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2285食目「人食いバクテリア」劇症型溶血性レンサ球菌感染症

今週のお題「急に休みになったら」

「人食いバクテリア」劇症型溶血性レンサ球菌感染症【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

ここ数日で「人食いバクテリア」という言葉を聞いた人も多いと思います。人を食べるバクテリア、なんともショッキングな言葉です。そしてそれは感染症のひとつです。劇症型溶血性レンサ球菌感染症と呼びます。

化膿レンサ球菌(かのうレンサきゅうきん、Streptococcus pyogenes)

レンサ球菌属に属する細菌の一種。血液寒天培地上で培養するとβ溶血性を示し、またレンサ球菌の鑑別に用いられるランスフィールド抗原分類ではA群に属する。この性質から、A群β溶血性レンサ球菌(えーぐんべーたようけつせいれんさきゅうきん)とも呼ばれ、臨床医学分野ではこの名称が用いられることが多い。A群溶レン菌、あるいは単に溶レン菌(溶連菌)、またGAS(Group A Streptococci)という略語が用いられることもある(#名称の節を参照)。

健康なヒトの咽頭や消化管、表皮にも生息する常在細菌の一種であるが、GAS感染症(溶レン菌感染症)と呼ばれる各種の化膿性疾患や、産生する毒素による全身性疾患、あるいは感染後に一種の合併症として起きる免疫性疾患など、多様な疾患の原因になる。ごくありふれた病原菌・常在菌の一種であるものの、場合によっては劇症型溶血性レンサ球菌感染症(壊死性筋膜炎など)と呼ばれる、進行の早い致死性疾患の原因となることがあり、俗に人食いバクテリアと称されることがある細菌の一種である(人食いバクテリアと呼ばれるものには、他にグラム陰性桿菌のビブリオ・バルニフィカス Vibrio vulnificusがある)。

化膿レンサ球菌 - Wikipedia

○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○

画像の通り、また名称通り、連なった形状をした細菌です。

名称
細菌学上の生物名としてS. pyogenes(種形容語はラテン語の「膿み(pyo-)」および「生じる(gen-)」に由来)に対応する和名は「化膿レンサ球菌」であるが、臨床医学分野では「A群β溶血性レンサ球菌」が用いられることが多い。後者の名称は、レンサ球菌属で鑑別の指標とされる二つの性状、すなわちランスフィールド抗原分類と、溶血性分類に由来する。また「β溶血性レンサ球菌」が、「β溶レン菌」「溶レン菌」と略されることから、「A群溶レン菌」という略称で呼ばれることもある。さらには、β溶血性レンサ球菌の中では感染症の原因として分離される頻度がもっとも高いため、単に「溶レン菌」と呼んだ場合にも暗黙裏に本菌のことを指す場合も多々ある。また英語圏では、A群レンサ球菌を意味する「Group A Streptococci」のアクロニムであるGASが頻用されるため、日本でもこれを略称として用いられることも多い。

なお「レンサ」の表記については、従前は漢字表記の「連鎖」も頻用されていたが、生物学/医学分野で正式に扱う場合はカタカナ表記が推奨されている。

化膿レンサ球菌 - Wikipedia

  • 溶血性レンサ球菌
  • 溶レン菌

という言葉もどこかで聞いたことがあるかも知れません。

それが昨年2023年で感染した人数が過去最多だったのです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240119/K10014328001_2401192028_0119213845_01_02.jpg

劇症型溶血性レンサ球菌感染症 去年1年間の患者数 過去最多
手や足のえ死などを引き起こし、死に至ることもある「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」について、去年1年間に報告された患者の数が過去最多だったことが国立感染症研究所のまとめで分かりました。

「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」は、主に「A群溶血性レンサ球菌」と呼ばれる細菌に感染し、手足のえ死や多臓器不全などが起こる感染症で、症状が急激に悪化して死に至ることもあります。

国立感染症研究所によりますと、去年1年間に全国から報告された患者の数は速報値で941人で、これまで最も多かった2019年の894人を上回り、現在の方法で統計を取り始めて以来、最多となったということです。

30歳以上の大人の患者が多いのが特徴とされ、国立感染症研究所によりますと、去年7月から12月中旬までに報告された50歳未満の患者、65人を調査したところ、21人が死亡していたということです。
感染症に詳しい岩手医科大学の元教授の櫻井滋医師は「感染の初期は、発熱やのどの痛みなど、かぜと見分けがつきにくいが、意識がはっきりしなかったり、皮膚に赤い発疹が出たりするなど、ふだんのかぜと異なる様子があれば、すぐに医療機関を受診してほしい」と話しています。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症 去年1年間の患者数 過去最多 | NHK | 医療・健康

さらにこちら↓

 

 いわゆる“人食いバクテリア”の感染症患者数が調査開始以来、過去最多となりました。番組では、感染して片足を失った男性を取材。謎の多い感染症の実態に迫りました。

■“人食いバクテリア”感染なら…致死率3割

森貴史さん(36)
「即入院して、夜だったが、即集中治療室にすぐ通されて。その時は、少し死を覚悟しました」

 男性が感染したのは、“人食いバクテリア”。感染すれば、致死率3割に達すると言われている感染症です。

東京女子医科大学病院 感染症科 菊池賢教授
「肝臓とか腎臓とか、内臓に致死的な障害をきたす病気」

 感染した男性が、壮絶な体験を語りました。

■原因は「A群溶血性レンサ球菌」 症状は…

 調査を開始してから最も多くなった感染者数の報告を受け、厚生労働省は各自治体に患者の検体を解析するよう指示しています。

 「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」、通称“人食いバクテリア”。去年、国内で941人の患者が確認され、調査を開始した1999年以降、最多となりました。

