2020年1月26日曜日。第23回 日本病態栄養学会 年次学術集会 3日目。
Room Dで行われるランチョンセミナー 2-5『食事療法とインクレチン』で講演をさせて頂きます。座長は矢部 大介 先生(岐阜大学 大学院医学系研究科 内分泌代謝病態学 教授)が担当。とても緊張しています・・・。
早めに会場に入り、講演時に使用するスライドのチェックを受けます。
壇上で確認。ちなみに講演中、意外と会場ひとりひとりの表情、ハッキリと見えるんです。
そして、始まりました。
次演者は姪浜院長の下野です。
たくさんの人に集まって頂きました!
今回、私のテーマは、
『適材適食てきざいてきしょく 〜自己治癒力に注目してみよう。〜』です。
私が行っている食事カウンセリング。その中で、ひとつのアプローチ方法として、ツールの活用を紹介しました。その名も糖尿病患者さんのための食事・運動カレンダーです。
患者さんが目標を掲げ、その達成の様子を記録するカレンダー、です。でも、それだけでしょうか。考え方を拡げることで、もっと有効なツールになるのではないでしょうか。ということを、
私の担当する患者さんの実際のデータや、カウンセリング中のやりとり、患者さんが実際に書いた食事・運動カレンダーを示しました。
使い方次第でカレンダーが患者さんの生活習慣を変えるきっかけになり得るのではないか、と提案しました。
そして必ず誰もが話をする、野菜のこと。栄養指導では最早常識となっているベジ・ファースト=野菜ファーストについてもお話しました。果たして野菜を最初に食べるだけ、で本当によいのでしょうか。
つい最近、このブログでも紹介しましたが、食べる順番があってそれを守ることで様様なメリットが得られるのです。
こちらは今回、座長である矢部 大介 先生からデータをお借りして作成しました。食べる内容を考えるのではなくて、食べる順番を守る。しかも簡単。誰にでもできます。みなさんと再度情報を共有、確認しました。
ベジ・ファースト。既に広く多くの人が認知しています。これまでに私も含め、管理栄養士は常に指導してきたのだと思います。でも、5分間という時間について具体的に指導してきた人はいないと思います。当然、5分間を意識している患者さんもいないと思います。これからは、この5分間を必ずベジ・ファーストとセットで指導していくこと、さらに、3食全てでベジ・ファースト+5分間を指導することが大事です。
講演後、質問を頂きましたので一部紹介します。
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質問
患者さんへ「伝える」ということが大事だということですが、日頃から患者さんが理解しているかどうかはどのようにはかっていますか?
回答
私たち管理栄養士が提案する生活習慣の改善を「理解していないのか」それとも「理解は出来ている、が、実行したくないのか」ということは、見分けるようにしています。理解していない場合は、理解できるように、その人に合わせて伝えていく。また、理解は出来ているが、実行していない場合は、その状態の中で、実行可能な目標見つけ出し、設定するように心がけています。
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という感じで、なんとか無事終えることができました。
午後はいくつかの講演に参加して、学会終了です。
★ちゅー!ポイント★
表題の意味、ですが、
- 適材適食てきざいてきしょくとは、その人に合った食べものを、その人に合った食べかたで。
- 自己治癒力に注目してみよう。とは、あらゆる方法を使って、その人に必要で有効な情報を伝え、実行可能な行動を起こさせ継続させることで、その人自身の持つ治癒力を正しく高めていくこと。
という想いを込めました。
最後になりましたが、
参加頂いた医療従事者のみなさま、
矢部 大介 先生(岐阜大学 大学院医学系研究科 内分泌代謝病態学 教授)
そして講演会のスタッフのみなさまに心から深く感謝申し上げます。
参加頂いたみなさま、ありがとうございました。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。