毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。10月の役菜はカボチャです。
この季節、カボチャはジャック・オー・ランタンで見かけることが多いと思います。ここ数年ハロウィンが流行っていますが、今回はそのハロウィンのシンボルとも言えるカボチャに秘められた役菜部分にスポットを当てていきます。
カンボジアが名前の由来。
濃厚な甘い風味とホクホクした食感。独特の味わいのカボチャは、中央・南アメリカ原産ですが16世紀に日本に入ってきたのがカンボジア経由だったことから「カボチャ」と呼ばれるようになったのだとか。漢字の「南瓜」は中国でも使われているそうです。カボチャには大きく分けて
の3種類あります。
カボチャの主な「役菜」栄養成分
ベータ―カロテン 抗酸化作用、免疫力強化
ビタミンE 抗酸化作用、免疫力向上、がん抑制、細胞老化予防
ビタミンC 抗酸化作用、風邪予防、美肌効果。食物繊維 腸内環境を整える
カリウム 体内水分調節、高血圧抑制、筋肉の正常化
β―カロテン(抗酸化作用、免疫力強化)
トマトを赤くする色素成分でもある【β―カロテン】はカボチャを赤みがかった黄色にしています。トマトとカボチャで含有量を比較すると、可食部100gあたりミニトマト960µgに対し西洋カボチャ(ゆで)は3900µgと4倍も含まれています。β-カロテンは体内で【ビタミンA】に変わり、体内で異常な活性酸素の働きを抑える「抗酸化作用」を持っていて、同時に「免疫力を高め」健康を維持してくれます。
ビタミンE(抗酸化作用、免疫力向上、がん抑制、細胞老化予防)
カボチャには他の野菜に比べて多くのビタミンEが含まれています。ビタミンEは脂溶性、つまり油に溶けます。体内では細胞の脂質となって細胞膜を守っていると考えられています。ビタミンEの持つ【抗酸化作用】成分は、サプリメントなどの合成されたビタミンEではその働きをあまり期待できません。またビタミンCと一緒に摂ることで抗酸化作用の相乗効果を得られます。
ビタミンC(抗酸化作用、風邪予防、美肌効果)
ビタミンCは骨や血管、肌などの材料となるコラーゲンを形成する酵素の働きを助けてくれるので【美肌効果】が期待できます。また、抗酸化作用も持っています。
皮とワタと種。
カボチャの「皮とワタ」には果肉の部分より約3倍のβ―カロテンやビタミンEを含んでいます。特にカボチャの「種」には血液中のコレステロールを低下させる【リノール酸】が含まれています。
カボチャを食べるなら。
β―カロテンやビタミンEは脂溶性で加熱にも強いので、油を使った料理がオススメ。でも同じ瓜の仲間のキュウリと違ってカボチャには【糖質】が大変多く含まれているので食べ過ぎには注意。調理する時は砂糖やマヨネーズなどは使わずに、蒸したり焼いたりしてカボチャ本来の甘味を楽しみましょう。ご飯の量を調整するなど糖質の摂り過ぎに気をつけましょう。
カボチャの上手な選び方。
熟しているほど濃厚な甘味が出てきます。丸ごとの場合は
①ヘタがよく乾いていて
②皮が硬く
③ズッシリ重いもの
カットの場合は
①実が濃い黄色で
②しっかりしていて
③種が大きく密集して
④隙間のないもの
を選びましょう。
美味しくて 簡単で栄養素を逃さない簡単オリジナルレシピ
揚げないカボチャコロッケ
カボチャに含まれる油に溶けやすいβ―カロテンとビタミンEは摂りたい、でも揚げ物はちょっと、という人に向けの「揚げないコロッケ」です。ポイントはほんの少しのバター。風味が一気によくなります。
1人分(材料は2人分)
エネルギー 93 kcal
たんぱく質 2.2 g
脂質 2.7 g
炭水化物 15.4 g
食物繊維 3.4 g
食塩 0.2 g
材料(2人分)
カボチャ・・・・・・100 g
バター・・・・・・・5 g
タマネギ・・・・・・50 g
おから・・・・・・・20 g
黒胡椒・・・・・・・少々
醤油・・・・・・・・2 g
パン粉・・・・・・・5 g
作り方(調理時間20分)
① カボチャを一口大に切り、電子レンジ600wで3分30秒加熱し、バターで加えて潰す。
② タマネギをみじん切りにし、電子レンジ600wで1分30秒加熱する。
③ ①②の粗熱が取れたら、おから・パン粉・黒胡椒・醤油を加え、よく混ぜ、タネを作る。
④ フライパンにパン粉を入れ、少し色がつくまで煎る。
⑤ 適量のタネを手で丸めてフライパンに入れ、転がし、パン粉をまぶす。
⑥ パン粉が好みの焦げ色になったらできあがり。
いかがでしたか?旬のカボチャ、楽しんでください★
★ぶー!ポイント★
カボチャは甘くてほくほくでとても美味しいですよね。おかずだけでなく色色なスイーツにもなるカボチャ。しかもたくさんの栄養をたっぷり含んでいるカボチャですが、野菜の中でも糖質がとても多い仲間になります。美味しいからと言って食べ過ぎには注意です!
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。