((( MENU )))

適材適食 -てきざいてきしょく-

あなたに合った食べものを、あなたに合った食べ方で。

2331食目「飲酒のガイドラインを決めました(厚生労働省)」健康に配慮した飲酒に関するガイドライン

今週のお題「小さい春みつけた」

「飲酒のガイドラインを決めました(厚生労働省)」健康に配慮した飲酒に関するガイドライン【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

あなたはお酒を飲みますか?
あなたはお酒が好きですか?

どれくらいの頻度でどれくらいの量のお酒を飲みますか?

「飲酒のガイドラインを決めました(厚生労働省)」健康に配慮した飲酒に関するガイドライン【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

新型コロナの大流行により、今では大勢が集まって飲み会、というのも少なくなってきた感がありますが、お酒は大勢で外食時の時だけではなく、ひとりでも、自宅でも楽しめるもの。

私はアルコールは体質的にまったく飲めないのですが、お酒が飲めて楽しめるひとたちは、「自分が飲める飲酒量」が判っているひとが多いイメージです。

でも、それは「泥酔しない楽しんで飲酒できる量」のことで、アルコールの身体に対する影響は考えられていないはず。

今回、厚生労働省が「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」発表しました。国内初、なんだそうです。早速観ていきましょう。

「飲酒のガイドラインを決めました(厚生労働省)」健康に配慮した飲酒に関するガイドライン【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

(さけ)

エタノール(アルコールの一種)が含まれた飲料の総称。原料をアルコール発酵させて得る醸造酒、それから造られる蒸留酒などに大別され、原料や酵母、製法などの違いによる多様な酒が世界各地にある。酒を飲むことを飲酒といい、アルコールは抑制作用を有するため、飲酒はヒトに酩酊(酒酔い)を引き起こす。

酒 - Wikipedia

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

「飲酒のガイドラインを決めました(厚生労働省)」健康に配慮した飲酒に関するガイドライン【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

国内初の「飲酒ガイドライン」を公表/厚労省
 2月19日、厚生労働省は飲酒に伴うリスクに関する知識の普及推進を図るために「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表した。本ガイドラインは、アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め、自らの予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために、個人の適切な飲酒量・飲酒行動の判断の一助となるよう作成された。

純アルコールに換算して飲酒量を把握することが重要
本ガイドラインの特徴として、「基礎疾患等がない20歳以上の成人を中心に、飲酒による身体等への影響について、年齢・性別・体質などによる違いや、飲酒による疾病・行動に関するリスクなどをわかりやすく伝えるとともに、考慮すべき飲酒量(純アルコール量)や配慮のある飲酒の仕方や避けるべき飲酒方法などについて示している。お酒に含まれる純アルコール量は、「純アルコール量(g)=摂取量(mL)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」で表すことができ、食品のエネルギー(kcal)のようにその量を数値化できることから、純アルコール量に着目しながら、自身に合った飲酒量を決めて、健康に配慮した飲酒を心掛けることが必要とも記されている。実際に飲料メーカー各社では2021年頃よりアルコール飲料に含まれる純アルコール量の表示を開始している。

例:ビール500mL(5%)の場合の純アルコール量…500(mL)×0.05×0.8=20(g)

純アルコール量で疾病発症リスク示す
また、わが国における疾病別の発症リスクと飲酒量(純アルコール量)について、各疾病の発症リスクが上がると考えられる男女別の研究結果と参考(カッコ内)が示されている。

  • 脳卒中(出血性)[男性:150g/週(20g/日)、女性:0g<(-)]
  • 脳卒中(脳梗塞)[男性:300g/週(40g/日)、女性:75g/週(11g/日)]
  • 虚血性心疾患・心筋梗塞[男性:現在研究中、女性:現在研究中]
  • 高血圧[男性:0g<、女性:0g<]
  • 胃がん[男性:0g<、女性:150g/週(20g/日)]
  • 肺がん(喫煙者)[男性:300g/週(40g/日)、女性:データなし]
  • 肺がん(非喫煙者)[男性:関連なし、女性:データなし]
  • 大腸がん[男性:150g/週(20g/日)、女性:150g/週(20g/日)]
  • 食道がん[男性:0g<、女性:データなし]
  • 肝がん[男性:450g/週(60g/日)、女性:150g/週(20g/日)]
  • 前立腺がん(進行がん)[男性:150g/週(20g/日)、女性:データなし]
  • 乳がん[男性:データなし、女性:100g/週(14g/日)]

