これまでも何度か取り上げてきたダイズ。
栄養価、特に良質なタンパク質が摂れるというダイズ。でも、ダイズをそのまま食べるのはちょっと厳しいですよね。もちろん、豆腐や納豆、醤油や味噌などダイズを加工した食品はたくさんあるのはご存知の通りです。
そこで今回はダイズの粉ものについてお話したいと思います。粉ものダイズ、それはオカラとキナコです。
オカラ
おから
大豆から豆腐を製造する過程で、豆乳を絞った際に残るかす。日本、中国、韓国など、豆腐が存在する東アジア一帯ではなじみ深い食品である。食物繊維を多く含み、火を通して食べることが多い。
キナコ
きな粉(きなこ、黄粉)
大豆を炒って皮をむき、挽いた粉である。加熱により大豆特有の臭みが抜け、香ばしい香りになる。語源は「黄なる粉」で、黄な粉とも書く。
ただし実際には黄色ばかりの粉とは限らず、黄大豆を原料にしたきな粉は黄褐色なのに対し、青大豆を原料にしたきな粉は淡緑色なので、「青きな粉」や「うぐいすきな粉」と呼ばれる。
オカラとキナコ。どちらもダイズから生まれたものなので双子のようによく似ている見かけをしていますね。では栄養価的にはどうでしょう。
ーーーオカラは絞りカスだから栄養価なんかないんじゃない?!
ーーーキナコはほぼダイズだから栄養価高いんじゃない?!
ということで調べてみました!
ちゃんと表にして比べて見ました。(クリックするとPDFファイルで拡大してみることができます)
今回比較したのは、表の上から順に
- おから-生
- おから-乾燥
- きな粉・全粒大豆・黄大豆
- きな粉・脱皮大豆・黄大豆
- きな粉・全粒大豆・青大豆
の5つです。 ひとつひとつ観ていけば違いはあるのですが、私が特に気になったのは、
タンパク質
おから生・・・・・・・・6.1g
おから乾燥・・・・・・・23.1g
きな粉全粒黄大豆・・・・36.7g
きな粉脱皮黄大豆・・・・37.5g
きな粉全粒青大豆・・・・37.0g
*キナコの圧勝です。
脂質
おから生・・・・・・・・3.6g
おから乾燥・・・・・・・23.1g
きな粉全粒黄大豆・・・・25.7g
きな粉脱皮黄大豆・・・・25.1g
きな粉全粒青大豆・・・・22.8g
*生オカラ以外はそれなりに脂質を含んでいます。
糖質
おから生・・・・・・・・2.3g
おから乾燥・・・・・・・8.7g
きな粉全粒黄大豆・・・・10.4g
きな粉脱皮黄大豆・・・・14.2g
きな粉全粒青大豆・・・・12.4g
*糖質はキナコの方が高いです。むしろ生オカラが少ないです。
カルシウム
おから生・・・・・・・・81g
おから乾燥・・・・・・・310g
きな粉全粒黄大豆・・・・190g
きな粉脱皮黄大豆・・・・180g
きな粉全粒青大豆・・・・160g
食物繊維
おから生・・・・・・・・11.5g
おから乾燥・・・・・・・43.6g
きな粉全粒黄大豆・・・・18.1g
きな粉脱皮黄大豆・・・・15.3g
きな粉全粒青大豆・・・・16.9g
*全体的に食物繊維はそれなりに含まれていますが、中でも乾燥オカラはたくさん含んでいます。
という結果となりました。
同じ原材料から加工方法を変えただけでこれだけ栄養価が変わるんですね。特に「乾燥」させたものが栄養価が高いのは、比較方法の基準が「同じ重さ」だからです。
水分を含んでいるもの10コで100gと同じ重さの水分を含んでいないものは10コ以上になります、たとえば100コとか。10コに含まれている栄養と100コに含まれている栄養ではどちらが多いかというのは考えるまでもありません。
乾燥させたものの栄養価が高い説は結構当てはまります。
なので乾物は比較的栄養価が高いものが多いのです。そして水分が少ない分、長期保存に向いています。
★ちゅー!ポイント★
オカラくんとキナコさん。双子の二人ですが、それぞれに特徴があることが判りました。どっちが良くてどっちが悪いということはありません。似てるけど、中身は案外違う、ということを覚えておいてください★
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。