今週のお題「ベストアイス2023」
2023年7月21日。
▼前回
茶寮 宝泉でわらび餅を頂いた続き。
↑葵橋を渡っています。
↑夏って感じの加茂川を渡ります。そして目的地に到着。
盧山寺 ろざんじ
廬山寺(ろざんじ)
京都市上京区にある天台圓淨宗の本山の寺院。山号は廬山。本尊は阿弥陀三尊。寺号は詳しくは廬山天台講寺(ろざんてんだいこうじ)と称する。紫式部の邸宅跡として知られる。元三大師堂(如意輪観音を安置)は洛陽三十三所観音霊場第32番札所。
ーーーなぜお寺?
ーーーなぜ盧山寺?
せっかく京都に来ているので、どうせなら京都らしいことをしてみたいと思ってあれこれ探していたら「写経」を見つけたのです。で、こちら盧山寺では気軽に体験できる、ということだったのでお邪魔することにしました。もちろん人生初写経です(写経は60分〜90分ほどかかるらしいのです)。
廬山寺写経体験
- 写経日時 廬山寺では、毎日、自由に写経ができます。道具等(筆ペンなど)はすべて揃っておりますので、お気軽にどうぞ。 法要などで、写経出来ない日がございますのでご了承下さい。
- 納経料 500円(別途拝観料がかかります)
- 受付時間:午前9時~午後3時まで 初心者の方でおよそ60分から90分程度かかりますので、午後2時半までには御参拝下さい。 お申し込みは受付で承っております。
紫式部
↑紫式部
そしてここ盧山寺はあの「紫式部」と縁のある場所なんだそうです。
紫式部(むらさきしきぶ)
平安時代中期の作家・歌人・女房(女官)。作家としては日本文学史を代表する一人である。
なんと廬山寺の境内は、紫式部の邸宅跡なんだそうです。
境内に入ると、紫色のお花が咲いた庭がありました。
お花を拡大してみると↓
これは桔梗、入口に看板がありましたね↓
キキョウ(桔梗、Platycodon grandiflorus)
キキョウ科の多年生草本植物。山野の日当たりの良い所に育つ。日本全土、朝鮮半島、中国、東シベリアに分布する。
そしてこのお庭は源氏庭と呼ばれているそうです。
源氏庭について
紫式部が育ち、未婚時代を過ごしたのは堤第といわれた藤原兼輔(紫式部の曽祖父であり、堤中納言といわれる)が建てた邸宅であり、父・為時の邸宅においてでした。この邸宅で結婚生活を送り、一人娘の賢子(かたこ)を育て、源氏物語を執筆したのです。それは平安京の東に接した中河と呼ばれる地にあり、現在の廬山寺の境内を中心とする処に営まれていました。 昭和40年11月、廬山寺の境内に紫式部の邸宅址を記念する顕彰碑がたてられるとともに源氏庭が整備されました。 また、源氏物語の花散里の屋敷はこのあたりであったといわれています。 源氏庭は平安朝の庭園の「感」を表現したものであり、白砂と苔の庭です。源氏物語に出てくる朝顔の花は今の桔梗のことであり、紫式部に因み、紫の桔梗が6月末から9月初め頃まで静かに花開きます。
かつて紫式部が育ち、過ごした場所に紫色のキキョウが静かに咲いている。紫式部の代表作『源氏物語』にあやかった名前がぴったりです。
『源氏物語』(げんじものがたり)
平安時代中期に成立した日本の長編物語、小説。文献初出は1008年(寛弘五年)。作者の紫式部にとって生涯で唯一の物語作品である。主人公の光源氏を通して、恋愛、栄光と没落、政治的欲望と権力闘争など、平安時代の貴族社会を描いた。
下級貴族出身の紫式部は、20代後半で藤原宣孝と結婚し一女をもうけたが、結婚後3年ほどで夫と死別し、その現実を忘れるために物語を書き始めた。これが『源氏物語』の始まりともいわれる。当時、紙は貴重で、紙の提供者がいればその都度書き、仲間内で批評し合うなどして楽しんでいたが、その物語の評判から藤原道長が娘の中宮彰子の家庭教師として紫式部を呼んだ。それを機に宮中に上がった紫式部は、宮仕えをしながら藤原道長の支援の下で物語を書き続け、54帖からなる『源氏物語』が完成した。なお、源氏物語は文献初出からおよそ150年後の平安時代末期に「源氏物語絵巻」として絵画化された。現存する絵巻物のうち、徳川美術館と五島美術館所蔵のものは国宝となっている。また現在、『源氏物語』は日本のみならず20か国語を超える翻訳を通じて世界各国で読まれている。
