今回はお茶に関するお話をランダムに詰め合わせします。お気に入りのお茶を飲みながら読んで頂ければ嬉しいです。
①杯目 現在のお茶はフリーダム
その昔、玉露の栽培は厳しく管理されていたそうです。当時お茶の中心地であった京都・宇治でさえ、玉露の栽培するためには許可が必要だったそうです。現在ではもちろん宇治に限らず自由に玉露だけでなく好きなお茶を栽培することができるようになっているそうです。
②杯目 宇治茶の明暗
京都、滋賀、三重、奈良の県境の辺りで栽培されているお茶は宇治茶と呼んでいるそうです。宇治茶には抹茶と玉露がありますが、宇治抹茶は人気で販売も好調なのに対し、玉露は低迷しているそうです。玉露に関しては福岡・八女やめで作られている八女茶の方が品評会などでは好まれているそうです。
③杯目 お茶の歴史
1200年程前(平安時代)
中国・唐より茶種を持ち帰り、京都の比叡山のふもとに植え育てたのが日本初のお茶と言われているそうです。その頃のお茶は餅茶へいちゃと呼ばれていたものので、後の団茶となるもの。団茶とは茶葉を固めた固形茶であまり普及しなかったそうです。
800年ほど前(鎌倉時代)
中国・宋からお茶を飲むという習慣が入って来て、日本中に広まっていったそうです。この時飲まれたのは抹茶で、カテキンが多く、苦みがあり、眠気覚ましや薬として扱われていたそうです。当時の僧、明菴栄西みょうあんえいさいによって書かれたとされている日本で一番古い科学書とされる「喫茶養生記きっさようじょうき」の中には、茶の種類や抹茶の作り方、茶の効用などが書かれているそうです。特に下巻には当時の五大大病とされていた飲水(=糖尿病)、中風、不食、瘡、脚気に対するクワの効用と用法が書かれているとあります。ちなみに現在の中国には抹茶は存在しないそうです。
350年ほど前(江戸時代)
江戸時代の後期、関西に急須が中国から入ってきて初めて「美味しいお茶を作ろう」という考えが出てきたそうです。京都・宇治田原 湯屋谷の永谷宗園が、煎茶の作り方、宇治茶製法を生み出し、それが一般に拡がっていったそうです。
④杯目 茶が育つ場所
- 昼と夜の温度差があって、水はけがよい場所
- 霜が大敵!
⑤杯目 お茶と日光
テアニン
お茶のうまみ成分。根で作られて葉まで移動。葉に日光が当たると、テアニン→カテキンに変化する。
カテキン
渋み成分。殺菌作用やがん予防効果あり。
*前回もお話しています↓
⑥杯目 国内のお茶の生産量
農林水産省が平成30年に行った調査によると、
作付面積h 生産量トン
1 静岡 15900 | 29500
2 鹿児島 8400 | 28000
3 三重 2780 | 5910
4 京都 1560 | 2900
5 福岡 1540 | 1780
6 宮崎 1380 | 3510
7 熊本 1220 | 1270
8 埼玉 843 | 881
9 佐賀 749 | 1240
10 長崎 737 | 693
11 愛知 517 | 832
としています。生産量だけ見ると、静岡と鹿児島がずば抜けています。しかも2020年には鹿児島が静岡を生産量で抜くのではという予想がある程、両県がお茶の二大生産地ということのようです。↓
⑦杯目 お茶のブランド
全国にある有名なお茶のブランドを紹介します。参考にしたのは以下のサイトです↓
▲狭山茶(埼玉県)
狭山火入れといわれる独特の火入れが特徴
関東エリアの銘茶の産地として知られ埼玉県の狭山地方(入間市、所沢市、狭山市など)で生産されるお茶の総称です。 埼玉県は寒いところなので、静岡や九州と違いお茶の葉は1年に2回しか摘みとりません。 東京など関東エリアで愛飲されています。
▲静岡茶(静岡県)
日本最大のお茶の産地
日本のお茶の40%以上の生産量を誇る静岡県。 県内には牧の原台地、富士山麓、安倍川、天竜川、大井川などお茶の栽培に適し自然環境を活かした銘産地が並びます。 主にやぶ北茶などの煎茶や深蒸し茶の生産が主流ですが岡部町は玉露の産地としても有名です。
▲伊勢茶(三重県)
1千年の歴史を持つお茶の名産地
静岡、鹿児島に次いで全国第三位のお茶生産量の三重県。 伊勢茶は煎茶、深蒸し茶、かぶせ茶などが主に生産されています。 特に「テアニン成分」を含むほのかな甘みが特徴のかぶせ茶は全国2位、シェア30%以上の生産量を誇ります。
▲宇治茶(京都府)
高級茶の産地として名声高い「宇治茶」
京都府の宇治近郊、和束町や山城一帯は代表的な高級茶の産地として有名です。 煎茶を中心に生産されていますが玉露やてん茶(抹茶の原料)、抹茶など国内における高品位なお茶の産地として有名です。
▲八女茶(福岡県)
玉露の生産量全国一位
八女玉露 玉露と煎茶の名生産地として名高く古い歴史を持つ福岡県、 八女地方。八女市を中心に星野村や黒木町などで生産されている玉露は全国生産量の約半分を占め 日本一である事が知られています。
▲鹿児島茶(鹿児島県)
静岡県に次ぐ全国第二位の生産量
知覧茶、溝辺茶などの銘柄で有名な「鹿児島茶」。 平坦な茶園が多く摘採の効率化が進んでおり荒茶生産量は静岡県についで全国第二位を誇ります。 温暖な気候を活かし新茶の摘み取りは4月上旬から始まるため「日本一早い新茶」の産地としても有名です。
もちろんここで紹介した以外にもたくさんのブランド茶があります。
⑧杯目 世界のお茶の生産量
今度は世界のお茶の生産量です。もちろん日本茶も含む「茶」としての生産量です。こちらのサイトの資料を参考にしました。
1 中国
2 インド
3 ケニア
4 スリランカ
5 ベトナム
6 トルコ
7 インドネシア
8 イラン
9 ミャンマー
10 日本
11 アルゼンチン
12 タイ
日本は世界で第10位。ベスト3の中国、インド、ケニアは2011年、2012年、2013年不動です。
(つづく)
★ちゅー!ポイント★
今回はお茶についての雑学、お茶のみ話を集めてみました。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。