今週のお題「夏野菜」
毎月季節の果物を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役果」。
私は健康なカラダづくりに役立つ果物を【役果やくか】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える果物たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。8月の役果はマンゴーです。
マンゴー
マンゴーの旬は5月から8月です。
マンゴー(檬果・芒果、英: Mango、学名: Mangifera indica)
ウルシ科マンゴー属の果樹、またその果実。別名で、菴羅(あんら)、菴摩羅(あんまら)ともいう。マンゴーの栽培は古く、紀元前のインドで始まっており、仏教では、聖なる樹とされ、ヒンドゥー教では、マンゴーは万物を支配する神「プラジャーパティ」の化身とされている。リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つである。
マンゴーという名前の由来
日本語のマンゴーは、英語の mango から、さらには、ポルトガル語の manga、マレー語(現代マレーシア語・インドネシア語でも同じ)の mangga、タミル語の மாங்காய் (māṅkāy マーンカーイ) から伝わった。漢字表記の「芒果(現代中国語拼音: mángguǒ)」は、マレー語の mangga もしくは他の東南アジアの言語からの直接の音写である。仏典の菴羅・奄羅・菴摩羅・菴没羅などは、サンスクリットの āmra(アームラ)の音写である。ただし、同じウルシ科のアムラタマゴノキ (Spondias pinnata) を意味する amra(アムラ)との混同が見られる。
- 日本語・・・・・・・マンゴー
- 英語・・・・・・・・mango
- ポルトガル語・・・・manga
- マレーシア語・・・・mangga
- インドネシア語・・・mangga
- 中国語・・・・・・・芒果
ポルトガルではマンガ?って言うんですか?Google翻訳で発音を聞くと「むぅんぐぉー」って聞こえます。ちょっと残念。
マンゴーは世界三大フルーツ
世界三大フルーツと言えば、マンゴー、チェリモヤ、マンゴスチンです。
また、世界的にみてもブドウ、バナナ、オレンジ、りんごに次いで第5位の生産量を誇るマンゴーですが、時々「マンゴーを食べたらかぶれた」という声を聞きます。マンゴーはウルシ科の植物ですので、果皮に含まれるウルシオールの影響で、人によっては食後1~2日以上経ってからでも口の周りや顔、手などがかゆくなったり、赤く腫れたりすることがあります。マンゴーのアレルギーが疑われる場合は、マンゴーの摂取をなるべく控えるようにしましょう。マンゴーを育てているハウスに行かれたことはありますか?マンゴーの花は想像もつかないくらい、強烈な腐敗臭がします。マンゴーが実をつけるためには、昆虫に花粉を運んでもらうのですが、マンゴーは花粉を運んでもらうためにハエを寄せつけています。マンゴーの原産地はインドからマレー半島にかけての熱帯地域です。その地域ではとても暑く、ミツバチが活動する温度を超えています。(ミツバチが活動するのに適した温度は25℃位まで)しかしハエは30℃でも活動できる昆虫のため、熱帯地域の暑い日中でも花粉を運ぶことができるのです。そのために強烈な臭いを放っているのです。
三大のうち他のふたつは↓
チェリモヤ(学名:Annona cherimola)
