全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。
その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ。
これは今から500年程前のスイスの医師、化学者、錬金術師、神秘思想家だったとされるパラケルススの言葉として伝えられています。
パラケルスス(スイスドイツ語:Paracelsus)こと
本名:テオフラストゥス・(フォン)・ホーエンハイム(Theophrastus (von) Hohenheim, 1493年11月10日または12月17日 - 1541年9月24日)
スイスアインジーデルン出身の医師、化学者、錬金術師、神秘思想家。悪魔使いであったという伝承もあるが、根拠はない。後世ではフィリップス・アウレオールス・テオフラストゥス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイム(Philippus Aureolus Theophrastus Bombastus von Hohenheim)という長大な名が本名として広まったが、存命中一度も使われていない。バーゼル大学で医学を講じた1年間を例外に、生涯のほとんどを放浪して過ごした。
とても興味深い言葉です。私なりにアレンジして解釈してみると、
ーーー全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。
身体によいとされるものも含めて、すべての食べられるもの・飲めるものは「毒」になる。
ーーーその服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ。
食べ過ぎたり、食べなさすぎるために、「毒」となってしまうのだ。
という感じでしょうか。
服用量という言葉からつい「薬」をイメージしてしまいます。薬は決められた量を決められたように服用して使って効果が期待できます。
そういう意味で食べものも同じです。
たとえ身体によいとされるものでも、極端に食べ過ぎたり、それだけを食べ続けたり、逆に極端に食べるのを避けたりすることは身体に大きな負担をかけることになります。
↑これは私が実際に食事カウンセリングで使っているオリジナルのシート「食事バランスシート」です。1番上のに「食べてはいけないものはありません。」と書きました。
糖尿病のあったとしても、食べてはいけないものはないのです。
しかし好きなように自由に食べていいわけではありません。
注意しなければいけないのは「量」です。
まさに全てのものは毒であり、毒でないものなど存在しない。その服用量こそが毒であるか、そうでないかを決めるのだ。なのです。
そこで私は適材適食てきざいてきしょくという言葉を使っています。
適材・・・あなたに合った食べものを
適食・・・あなたに合った食べかたで
というメッセージを込めた言葉です。
ひとりひとりの身体や生活に合わせた食べかたのコツを食のプロフェッショナルとして一緒に見つけるお手伝いをするのが私たち管理栄養士の仕事だと、私は考えています。
★ちゅー!ポイント★
他にパラケルススは
人間の体質は「からさ、甘さ、苦さ、酸っぱさ」と言う根源的な特質に支配されている
という説を残しています。
辛い、甘い、苦い、酸っぱい。
「味」です。
〜美味しいから食べる〜不味いから食べない〜
感覚で食べるものを決めてしまうのが人間の体質だとしています。
面白いですね。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。