日本国内において初期の段階で新型コロナウイルス感染症の拡散が確認されたクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号の患者データを藤田医科大学が分析、その結果が発表されています。
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で新型コロナウイルスに感染した乗客乗員らを受け入れた藤田医大(愛知県)は6月13日、症状のない感染者90人を分析した結果、PCR検査で陽性となってから陰性になるまでの期間が9日前後のケースが多かったと発表した。結果は12日付の米医学誌に掲載された。
分析に当たった藤田医大の土井洋平教授は「陽性となってから5日以内に検査をしても、陰性になる人はほとんどいなかった」と指摘。厚生労働省によると、今回の結果は12日に同省が発表した新たな退院基準にも反映され、陽性となった検体採取の日から6日経過後に2回連続で陰性なら退院できるとした。
これまでの基準には無症状者をいつ再検査するか目安がなく、陰性になるまで何度も検査を繰り返すことがあったという。土井教授は「基準変更で効率的に検査できるようになる」と期待している。
藤田医大などは、今年2~3月に藤田医大岡崎医療センター(愛知県岡崎市)で受け入れた乗客乗員128人のうち、受け入れ後に発症するなどした人を除く9~77歳の無症状感染者90人を分析した。
するとPCR検査で陽性と確認されてから陰性の結果が出るまでの期間は最短3日、最長21日で、9日前後が多かった。症状のある患者よりも短い傾向がある一方、高齢になるほど長期化した。
これは新型コロナウイルス感染症がとても厄介であることを示すデータと言えるのではないでしょうか。
新型コロナウイルス感染症と言えば高熱などの特徴があり、逆に言えば高熱が続くようであれば新型コロナウイルス感染症を疑うというのがPCR検査などを行えない一般的な人の認識ではないでしょうか。
しかし発熱どころか何の自覚症状もないいわゆる新型コロナウイルス感染症無症状の人がたくさん存在するのではないかと言われています。実際に2020年6月14日の東京都の発表で新たな感染者47名中、18名が同じホストクラブの関係者だとしています。この18名が陽性だと判ったのは症状があったからではなくて、新宿区、東京都、そして店側の協力で自主的に集団検査を行ったことで判明したそうです。
つまり、18名は無症状だったと想像できます。先程の記事の内容を当てはめると、少なくとも無症状の18名は9日以内に新型コロナウイルスに感染している人に接触し、そして感染した、と言えます。18名の共通点はお店ですから、店内で感染が拡がったことが判ります。
症状があれば、誰もが気をつけるでしょう。本人はもちろんのこと、周りの人も感染しないように気をつけるでしょう、しかもかなり高いレベルで注意をするでしょう。
しかし症状がなければ気をつけていたとしてもそのレベルは低くなるでしょう。低くなっても仕方ありません。自分が感染していると判らないのですから。
例えばPCR検査を受けて陰性と判明したとしても、PCR検査をした直後に感染していても結果は陰性ですから、安心してしまうでしょう。
そしてお店という閉ざされた空間に1人の無症状感染者がいるだけで、周りにも確実に拡がっていきます。そしてその中の誰に症状が出て初めて自分が感染していることが判るのです。
無症状の人は幸運にも9日程度で陰性になる可能性があります。しかしその間に誰かにうつしてしまっている可能性があるのです。
★ちゅー!ポイント★
マスクをするというのは、自分が無症状感染者だった場合、他の人にうつさないためでもあり、無症状感染者からうつされないためでもあります。もちろん手洗いも同じです。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。