バンレイシ科バンレイシ属に属する植物の1種、またはその果実のことである。南米のペルーやエクアドルのアンデス山脈原産であるが、世界中の熱帯高地から亜熱帯域で栽培されている。多数の果実が合着した集合果を形成し、芳香があり果肉はクリーム状で甘い。この果実は「アンデスのシャーベット」ともよばれ、またパイナップルやマンゴー、マンゴスチンと共に世界三大美果の1つともされる。他のバンレイシ属植物と同様にカスタードアップル(custard apple)ともよばれる。チェリモヤ(cherimoya)の名は、ケチュア語で cold seeds(寒い高地に生える植物)を意味する chilimoya に由来する。
マンゴスチン(英: mangosteen、学名: Garcinia mangostana)
フクギ属の常緑高木。東南アジアのマレー原産[2]。マレー語、インドネシア語ではマンギス(マレー語: manggis; インドネシア語: manggis)、タイ語ではマンクット(มังคุด)、ベトナム語ではマンクッ(măng cụt)、中国名で「莽吉柿という。果実は美味で「果物の女王」と称される。フクギ科ではもっとも利用されている種の一つ。リンネの『植物の種』(1753年) で記載された植物の一つでもある。名称にmangosteenとあるが、mango(マンゴー)との関連はない。明治期の博物学書や百科事典の中で茫栗という漢字表記が用いられた。
チェリモヤもマンゴスチンも、マンゴーに比べたらあまり身近ではないですね。
マンゴーの産地
マンゴーというと南国のイメージがありますよね。マンゴーは世界ではどこで生産されているのでしょうか。
マンゴーの産地
マンゴーの産地はさまざまで、インド、フィリピン、タイ、メキシコなど。もちろん日本国内でも生産されています。それぞれ種類・品種もたくさんあり、なんとその数500種以上と言われます。それぞれに特徴があるので、食べ比べるのもおもしろいですよ。
世界の47%がメキシコ産とは意外な気がします。
主なマンゴーの種類
500種類もあるというマンゴー。その中でも主なマンゴーを紹介します↓
アップルマンゴー
メキシコ産アーウィン種で、果実は大型で重さ400 - 500グラムにもなる。熟すと果皮が赤くなる。果肉はオレンジ色で、濃厚な甘味が特徴。日本でも宮崎県、沖縄県で栽培されている。アップルマンゴーとは、熟すと表皮が赤色に染まるマンゴーの総称。日本で作られるマンゴーは、ほとんどがこの種類です。甘み、香りが非常に強く濃厚で、適度な酸味があるのが特徴となっています。アップルマンゴーはさらに品種が分類されており、アーウィン種、ケント種、ヘイデン種、トミーアトキンス種などがあります。ちなみに、国産の高級品種として知られる宮崎県産「太陽のタマゴ」は、アーウィン種です。
南国のフルーツ「マンゴー」の品種を徹底解説!身近な種類から高級品種までの一覧&特徴を紹介
グリーンマンゴー
グリーンマンゴーは、熟しても皮が緑のままのマンゴーの通称です。主に、キーツ種(ケイト種)を指し、沖縄でも栽培されています。熟したタイミングがわかりづらいですが、豊かな香りとトロリとした口当たりが特徴で、いつもと違った味わいを楽しみたい方におすすめです。南国のフルーツ「マンゴー」の品種を徹底解説!身近な種類から高級品種までの一覧&特徴を紹介
タイマンゴー
ペリカンマンゴー(フィリピンマンゴー)に似た姿で、平たくて黄色い品種。甘さとやや酸味がある。タイマンゴーは、名前の通りタイ産のマンゴー。主流は果皮が黄色いナンドクマイ種という品種です。その他、マハチャノ種などもあり、国産に比べリーズナブルな価格が嬉しいポイント。見た目はペリカンマンゴーに似ていますが、サイズが大きめなのが特徴です。ナンドクマイ種は「花のしずく」という意味で、ヘタ側は丸み、反対側の先端はとがった形をしています。マンゴーの中で最も甘いと言われるほどの強い甘みとほどよい酸味があります。
南国のフルーツ「マンゴー」の品種を徹底解説!身近な種類から高級品種までの一覧&特徴を紹介
インドマンゴー
