今週のお題「好きなパン」
あなたは二日酔いになったことがありますか?
二日酔い
お酒を飲みすぎた翌日に起こる、吐き気や胸やけ、頭痛などの不快な症状が「二日酔い」です。二日酔いは、アルコールが分解されてできた「アセトアルデヒド」という物質が、肝臓で十分に処理されないことで起こります。
ついつい楽しくなってしまって、飲み過ぎてしまって、翌朝後悔する、なんて話はよく聞きます(ちなみに私はまったく飲めないので二日酔いの経験はありません)。
で、二日酔いになってしまったら、「水を飲んで−」って言うのは結構よく聞きます。アルコールの入った飲料は液体ですが、水分補給にはならないというのは結構有名な話。水分不足にならないように、そして酔い覚ましのためにも「水を飲もう」という感じである意味「常識」になっている感じがしますが、実は「二日酔いに水は意味がない」という研究報告がありますので紹介します↓
水を飲んでも「二日酔い」は防げないとの研究結果
二日酔いを防ぐためのアドバイスとして、よく水をたくさん飲むことが推奨されます。しかし、深酒をした人が翌日に経験するつらい二日酔いと脱水症状の関係を調べた研究により、実は水を飲んでも二日酔いの予防にはほとんど役立たないことがわかりました。
アルコールには利尿作用があるため、飲酒をすると排尿により体から水分が失われて脱水症状が起きるリスクが高くなります。また二日酔いになった際に感じる頭痛、吐き気、胃の痛み、全身のだるさなどは脱水症状が原因だといわれることがよくあるため、「水分をたっぷり摂取して脱水症状を防げば二日酔いの症状も軽くなる」と思うのは自然なことです。
「二日酔い対策には水」という常識を科学的に検証すべく、オランダ・ユトレヒト大学の薬理学者であるマーロウ・マッカス氏らの研究チームは、アルコールによる二日酔いと水分の摂取量や脱水症状をテーマにした13件の調査のデータを集めて分析しました。
収集対象の調査には「オランダの大学生826人を集めて、二日酔いの原因となったアルコールの摂取時にどれだけ食事や水分を一緒に摂取したかを尋ねる」「18~30歳のボランティア29人に飲酒をしてもらい、翌日の二日酔いや口の渇きの重症度を聞き取る」といったものが含まれています。
これらの一連の研究結果をまとめたところ、二日酔いと脱水症状が同時に発生することがよくあるものの、それらが直接関連しているという証拠は得られませんでした。つまり、どちらかの症状がもう一方の症状を引き起こすわけではないので、水分摂取により脱水症状を防いだとしても、二日酔いを直接予防する効果はほとんどないということになります。
研究者らは論文に、「二日酔いは比較的長引くのが一般的ですが、脱水症状の影響は軽度で短時間でした。これらの調査データから、飲酒中または飲酒直後に飲水しても、翌日の二日酔いを防ぐ効果はわずかしかないことが明らかになりました」と記しています。
水分の摂取は、二日酔い予防だけでなく治療にもあまり意味がなく、飲んだ水の量は二日酔いの重症度や喉の渇きの変化とはほぼ無関係だったとのことです。
研究チームによると、脱水症状は電解質と水分の喪失によって引き起こされる一方、二日酔いは酸化ストレスや炎症反応が原因とのこと。脱水症状と二日酔いは、発生メカニズムが異なる別々の症状であるため、水分摂取が二日酔い対策にならないのはそのせいだろうと考えられています。
今回の研究には、使用したデータのいくつかが古く、サンプル数も少ないという限界があります。また、調査の多くは「なぜ二日酔いになりやすい人とそうでない人がいるのか」など、二日酔いに対する水の効果を直接研究テーマにしたものではない点にも注意が必要だと、研究チームは論文に記しています。
マッカス氏はSNSへの投稿で、「二日酔いは水分摂取で治るという神話は崩壊しました。もし、今度誰かが二日酔いの特効薬としてコップ1杯の水を差し出してきたら、あなたは真実を目の当たりにすることになるでしょう。知恵と分別のある飲酒に乾杯!」と述べました。
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
とは言え、「水分補給がダメ」と言っているわけではありません。そもそも「飲酒は適量」を摂るように心がけ、飲み過ぎないように、ということだと私は感じました。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。