 今年に入っても、すでに劇症型を発症した人が全国で31人。東京が最も多く、7人確認されています。

 原因となるのは「A群溶血性レンサ球菌」で、通常、咽頭(いんとう)炎などを引き起こす程度で、子どもを中心によくみられる症状です。

 致死率が3割といわれる“人食いバクテリア”。番組が感染経験について複数の人に話を聞くと、初期症状における診断の難しさが見えてきました。

■異常な進行速度…教授「1秒でも早く治療を」

 “人食いバクテリア”の特徴は、初期症状による診断が難しいことです。

 宮城県に住む30代の女性は3年前、右肩に激しい痛みを感じ、医療機関を受診しましたが…。

感染した女性
「最初に行った病院でも、病名がつかなくて。確信的なものはないという状態。次の日にどんどん血圧も下がって、看護師さんとかが焦り始めていた」

 この女性は当初、医師の診断では“劇症型”とは診断されませんでした。そして、もう一つの特徴は、異常ともいえる症状の急速な進行速度です。

菊池教授
「発症して3分の1は、48時間以内に亡くなる。足の先、指がちょっと朝腫れているなと思ったと。それが昼には膝まで広がっているといったスピードですね」
「助けられるか、助けられないか。一刻でも1秒でも早く、病院で正しい診断と治療を受けられる。そこにかかってきます」

■わずかな傷から急速進行…40℃近い熱も

 新潟県に住む森さんが“人食いバクテリア”に感染したのは2015年、27歳のころでした。

森さん
「その日はバスケを一日していて、夕方から痛くなった。歩いている時に少しだけ痛いとかという感じ。多少赤みは出ていましたけど」

 感染経路は不明で、心当たりといえば、右足にあったわずかな傷しかないといいます。

 足の痛みを感じてから4日後の写真を見ると、右足は赤く腫れ、一部はわずかに紫色になっています。40℃近い熱が出ることもあったといいます。

 痛みを覚えた翌日から街医者にかかりましたが、血液検査などは行いませんでした。

森さん
「抗生剤、熱冷ましを出してもらった。あと、よっぽど痛ければ、痛み止めの薬打ちますよぐらい」

■片足失った男性「死を覚悟」「命あるなら…」

 1週間後、事態は急変。森さんは自宅で意識を失い、救急搬送されました。

森さん
「“人食いバクテリア”による『敗血症』とまず診断(された)。倒れた時は意識もまばらで、体温も逆に34℃台まで下がっていた」

 集中治療室のある病院で処置を受け、命の危機は脱しましたが、右足の症状は改善せず、医師からは緊急手術を告げられました。

森さん
「『足が残っている状態か、切断する状態か、終わるまで分からない』という説明を受けて、手術は決まった」

 そして手術後、目を覚ました森さんは右足を失ったことを知りました。

 現在は義足を付けている森さん。経過観察やリハビリなどで、社会復帰できるようになるまで半年ほどかかったといいます。

森さん
「入院していた病院では、その感染症で初めて症状が良くなった患者と聞いた。今となっては片足切ったくらいで、命があるなら全然オッケーだと思っている」

 飛沫(ひまつ)や傷口から感染すると考えられていますが、重症化するとなぜ死に至るほどの状態になるのか分かっていないことが多いのも特徴だといいます。

■“足の小さな傷”から侵入か 身を守るには…

 診断が難しい“人食いバクテリア”。これまで数十件以上の患者をみた菊池教授によると、患部にある傾向がみられるといいます。

菊池教授
「足が圧倒的に多い。自分で気がつかないような、細かい傷ができやすい。足に傷がある人が例えば素足で歩けば、そこに菌がくっつく。そういう所からどうも入ることが多い」

 “人食いバクテリア”から身を守るためには、どうすればよいのでしょうか。

菊池教授
「ご高齢の方だと、ちょっと靴が合わないだけで、靴ずれができて、それも非常に大きなリスクになる。足を清潔に保つことは結構大事なことなんですよね」

(「グッド!モーニング」2024年1月22日放送分より)

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▼国立感染症研究所

A群溶血性レンサ球菌による劇症型溶血性レンサ球菌感染症の50歳未満を中心とした報告数の増加について(2023年12月17日現在)
(速報掲載日 2024/1/15) 

A群溶血性レンサ球菌による劇症型溶血性レンサ球菌感染症の50歳未満を中心とした報告数の増加について(2023年12月17日現在)

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恐ろしい劇症型溶血性レンサ球菌感染症ですが、初期症状として

  • 咽頭痛
  • 発熱
  • 消化管症状(食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢)
  • 全身倦怠感
  • 低血圧などの敗血症症状
  • 筋痛

などであるが、明らかな前駆症状がない場合もある。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症|厚生労働省

と、「風邪」のような症状なので、それが劇症型溶血性レンサ球菌感染症とはなかなか気づけないようなのです。

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★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★

ただ傾向があって「足に傷を負うとそこから感染する」ことが多いそうです。

糖尿病のある人は「フットケア」を大切に!と聞いたことがあると思います。糖尿病が進行してしまうとキズが出来てもなかなか気づけない、手は見る機会は多いのですが足、特に足裏などは小さなキズだと判らないことがあります。なので、普段から足を、足裏をケアする、気を付けること、それがフットケアです。

また、現在では新型コロナウイルス感染症だけでなくインフルエンザが流行りだしています。寒い季節なので風邪も流行る時期です。

普段よりも感染予防、そしてフットケアを心がけましょう。

 

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。