今週のお題「苦手だったもの」
毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。9月の役菜はチンゲンサイです。
チンゲンサイ
チンゲンサイの旬は9月〜12月頃まで。
チンゲンサイ(青梗菜、チンゴンツァイ、学名:Brassica rapa var. chinensis)
アブラナ科アブラナ属の青菜系の野菜で、中華料理の代表的な野菜の一つ。
チンゲンサイ、と言えば、やっぱり中華、ですよねー。しゃりしゃり?と言った食感が特長です。
チンゲンサイという名前
チンゲンサイを漢字で表示すると「青梗菜」となるそうです。それにしても文字だけを観ると、
ーーーああ、中国っぽいなぁ
と思いますが、実は違うそうです。
チンゲンサイの名称
日本語
本来の和名はタイサイ(体菜)である。タイサイの中で特に白軸の部分はパクチョイ(白菜)とも呼称されている。チンゲンサイが日本へ入ってきたのは日中国交回復(1972年)以降である。本稿のチンゲンサイは中国由来で、そのまま日本の漢字に転写すると青梗菜となり、または青梗白菜という。日本では軸が緑色のものは「青軸パクチョイ・青梗パクチョイ・チンゲンツァイ」などと呼んでいたが、農林水産省により名称が統一され、葉柄が緑のものを「チンゲンサイ」、葉柄が白のものを単に「パクチョイ」と呼ぶようになった。チンゲンサイの漢字表記は「青梗菜」で梗はしんの堅い茎のことをいう 。中国語
中国語では法律により規定された名前を持たず、チンゲンサイの漢字表記はいまでも統一されていない。常用のものとしては青菜・上海白菜・蘇州青・青江菜・油白菜・小白菜などがある。中国ではハクサイのなかまの一種とされるが、葉軸が薄い緑色をしているので、軸が白いものは「白菜」(パクチョイ)と呼び、中国では一般的に使われている。なお、同じ「白菜」という漢字で書く「しろ菜(しろな)」は山東菜の別名であり、同じアブラナ科でも別の植物である。英語
英語では Qing geng cai と書かれる。英語圏においては「白菜」の広東語方言発音から「パクチョイ」(Pak choy)という呼称が確立していた。中国では一般に「小白菜」(シャオバイツァイ)と呼ばれ、中国東北部では「油菜」(ヨウツァイ)と呼ばれている。
ざっくり大雑把にまとめてしまうと、
- 日本語・・・タイサイ(体菜)/パクチョイ
- 中国語・・・定まっていない(!?)
- 英語・・・・パクチョイ
というように、実は本場?以外では名称がほぼ定まっているものの、中国では曖昧というとても面白い状態なんだそうです。面白いですねー。
青梗菜という文字
チンゲンサイは漢字で「青梗菜」と書きます。漢字だけみると
- 青・・・≒緑
- 梗・・・固い
- 菜・・・葉っぱ
緑色の固い葉っぱ。ん?固かったでしたっけ???
チンゲンサイは漢字で「青梗菜」と書きますが、これは梗(軸・茎)が青い菜という意味があります。
固いのではなくて、梗は茎のことなんですねー。って、あれ???チンゲンサイの茎は白かった気がしますけど・・・。
アクがないのが特長
チンゲンサイの特長のひとつは「灰汁がない」こと。そしてクセも無く、シャキシャキとした歯応えがあること、です。
特徴
チンゲンサイは最もポピュラーな中国野菜のひとつです。ハクサイやカブなどと同じアブラナ科の野菜の仲間です。シャキシャキとしていて、ほのかに甘みがあり、煮崩れしないのが特徴。中華料理はもちろん、西洋料理にも合う万能野菜です。
暑さや寒さに強く、生育期間が短くて連作も可能な野菜です。葉色が濃緑色、葉柄の部分も淡緑色をしていることから青梗菜の名があります。
「食べやすい」というのもチンゲンサイの大きな特長ですね。
チンゲンサイの栄養
そんなチンゲンサイ、どんな栄養が含まれているのでしょうか。
期待される効能
- 風邪予防
- 高血圧予防
- 心筋梗塞予防
- 脳梗塞予防
- 動脈硬化予防
- がん予防
- 骨粗鬆症
チンゲンサイは、体内で必要な量だけビタミンAに変換されるβカロテンを豊富に含んでいます。抗酸化作用のあるビタミンCも入っているので、これらの相乗効果で免疫力を高めたり、風邪やがんの予防などに効果が期待できます。βカロテンは油と一緒に摂ると吸収が高まるので、炒め物にすると効果的です。また血圧の上昇を抑制する作用があるカリウムや、骨を丈夫にするカルシウム、止血作用のあるビタミンKなども含まれています。
栄養価
チンゲンサイは緑黄色野菜で、主な栄養素は、ビタミンC、β-カロテンが多く、カルシウム、カリウム、鉄分、リン、食物繊維などもバランス良く含む。カロリーが低いのも特徴である。特にβ-カロテンが豊富で、可食部100グラム (g) あたり約1800 - 2000マイクログラム (μg)もあり、ピーマンの約6倍ある。カロテンは体内でビタミンAに変化し、ビタミンCと相まって抗酸化作用や、免疫力の活性化に期待できる。ミネラルの中では、カルシウムが比較的豊富に含まれている。ミズナやコマツナ等と並び、カルシウム摂取に効果的な野菜の代表例としてしばしば挙げられる。
またチンゲンサイの栄養素は、加熱しても損失が少ないことも特徴である。油との相性も良いことから、炒め物にすると脂溶性のカロテンの吸収率が高くなる。
とあるように、とてもバランスよく栄養素を含んでいるチンゲンサイ。中でも
- ビタミンC/β-カロテンを多く含むので抗酸化作用が期待できる。
- カルシウムを多く含むので骨粗しょう症予防が期待できる。
は覚えておくとよいでしょう。他にも、
漢方・薬効
熱さましや胸やけに効果があるとされ、胃がムカムカする時に最適である。
なんてことも言われているそうです。
虫にも大人気!チンゲンサイ
私たちの身体が喜ぶ栄養素がいっぱい詰まったチンゲンサイ、実は虫たちにもよく狙われているそうです。
アブラムシやコナガ、アオムシ、ヨトウムシなどの病害虫がつきやすく、種まき直後からトンネル栽培や防虫ネットをかけて予防する。また、コンパニオンプランツとしてキク科のシュンギクを一緒に植えておくと、害虫を忌避する効果が期待できる。
虫でも判る!チンゲンサイの栄養!ということでしょうか(違)。
★ぴょん!ポイント★
チンゲンサイは調理で加熱しても崩れにくく、またβ-カロテンの吸収を高めるために油との相性もいい、と考えると中華料理に本当にぴったりな野菜、です。偶然にしてもスゴイくらい相性がいいです。
旬を迎えているチンゲンサイ、ぜひ美味しい今に召し上がってください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。