今週のお題「最近おいしかったもの」
今週のお題「ほろ苦い思い出」
2024年1月27日土曜日。
以下、私の備忘録です。
第27回日本病態栄養学会年次学術集会 2日目
〜サスティナブルな栄養管理を目指して!〜
合同パネルディスカッション1
個別化栄養療法の確立に向けて
病態に応じた糖尿病食事療法を目指して
福井 道明 先生(京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・代謝学教授 / 日本糖尿病学会)
第4次「対糖尿病戦略5ヶ年計画」によると肥満やサルコペニアを考えた食事が大事。
第4次「対糖尿病戦略5ヵ年計画」|一般社団法人日本糖尿病学会
https://fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/plan_5years_4th.pdf
①食習慣の重要性について
1)食事のタイミング
【1日3食を規則正しく食べる】
- ドカ食い、まとめ食いより3回に分ける方が血糖値を抑えることができる
- 食間に一定時間を置き、次の食事までに血糖値を下げておくことが必要
- 朝食抜き、夕食のまとめ食いはダメ
2)食材選び
【炭水化物量を見て選ぶ】
- 炭水化物の多い食材、食品を知ることが大切
- 栄養表示を見る癖をつける(表示単位に注意が必要)
【食物繊維を積極的に取り入れる】
- 血糖値の上昇を抑える。特に水溶性食物繊維は効果が大きい
3)食べ方
【早食いはせず、ゆっくり食べる】
- よく噛んでゆっくり食べると血糖値の急上昇を防ぎ、満腹感がまし、食べ過ぎも防ぐ効果がある。
【最初に食物繊維が豊富なものから食べ始める】
- 食物繊維のゆっくり消化の効果を十分に生かし、血糖値の上昇を抑えることができる
BMIが1上昇すると糖尿病、冠動脈疾患、脳卒中が増える
ゆっくり食べる為に「○回噛む」というのもの良いが・・・
食べる瞑想(マインドフル・イーティング)
マインドフル・イーティングとは、食べながら行うマインドフルネス瞑想。
「ながら食い」は食べ過ぎてしまう。
1)食べ物を観察する
「初めて見るような気持ち」で「色・形」などじっくり観察しましょう。
2)香りを嗅ぐ
「はやく食べたい」という感情や、「唾液が出てくる」などの身体の変化に気づいていきましょう。
3)噛まずに口の中に含む
舌の上にしばらく乗せて口の中で転がしてみましょう。
「ざらざら、柔らかい」などの感触や風味を感じます。
4)ゆっくりと噛む
噛んだときの「食感」や「甘みや苦み」「変化する味」「溶けていく様子」などの変化をじっくりと感じます。
5)ゆっくりと飲み込む
噛めなくなるまで味わったら飲み込みます。喉や食道を通る感覚まで意識してみましょう。
- 間欠性ファスティングをすることで、動物実験では体重減量、HbA1cは有意差がなかった。
- ヒトでは体重減量、HbA1cが改善することがわかった。
- 16時間絶食=8時間食べるということ=エネルギーが減少する為体重減+絶食時間が増える
- 続けることがそれほど難しくない方法なので注目されやすい
- 朝食欠食につながる可能性もあるので注意した方が良い
②高齢化のサルコペニア
エネルギーとタンパク質をしっかりとることが大事。
タンパク質は朝:昼:夕=1:1:1で筋肉合成がアップする。
- 食物繊維(特に水溶性食物繊維)をとることで短鎖脂肪酸が上昇する。
- 食物繊維をしっかりとる人は血糖値が低い、インスリン抵抗性が低いことはよく知られているが、食物繊維を多くとる人は筋力アップ(筋異化抑制)することが疫学研究でわかった(因果関係は不明)
- 動物実験にて水溶性食物繊維を摂取した群は耐糖能改善、インスリン抵抗性改善、内臓脂肪蓄積抑制、脂肪肝改善することがわかった。
- さらに、水溶性食物繊維を摂取することで便中、血液中の短鎖脂肪酸が上昇し、腸管炎症抑制、筋肉異化抑制することで筋肉量が増えることがわかった。
- 水溶性食物繊維を摂取することは腸内環境を整えることで筋肉をアップする可能性があると考えられる
- 水溶性食物繊維:大麦、海藻、フルーツ、オクラ、納豆などに含まれるがおすすめは白米+大麦で主食で食べること
発酵食品(味噌)にて内臓脂肪減少、筋力アップ(マウスにて)
- 発酵食品を摂取することで便中、血液中の短鎖脂肪酸が上昇し腸内環境を整えて筋肉を増やすことがわかった。
- エネルギーやタンパク質を取ることだけでなく、水溶性食物繊維や発酵食品を摂取することもサルコペニア予防にとって大事。
【ポイント】
- 適切なエネルギー摂取、栄養バランス
- 3食均等に食べる
- ゆっくり時間をかけて食べる
- ロイシンを多く含むものを食べる
- ビタミンD、EPA
- 植物性タンパク質
- 中鎖脂肪酸
- 水溶性食物繊維
個別化栄養療法に向けた課題
森野 勝太郎 先生 (滋賀医科大学IR室准教授 / 日本糖尿病学会)
管理栄養士が行う栄養指導は医師や看護師のアドバイスより有効であるというデータあり(HbA1c、体重、LDLが改善)、今後、Precision Nutrition(精密栄養)が進むのではないか?
Precision Nutirtion:デジタル(IT機器・スマホの利用、メタボローム、遺伝子、腸内細菌叢)を使った細かいデータを使ったもの
それぞれの患者に合わせた栄養指導
+
スマートフォンの技術アップするとよりアップする
※患者が実践できる、続けられる栄養指導が大事
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
今回の講演も、刺激的でためになるお話ばかりでした。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。