この場所で『源氏物語』を執筆されていたそうです。紫式部も源氏物語も勉強しました。そんな歴史的な場所に立っているのってスゴイです。
そして廬山寺の入口にはもうひとつ碑がありました↓
元三大師
「元三大師」とは
良源(りょうげん、延喜12年9月3日(912年10月15日) - 永観3年1月3日(985年1月26日))
平安時代の天台宗の僧。諡号は慈恵(じえ)。一般には通称の慈恵大師、元三大師(がんざんだいし)の名で知られる。第18代天台座主(天台宗の最高の位)であり、比叡山延暦寺の中興の祖として知られる。また、中世以降は民間において「厄除け大師」など独特の信仰を集め今日に至る。「定心房(じょうしんぼう)」と呼ばれる漬物を伝授しており、これを沢庵漬けの始祖とする説もある。
で、文中にもあるように「たくあんづけ」を発明した人なんだそうです。
元三大師堂(非公開)
元三大師堂は正面3間、奥行4間で西面し前面1間通りを畳敷きの外陣とする。 内陣は護摩壇を丸柱で柱間1間に2間の正方形平面に囲んだ部分を中心に、その三面を1間の庇でとりまいた形をとり、奥に元三大師を祀る扉付仏壇をおくというものである。般舟三昧院元三大師堂とは規模が違うが、両側1間を取り去ればよく似た平面になる。建立は、天明大火後の天保六年(1835)の再建である。 元三大師堂では毎月三日に護摩を行っており、どなたでも自由に参加できます。
写経
「写経できますか?」と受付でたずねると「初めてですか?」と尋ねられました。どうやら何度も写経しに通っている人もいるようです。すぐに写経する部屋に通されました。
たまたま私ひとり、みたいです。
写経ってお経を書き写すのかと思っていたのですが、お手本としてサンプルが用意されていました。よしよし!これを写せばいいのね?と思っていたら、「願いを込めて4文字の好きな文字も書いてください」と言われました。何にしよう。四文字熟語?うーん。
写経(しゃきょう)
仏教において経典を書写すること、または書写された経典のことを指す。写経は、印刷技術が発展していなかった時代には仏法を広めるためにされていた。また、複数の僧侶が修行・講義・研究するために写経をすることは必要なことであった。その後、写経することに功徳があると言われるようになった。
私が写経するのはいわゆる『般若心経』です。
さ、始めます。
↑こんな感じで下にお手本が映っているので難しくはないです。
↑完成。
最初は丁寧にゆっくりと書いていたのですが、時間がない!と急かされて?しまったので、終わりに近づくにつれ、何だか文字が荒れてしまいました。
ちなみに四文字は「身体健全」としました。健康で元気な毎日を過ごせますように、の願いを込めました。御利益あるかなー。あればいいなー。
『般若波羅蜜多心経』(はんにゃはらみったしんぎょう、梵: Prajñā-pāramitā-hṛdaya、プラジュニャーパーラミター・フリダヤ)
空の理法をさとることが根本思想とされる大乗仏教の教理が、短いこの一巻の中にすべて納まっているといわれてきた経である。空の理法とは追究すれば限りがなく、『大般若経』六百巻のような大部の経が成立したが、この短い『般若心経』一巻にすべて納まる大乗仏教の精髄を示すものとして重要視され、常に読誦されてきた。 仏教の全経典の中でも最も短いもののひとつで、日本では「色即是空・空即是色」の名句で親しまれ、古くは聖武天皇の時代から現代まで、複数の宗派における 読誦経典の一つとして広く用いられている。
文字的にはこんな感じです↓
仏説摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩行深般若波羅蜜多時照見五蘊皆空度一切苦厄
舎利子色不異空空不異色色即是空空即是色受想行識亦復如是舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄不増不減是故空中無色無受想行識無眼耳鼻舌身意、無色声香味触法無眼界乃至無意識界無無明亦無無明尽乃至無老死亦無老死尽無苦集滅道無智亦無得
以無所得故菩提薩埵依般若波羅蜜多故心無罣礙無罣礙故無有恐怖遠離一切顛倒夢想究竟涅槃三世諸仏依般若波羅蜜多故得阿耨多羅三藐三菩提
故知般若波羅蜜多是大神呪是大明呪是無上呪是無等等呪能除一切苦真実不虚故説般若波羅蜜多呪