インドは、世界のマンゴーの生産の40%を占め、その量は世界第1位を誇ります。そんなインドマンゴーは、日本への輸入量こそ少ないですが、現地ではリーズナブルに手に入り、価格・味ともに評判が良いです。インドマンゴーには数多くの種類がありますが、その中でもアルフォンソ種は、数あるマンゴーのなかでも特に高級品種とされます。その糖度の高さや香りから「マンゴーの王様」とも呼ばれているそうです。南国のフルーツ「マンゴー」の品種を徹底解説!身近な種類から高級品種までの一覧&特徴を紹介
フィリピンマンゴー(ペリカンマンゴー)
カラバオ種で、果実が平たくて黄色い。ペリカンマンゴーとは、主にフィリピン産のカラバオ種のことを言います。マンゴーの形がペリカンのくちばしに似ていることから名付けられました。香り高く、甘みだけでなく適度な酸味があるのが特徴で、日本にも多く輸入されています。なめらかな舌触りです。
南国のフルーツ「マンゴー」の品種を徹底解説!身近な種類から高級品種までの一覧&特徴を紹介
ブラジルマンゴー
アップルマンゴーのケント種。ブラジル産のため、北半球では輸入物が冬に出回る。キーツマンゴー
果皮が緑色のまま完熟するのが特徴。繊維が少なくて甘い。オーストラリアマンゴー
果皮が黄色地にピンク色を帯びた色になるため、「ピーチマンゴー」ともよばれる。口当たりが良く、やさしい甘さがある。ピーチマンゴーは、南半球のオーストラリアで収穫されるマンゴーで、ケンジントン・プライド種という品種です。名前の通り桃色の表面をしており、フレッシュな香りとクセのないさっぱりした甘さが特徴です。
想像以上にマンゴーには種類があるようです。特徴的なのは「国名」が付いていてそのまま産地が判るという点。
国産のマンゴー
では、国内ではどの県でマンゴー栽培が盛んなのでしょうか。
8月出荷
- 沖縄県
- 静岡県
- 宮崎県
- 千葉県
- 北海道
9月出荷
- 静岡県
- 沖縄県
- 北海道
- 宮崎県
- 大分県
10月出荷
- 静岡県
- 大分県
- 宮崎県
- 沖縄県
- 鹿児島県
何となく「マンゴーは宮崎」というイメージでしたが、私としては「北海道」が入っているのがとても意外でした。
マンゴーの味
マンゴーって独特の味わい、風味がありますよねー。何て表現すればいいでしょうか。
味は複雑な甘さとともに、独特の香りがあり、松ヤニ臭がプンと感じられる。柔らかでねっとりとして、口に溶ける風合いは非常に濃厚のため、初めて食べる者には異様な味と感じられるが、慣れるとかえって魅力を増す。果肉はこってりとして、酸味はみられないが、何ともいえぬうまみがあって、あとを引くようになる。これがマンゴーの醍醐味で、千金をはたいても食べる価値があるとして、熱帯を代表する味、トロピカル・フルーツの王者とよばれるゆえんである。
そ、その通り!見事です!
マンゴーの栄養
マンゴー
分量 100 g あたり
- カロリー・・・・・・・・・64 kcaL
- 脂質・・・・・・・・・・・0.1 g
- コレステロール・・・・・・0 mg
- ナトリウム・・・・・・・・1 mg
- カリウム・・・・・・・・・170 mg
- 炭水化物・・・・・・・・・17 g
水溶性食物繊維・・・・・0.6 g
不溶性食物繊維・・・・・0.7 g- タンパク質・・・・・・・・0.6 g
- ビタミンC・・・・・・・・20 mg
- カルシウム・・・・・・・・15 mg
- 鉄・・・・・・・・・・・・0.2 mg
- ビタミンD・・・・・・・・0 µg
- ビタミンB6・・・・・・・・0.1 mg
- コバラミン・・・・・・・・0 µg
- マグネシウム・・・・・・・12 mg
マンゴーの主な栄養
むくみ対策に役立つ「カリウム」
マンゴーには100gあたり、170mgのカリウムが含まれています。
カリウムとナトリウム(塩分)はともに体内の水分バランスを維持しています。ナトリウムを過剰に摂取すると水分を体内にため込むため、むくみの原因に。一方、カリウムは摂りすぎた塩分の排出を促すはたらきがあり、むくみ対策に役立ちます。老化対策におすすめ「β-カロテン」
