茶の表面がクリームのようにキメが細かく泡立てれば出来上がり。

飲むときの作法

  1. 右に2回器を回す(茶器の模様をズラす)
  2. 一礼
  3. 4口くらいで飲み終わるのが正式
  4. 左に2回器を回す(茶器の模様を正面に戻す)

*抹茶は水に溶けない成分まで摂ることができるのが利点。
*流派により、立て方や作法などの違いがある。
*碾茶を臼でひいて粉にしたものが「抹茶」だが、最近は他の茶葉を粉にしたものを「抹茶」として取り扱っていることもある。
*泡が細かいほうが良いとか、均一なほうが良い等流派によって異なる。泡が細かいほうが柔らかでまろやかに感じる。

 

 

「美味しいお茶の淹れかた」おちゃってなあに?その⑥【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

煎茶の淹れ方ーーーーーー
準備   湯冷まし、急須
茶葉の量 2g~3g×人数 *1人分の時は5gがオススメ
温度   70℃〜80℃がオススメの温度。
*煎茶は日本で一番飲まれている茶(ペットボトルの茶)
*温度によって味が大きく変わる。香りを楽しむお茶。
*低い温度だと玉露と同じように甘い味わいだが、高温で入れると苦味が出てくる。
*好みに応じて淹れる。
淹れ方
①沸騰したお湯180ccを3人分(60㏄)に分けて茶碗に注ぎ、約70℃〜80℃になるまで冷ます。
②急須に茶葉を大匙山盛り2杯程度、10g入れる。*一人で飲む場合は茶葉5g
③湯冷ましした茶碗のお湯約70℃〜80℃を急須に入れる。
④ふたをして茶葉の浸出を末。急須の中で茶葉がお湯を吸って、黄緑色に変化していく。出し頃は45秒~1分。
⑤お茶を急須から茶碗に回し注ぎをして濃さが均一になるようにする。最後の一滴まで絞りきる。
⑥2煎目以降はお湯の温度を少し上げて待つ時間を短くし、絞り切る。

 

 

 

文中に出てきた湯冷ましとはこんな感じの茶器です↓

「美味しいお茶の淹れかた」おちゃってなあに?その⑥【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

湯冷まし(ゆざまし)

煎茶道における茶道具の一つ。茶を入れるための湯を冷ます道具である。
形状はピッチャーから取っ手を外したものである。湯の温度を効率よく下げるため、底より口を大きく作ってあることが多い。
この道具は日本独特の茶である玉露抽出のための道具である。玉露を抽出するには60度前後の湯が適温とされる。ボーフラややかんで沸かしたばかりの湯は熱いため、一旦冷まして温度を下げる必要がある。
紅茶や中国茶等の外国の茶道具に類例の道具は存在しない。但し、中国茶には「茶海」という形状の類似した道具が存在する。この茶海は湯温を下げる道具ではなく、適度な濃度に抽出された茶を急須(「茶壺」という)から一旦移しておく道具である。
通常、湯冷ましのみが単独で売られていることは少なく、同じデザインの急須あるいは宝瓶(泡瓶)と茶碗数個とセットになって販売されていることが多い。 

湯冷まし - Wikipedia

 

最初は順番を覚えるのが面倒と感じるかも知れません。でも、正しく淹れたお茶は全然味が違います。ぜひ、一度試してみてください。

 

(つづく)

 

★ちゅー!ポイント★

「美味しいお茶の淹れかた」おちゃってなあに?その⑥【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

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「美味しいお茶の淹れかた」おちゃってなあに?その⑥【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

お茶の楽しみ方もひとそれぞれ。あなたらしくお茶を楽しんでください★

 

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級)

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。