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適材適食 -てきざいてきしょく-

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968食目「[じあえんそさん]って何?」次亜塩素酸について調べてみた

「[じあえんそさん]って何?」次亜塩素酸について調べてみた【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

 

新型コロナウイルス感染防止の対策として、お店など建物に入る時は入口でシュッと消毒が当たり前になってきています。

あのシュッと手に吹きかける液体は?というと多くの場合アルコールです。アルコールは新型コロナウイルスに有効とされているので、アルコールを手に吹きかけてまんべんなく全体にのばすことで消毒しているのです。

そんな消毒液ですがアルコールの代わりに最近、次亜塩素酸じあえんそさんって言葉をよく耳にします。次亜塩素酸って何でしょう。ちょっと調べてみました。

*最初に。私は化学に強い訳ではありません。みなさんと同じです。なので、正確ではない内容も含まれているかも知れませんので、予めご了承ください。

 

 

と、その前に。

 

 

抗菌・殺菌・滅菌・除菌・消毒の違いはなんでしょう。ちゃんと説明できますか?自信のない人はまずはコチラで思いだしてみてください↓

kozonoayumi.hatenablog.com

 

 

さて、次亜塩素酸について調べていきましょう。まずはその名前から。

次亜とはなんでしょう。

次亜・・・酸素酸で酸化数が最も低いもの、低い酸化状態のもの。

とあります。*酸化酸・・酸素を含む無機酸。正しくはオキソ酸。つまり、弱く酸化したもの、のようです。そして、

塩素酸・・塩素のオキソ酸の1つで、化学式 HClO3 の化合物。

強い酸化剤のようです。ちなみに塩素酸は水溶液=液体の状態でしか存在できないようなので、一般的には次亜塩素酸水じあえんそさんすいとなるようです。

 

さて、次亜塩素酸水ですが、ちょっと気になる点があります。それはWikipediaの内容です↓

ja.wikipedia.org

読んでも全てを正しくは理解できないのですが、でも何となく「曖昧」な感じがします。それは次亜塩素酸水が食品添加物としての規定の部分かなって思うのです。食品添加物と言っても直接食べたり飲んだりするのではなく、殺菌科分類としての食品添加物のようです。つまり食品から細菌やウイルスを除去するために使うためのもの、という解釈だと思います。

 

ーーーなるほど、じゃあアルコールのように使っていいのか!

この画像を観てください↓

f:id:kozonoayumi2018:20200612140806j:plain

除菌トンネル「じあくぐりん」

東京都内の居酒屋「KICHIRI新宿」が、独自の新型コロナウイルス対策を講じている。来店客は入り口でモニター越しに案内を受けた後、感染予防目的の次亜塩素酸水を自動で噴霧するトンネル型の装置「じあくぐりん」に入り、全身に浴びてから店内に進む。

監修や指導を行った除菌、消毒サービスを展開する「サニタイズ」の城所将太さんは「安心感をもって楽しく食事をしていただきたい」と話している。

お店に入る前にこの次亜塩素酸水を霧状にして全身に浴びるゲートを作って感染予防をするところまで出てきた、のです。ミスト化した殺菌効果のある次亜塩素酸水を全身に浴びることで、外で衣服や身体に付着した新型コロナウイルスなどの細菌やウイルスを消毒する、というもののようです。

 

ところが、現在、こんな記事が出ています。

この噴霧器について、発表資料には「厚生労働省推奨の次亜塩素酸水を全身に自動噴霧します」という記述があった。ただ、厚生労働省結核感染症課はJ-CASTニュースの取材に対し、次亜塩素酸水について「推奨」していることを否定。KICHIRIを傘下にもつ、きちりホールディングスは取材に対し、「誤りでした」として内容を一部訂正した。
news.yahoo.co.jp

現時点で、新型コロナウイルス感染症対策として、次亜塩素酸水を推奨していない。そして推奨としたメーカーも間違いだったことを認めています。

 

そこで他の次亜塩素酸水についての記事をざっと探してみると、

NITE=製品評価技術基盤機構は、新型コロナウイルスの消毒目的で利用が広がっている「次亜塩素酸水」について、現時点では有効性は確認されていないとする中間結果を公表しました。専門家は、噴霧での使用は安全性について科学的な根拠が示されていないなどとして、注意を呼びかけています。

 

NITEなどはアルコール消毒液に代わる新型コロナウイルスの消毒方法の検証を進めていて、29日「次亜塩素酸水」についての中間結果を公表しました。

検証では、2つの研究機関で酸性度や塩素の濃度が異なる次亜塩素酸水が新型コロナウイルスの消毒に有効かどうかを試験しました。

その結果、一部にウイルスの感染力が弱まったとみられるデータもありましたが、十分な効果がみられないデータもあるなどばらつきが大きく有効性は確認できなかったということです。今後、塩素濃度を高くした場合などについて検証を続けるということです。

またNITEでは、次亜塩素酸水は噴霧することで空間除菌ができるとして販売されるケースが少なくないことについて、人体への安全性を評価する科学的な方法が確立していないことや、国際的にも消毒液の噴霧は推奨されていないことなどを紹介する文書を合わせて公表しました。