マンゴーにはβ-カロテンが100gあたり610μgと、豊富に含まれています。
私たちの体はエネルギーを生み出すときに、体を酸化させる活性酸素を生み出します。この活性酸素は加齢により増えますが、ほかにも紫外線やストレスにより増え、細胞を傷つけることも。抗酸化物質であるβ-カロテンは活性酸素から体を守るため、細胞の老化対策におすすめです。コラーゲン生成に関わる「ビタミンC」
マンゴーには、100gあたり20mgのビタミンCが含まれています。
ビタミンCはβ-カロテン同様、抗酸化物質のひとつ。老化対策のほかにもコラーゲンを生成したり、皮膚のメラニン色素生成を抑えたりするために必要です。ビタミンCは水溶性で体内にためておくことができないので、こまめに摂り入れましょう。抗酸化作用の強い「ビタミンE」
マンゴーには100gあたり、1.8mgのビタミンEが含まれています。
ビタミンEは強い抗酸化作用をもつ脂溶性のビタミンです。細胞の酸化対策、血行をよくするはたらきなどが期待できます。ビタミンEの不足は、シミやシワの原因につながることも。いつまでも若々しくいたい人には、ビタミンEの摂取がおすすめです。腸のぜん動運動を促す「食物繊維」
マンゴーには100gあたり、1.3gの食物繊維が含まれています。
水溶性食物繊維には、コレステロールを吸着し体の外に排出したり、食後の血糖値の上昇を抑えたりするはたらきが期待できます。不溶性食物繊維は、腸のぜん動運動を促し排便をスムーズにする作用があります。
マンゴーの切り方
マンゴーと言えば、あの独特なサイコロのような切り方。
花びら切り
- マンゴーの底を少し切り落とし、立てやすくします。
- マンゴーの種の位置を確認し、種に平行にナイフを入れ、果肉の大きな部分を種から切り離します。同じ作業を反対側でも行います。
- 各切り分けた部分に、格子状に切り込みを入れます。ただし、皮までは切らないように注意してください。
- 皮を裏返しにして、花びらのように開きます。この状態で果肉をスプーンでくり抜くと、食べやすい一口サイズになります。
立方体切り
- 花びら切りの初めの2ステップと同様に、マンゴーの果肉を種から切り離します。
- 皮を剥きます。小さなナイフを使って、果肉の表面に沿って皮をむき取ります。
- 皮を剥いだ果肉を立方体状に切ります。サラダやデザートのトッピングに最適です。
沖縄のマンゴーの奥深き世界:糖度と香りで魅了するトロピカルフルーツの秘密 | 沖縄県 恩納村 産直市場 - おんなの駅 なかゆくい市場
完熟マンゴーとは?
「完熟マンゴー」という言葉、よく耳にしますよね。完熟マンゴーとはどんなマンゴーのことを言うのでしょうか。
完熟マンゴーとは、実が熟した頃に収穫するのではなく、実が熟しきって、ヘタのところから自然にポトンと落果するのを待ったマンゴーのこと。つまり、「限界まで甘く熟したマンゴー」なのです。色も真っ赤で綺麗です。 完熟したマンゴーからは、ツーと甘い蜜が垂れています。それを柔らかい布で丁寧に拭き取り、皆さまの元へお届けしています。
そうなんですねっ!熟しきっと落ちたものが完熟マンゴーなんですね!
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
マンゴーの1日摂取量は?
マンゴーの1日の適量は、成人であれば1個程度です。可食部のみだと150-180g程度です。ドライマンゴーの場合は約50gが目安です。マンゴーにはビタミンCやビタミンA、カリウム、食物繊維などが豊富に含まれており、健康に良い効果が期待できますが、果糖やブドウ糖などの糖分も多く含まれているため、食べ過ぎには注意が必要です。
美味しいからと言ってたくさん食べないように気を付けながらも、旬のマンゴーをお楽しみください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。