食事療法を上手に取り入れる方法として
「マインドフルネス」というものに注目が集まっています。
マインドフルネス=意識すること、という意味で、
そもそもストレスを軽減するメンタルトレーニングなのですが、
それを糖尿病の食事療法に取り入れるというものです。
具体的には、
マインドフルネス食事療法
①食事の前
まず深呼吸をして、
自分の空腹感を意識してみる。
どれだけ空腹なのかを意識する。
②食事中は
よく味わいながら、
食品の味や匂い、色などに注目しゆっくり食べる。
食べたものが自分の身体の中に栄養として吸収されていく
イメージを持つ。
食事を飲み込んだ後、一呼吸おいて食べていることを実感する。
③食事が半分ほど済んだら
満足感を得られているのかを確認する。
満足を感じているのであれば食事を残しても良い。
という感じでマインドフルネスを食事療法に取り入れていく方法です。
何だかちょっとだけ難しそうな感じがしますので
私なりにアレンジすると、
「五感を使って楽しむ」
という感じかなーと思っています。
視る、触る、嗅ぐ、聴く、味わうの五感。
たとえば、
- 何を食べようか考えながらワクワク。
- 食材の色や形、香り、手触り、音などを食材を集めながらワクワク。
- 調理をしながら徐徐にできてく段階でもワクワク。
- 出来上がった料理を前に色や香りなどでワクワク。
- ひとくち食べる前に味を想像しながらワクワク。
味については
「甘い」「辛い」「酸っぱい」など
という感じではなく、
「あの時食べた○○」というイチゴよりも
ふんわり甘いけど、酸味もやわらかいなー
歯触りも手触りもふんわり
でも真っ赤だなー
という感じで頭の中で「私なりの評価」をしています。
もちろん評価には正解はありません。
自分で勝手に評価していきます。
それを一口ひとくち繰り返していきます。
すると、不思議なもので記憶に残ります。
だから冒頭に
「あの時食べた○○」
が出てくるのです。
テレビを観ながら、家族と一緒に笑いながら食べる食事はいいとして、
雑誌や新聞を読みながら、とか、
スマホをいじりながら、とかは
食事が「ついで」になってしまいます。
食べたものは明日の自分です。
ひとつひとつの食材を五感を使って
自分なりに感じることはとても大切だと私は考えています。
濃い味ではインパクトが強すぎて評価できない事に気づきます。
すると、自然に味も薄味になります。
日本語には味を表現するための言葉がたくさんあります。
- しょっぱい
- 塩っ辛い
- 甘酸っぱい
- 甘辛い
- 甘い
- 酸っぱい
- 苦い
- 辛い
- のどごし
- 口当たり
- まろやか
- あっさり
- すっきり
- さわやか
- 広がり
- 深み
- コク
- 懐かしい
- 変わらない
- 柔らかい
- とろける
- 歯ごたえ
- 舌触り
- かたい
- 粘り
- 弾力
- やさしい
- 上品
- 素材
- 脂っこい
- こってり
- しっかり
- 乾いた
- しっとり
- つめたい
- あたたかい
- 伝統
- 後味
- 後をひく
- 新鮮
- 鮮度
- 目の覚めるような
- まずい
- 複雑
- シンプル
などなど、思いつくだけでもこれだけあります。
例えばいつも同じものを食べていても
味が違って感じられる時は
体調に変化があるのかも知れません。
せっかくの食事。
味覚だけでなく、五感全部で味わうことを意識してみてはいかがでしょうか。
★わん!ポイント★
「よくあじわう」今すぐに、誰にでもできることです。
なんとなーく食べるのではなく、
しっかり意識して食べること。
食べたいものを食べる、のと
食べたいものを味わう、のとでは違うと思いませんか?
高級なもの、珍しいもの、
特別なものを食べる時、もうやっていると思います。
それを普段の食事でやってみると、
何か変わるかも知れません。
ぜひお試しください。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。