議論に関わった専門家は「加湿器などで噴霧した場合に塩素を吸い込むことの安全性はまだ科学的な根拠が示されていない。手や指の消毒に使うスプレーボトルなども含めて現時点では新型コロナウイルス対策として使うのは控えてほしい」と話しています。

一方、「次亜塩素酸水」として販売されている製品の中には、新型コロナウイルス対策とは別の用途で手指消毒への使用が認められているものがあるということです。

www3.nhk.or.jp

 

こちらにも↓

加湿器などの家電を手掛けるダイニチ工業は、殺菌や消臭、漂白を目的として売られている次亜塩素酸や次亜塩素酸水、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素を加湿器に入れて利用しないよう注意を促した。公的機関も「除菌や消毒をうたう物質を噴霧することは人の健康を害する可能性がある」といった注意喚起をしており、加湿器を設置している家庭では家族が誤った使い方をしていないかチェックしておきたい。

news.mynavi.jp

 

つまり、次亜塩素酸水には消毒液としての効果はあるが、霧状にして吹き付ける噴霧することは健康を害する可能性がある、ということのようです。そして、それは次亜塩素酸水だけでなく、アルコール消毒液も同様だ、ということです。手指の消毒は認められているが、全身に浴びるように噴霧することは推奨されていないのです。記事の中にもありますが、加湿器の水の代わりにこれらの消毒液を入れて使うことはむしろ健康を害する恐れがあるので決してやらないでください。

 

 

ところで次亜塩素酸ナトリウム液という言葉を訊いたことがありませんか。次亜塩素酸水ととてもよく似ています、というか、語尾の「水」と「ナトリウム」が違うだけです。次亜塩素酸ナトリウム液ってどんなものなのでしょうか。次亜塩素酸水との違いはなんでしょうか。

次亜塩素酸ナトリウム(じあえんそさんナトリウム、sodium hypochlorite)

次亜塩素酸のナトリウム塩である。化学式は NaClO で、次亜塩素酸ソーダとも呼ばれる。希釈された水溶液はアンチホルミンとも呼ばれる。水溶液はアルカリ性を示す。
水酸化ナトリウムの水溶液に塩素を通じて得られる。物質は不安定なため、水溶液として貯蔵、使用される。水溶液は安定で長期保存が可能だが、時間と共に自然分解し酸素を放って塩化ナトリウム水溶液(食塩水)に変化していく。また、不均化も発生する。高濃度の状態ほど分解しやすく、低濃度になると分解しにくくなる。高温や紫外線で分解が加速するため、常温保存では濃度維持が出来ない。
酸化作用、漂白作用、殺菌作用があり、飲料水やプールの水に添加されたり、漂白剤として使用される。
独特の臭気がある。この臭気は俗に「プールの臭い」などと表現される。ただし、プールで利用される次亜塩素酸ナトリウムの濃度はかなり薄く、プールの匂いは実際には次亜塩素酸ナトリウムを構成する塩素と汗や尿の一成分であるアンモニアが化学反応して生成されたクロラミンによるものである。

次亜塩素酸ナトリウム - Wikipedia

 

次亜塩素酸水は強い酸性でしたが、次亜塩素酸ナトリウム液はアルカリ性です。しかも時間が経つと食塩水になり、飲み水やプール、漂白剤などに使われているものなんだそうです。もちろん濃度にも寄りますが、飲み水に使用しているとなると安全だと分かります。実際、次亜塩素酸ナトリウム液が入った漂白剤を使った消毒液の作り方を紹介しているところがたくさんあります。

www.city.meguro.tokyo.jp

www.kao.com

www.meti.go.jp

 

特に経済産業省では、市販されている漂白剤の商品名を挙げ消毒液の作り方を紹介しています。(こちらをクリックするとPDFが表示されます)

「[じあえんそさん]って何?」次亜塩素酸について調べてみた【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)

ただし、次亜塩素酸ナトリウム液が完全に安全とは言っていません。上記の作り方のレシピを見ても分かるように濃度が大切です。どの製品がどの成分をどれだけ含んでいて、何とどのように混ぜればいいのか、しっかり把握する必要があります。

 

 

新型コロナウイルス感染症から色色な消毒関係のグッズやアイディアが出ています。テレビや雑誌、ネットやSNSなど次から次へと出てきます。

しかし消毒とは目に見えない細菌やウイルスを殺すのを目的としています。それが私たち人間にとって必ずしも安全とは言い切れません。

そういった情報に触れる時、知った時、鵜呑みにせずにしっかり調べる必要があります。そして調べる時はその情報が誰がどのように発表しているのか意識して確認する必要があります。

 

 

★ちゅー!ポイント★

個人的な意見ですが、新型コロナウイルス対策であれば、私はせっけんがいいと考えています。何よりも身近で手軽。しかも効果バツグンです。

kozonoayumi.hatenablog.com

 

 

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級)

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。