▼初日
第23回 日本病態栄養学会 年次学術集会 2日目です。今日は朝イチから最後まで講義や発表に参加して勉強します(気合)。
備忘録として、清野 裕 先生(公益社団法人日本糖尿病協会 理事長/関西電力病院 総長/関西電力医学研究所 所長/京都大学 名誉教授/アジア糖尿病学会 理事長)の講演内容を記します。
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- タンパク質(肉や魚)を先に食べるとインクレチン増→その後に食べる血糖値上昇が抑えられる。
- ごはんから先に食べると、健康人でも血糖値上昇。
- 5分前におかずを食べておくと、インクレチン分泌が起こり、炭水化物を食べた時に食後血糖値をおさえることができることがわかった。
- 高齢者は、生野菜を先に食べると消化が悪いということがあり、タンパク質を摂りにくい。そのため高齢者に限っては、タンパク質→野菜→乳製品→炭水化物、果物の順序がオススメ。
- 懐石料理は野菜(先付け)が出る→魚→炭水化物の順序で出てくる=血糖値が上がりにくい食事。
- DM予備軍に食べる順序をオススメするとどうか? 食べる順序を意識すると、体重減、摂取エネルギー減、歩数は変わらないという結果。→順番を守るだけで、満腹感が得られ、体重が減ったということ。
- 栄養指導料の増点=管理栄養士の力の発揮しどころ。
- 病院でチーム医療することは当然のこと。だが、今後は医療スタッフは減り、患者は増えることとなる。そのため、地域では管理栄養士が栄養だけでなく他職種の知識も必要となってくる。
- 他職種のスタッフも病態栄養の知識をもつことが必要。
- 高齢化によりサルコペイア増。健康寿命を短縮する原因になりかねない。
- サルコペニアの予防や治療には栄養と運動が必要。
- ロイシンによる筋タンパクの合成
- フレイルになってからタンパク質摂取を意識するのではなく、それ以前に意識することが必要。
- 高齢者では、若年者に比べて2倍のタンパク質が必要。高齢者は20〜30g/食、70〜90g/日必要。
- タンパク質は食後2時間で合成される。常に分解・合成を繰り返している。
- 高齢者は分解は若年者と同じように行われ、合成は若年者よりもしにくい。
- 1日に3回合成されるため、タンパク質は3回/日摂取すべき。
- 朝・昼タンパク質が少ないと夜だけしか十分に合成が行われないこととなる。
- タンパク質をしっかり取るにあたり、腎機能低下の場合などタンパク質制限するべきか?高齢者の場合、他疾患も場合併していることが多い。どの疾患を優先的に治療するかを考えることが必要。
- 赤身肉、加工肉→腎機能低下
- 白身肉、植物性タンパク質→腎機能に影響なし
- タンパク質を単に制限するのではなく、タンパク質の種類も意識して提案することが必要。
- 食事は単一疾患でガイドラインがあるが、複数疾患を合併した場合の効果的な栄養療法の確率と標準化を行っている。
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★ちゅー!ポイント★
いよいよ、明日は講演の日・・・。緊張しています・・・。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。