即説呪曰羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶
般若心経訳)
一切智者に敬礼きょうらいする
観自在菩薩は、深遠なる「智慧の完成」の修行を行じていたとき、五つの要素(五蘊)がある、と見られた。そしてそれらは本性が空であると見抜かれた。
シャーリプトラよ、この世界では、物質ルーパとは空性シューニャターであり、空性とは物質にほかならない。物質と空性は別々のものではなく、空性は物質と別々のものではない。
物質であるもの、それは空性であり、空性であるもの、それは物質である。
感受作用(受)・概念作用(想)・意志作用(行)・認識作用(識)(=五蘊)も同様である。
この世界では、あらゆる現象は空性を特徴とするものであり、生ずることもなく、滅することもない(=不生不滅)。汚れることもなく、汚れを離れることもない。欠けることもなく満ちることもない。
シャーリプトラよ、それゆえに空性にあっては、物質はなく、感受作用、概念作用、意志作用、認識作用はない(=五蘊はない)。
眼耳鼻舌身意の六つの認識器官もなく、色声香味触法の六つの認識対象もない(=十二処はない)。
眼に映る世界はない。さらに心の認識する世界もない(=六根六境六識の十八界はない)。
知識は存在しない[注 8]、迷いや煩悩もない(=十二因縁の順観はない)。
知識が消滅することはなく[注 9]、迷いや煩悩の消滅もない(=十二因縁の逆観もない)。
苦・集・滅・道(=四聖諦)はない。
(真理を)知るということもなく、(悟りを)獲得するということもない。
それゆえ、(悟りを)獲得するということがないので、菩薩(たち)の「智慧の完成」を頼りとして、(菩薩は)心を覆うものなく(安住して)過ごしている。
心を覆うものは何もないので、恐れがない。顛倒(した見解)から離れており、(無住処)涅槃に住している。
(過去・現在・未来の)三世の全ての覚者(仏)たちは「智慧の完成」を頼りとして、無上正覚の悟りを得ている。
それゆえに知るべきである。「智慧の完成」は大いなる真言(mantro)であり、大いなる明らかな智慧の真言であり、この上ない真言であり、すべての苦しみを鎮める。
それは、並ぶもののない真言であり、誤つことなきがゆえに真実である。「智慧の完成」において、真言が誦される。
すなわち(tadyathā)、
gate gate pāragate pārasaṃgate bodhi svāhā!
(行った、行った、向こうの岸に行った。向こうの岸に完全に至った。悟りよ、幸いあれ!)
と。
私が書いた写経は納めました。お手本は持ち帰ります。
★ぴょん!ポイント★
人生初の写経はこんな感じでした。
正直な感想。
まず「正座」。日頃正座なんてする機会がなくて、慣れていなくて長時間は厳しかったです。
次に「暑さ」。汗で半紙が手にくっついてしまうので、文字を書くのが大変でした。
私は中学の頃まで、書道をやっていました。でもそれ以降まともに筆を持つことはなかったので、ひさしぶりの感覚、とてもよかったです。また書道、やってみたくなりました!思えば最近、パソコンやスマホばかりですし、文字を書くとしてもメモ程度の走り書き。改めて筆で書くという感覚の良さを想い出しました。
今回お邪魔した廬山寺ではお手本の上に紙を置いてなぞる感じでしたが、手本を見ながら書くようなスタイルの写経もあるらしいです(興味がある)。
あとは「私のペースで書けなかった」こと。
初めて、ということもあるんですけど、写経の場所は廬山寺に訪れる人たちが自由に見学できる場所でもあるので、結構海外からの旅行者たちに見つめられてしまい、集中できなかったです。そして何より時間がなかったです。もっとじっくり、私のペースで一文字一文字書きたかったのですが、制限時間があるので慌てて書く感じになってしまいました。
とにかく、写経、よかったです。もし少しでも興味がある人はぜひやってみてください!絶対にオススメです!文字の上手い下手は関係ないです。書いているうちに文字を書くことに集中できるようになるので、そんな体験ができます。
次回、夏の京都2023その3 【かき氷】をいただきます。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。