※「参考」については、研究結果の数値を元に、仮に7で除した場合の参考値(概数)。「0g<」は少しでも飲酒をするとリスクが上がると考えられるもの。「関連なし」は飲酒量(純アルコール量)とは関連がないと考えられるもの。「データなし」は飲酒量(純アルコール量)と関連する研究データがないもの。

国内初の「飲酒ガイドライン」を公表/厚労省|医師向け医療ニュースはケアネット

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

 厚労省、「健康に配慮した飲酒ガイドライン」公表 適切な飲酒量促進

厚生労働省は、飲酒に伴うリスクに関する知識の普及の推進を図り、適切な飲酒量・飲酒行動の判断を促す「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を作成し、公表した。
アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め、自らの予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために活用されることを目的として作成。不適切な飲酒は健康障害等につながるほか、飲酒する習慣がない人に無理に飲酒を勧めることは避けるべきとしている。
過度な飲酒には疾病発症等のリスクや、運動機能や集中力の低下に伴う行動面のリスクがあるとし、純アルコール量に着目しながら自分に合った飲酒量を決めるよう促している。

純アルコール量は、「純アルコール量(g)=摂取量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」で表すことができる。

例えばビール500ml(5%)の場合は、500ml×0.05×0.8=20g

となる。

純アルコール量と疾患などの発症リスクの関連性については、例えば大腸がんの場合は1日当たり20g程度(週150g)以上の量の飲酒を続けると発症の可能性が上がるといった研究結果を示している。
健康に配慮した飲酒のしかたについては、下記の5つを示している。

  1. 自らの飲酒状況等を把握する
  2. あらかじめ量を決めて飲酒をする
  3. 飲酒前または飲酒中に食事をとる
  4. 飲酒の合間に水(または炭酸水)を飲むなど、アルコールをゆっくり分解・吸収できるようにする
  5. 一週間のうち、飲酒をしない日を設ける

また、避けるべき飲酒等について、下記の5つを示している。

  1. 一時多量飲酒(特に短時間の多量飲酒)
  2. 他人への飲酒の強要等
  3. 不安や不眠を解消するための飲酒
  4. 病気等療養中の飲酒や服薬後の飲酒
  5. 飲酒中または飲酒後における運動・入浴などの体に負担のかかる行動

なお、アルコールによる影響には個人差があり、また、その時の体調等によっても影響が変わり得るものとして、注意を促している。

厚労省、「健康に配慮した飲酒ガイドライン」公表 適切な飲酒量促進 - Impress Watch

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

厚生労働省のサイト

「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表します

厚生労働省では、このたび、飲酒に伴うリスクに関する知識の普及の推進を図るため、国民それぞれの状況に応じた適切な飲酒量・飲酒行動の判断に資する「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を別添のとおり作成しましたので、公表します。

本ガイドラインは、アルコール健康障害の発生を防止するため、国民一人ひとりがアルコールに関連する問題への関心と理解を深め、自らの予防に必要な注意を払って不適切な飲酒を減らすために活用されることを目的としています。
厚生労働省では、今後、本ガイドラインの周知等を行ってまいります。

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

ポイントは「純アルコール」

今回の飲酒ガイドラインのポイントは「純アルコール」が重要だということ。

「飲酒のガイドラインを決めました(厚生労働省)」健康に配慮した飲酒に関するガイドライン【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

ーーー何々を何杯飲んだ

と、実際に飲むアルコールの量ではなく、その飲料が含んでいる純アルコールの量で考える、という点。お酒の種類や量よりも、摂取するアルコール量で考えていきます。

そして

  • 大腸がん[男性:150g/週(20g/日)、女性:150g/週(20g/日)]
  • 肝がん[男性:450g/週(60g/日)、女性:150g/週(20g/日)]

男性で純アルコール量1日に20g、週に150gを摂取し続けると大腸がんや出血性脳卒中、前立腺の進行がんのリスクがあがり、1日に60g、週に450gの純アルコール量を摂り続けていると肝がんのリスクがあがる、という意味になります。

1日の摂取純アルコール量

男性

20g・・・脳卒中(出血性)、大腸がん、前立腺がん(進行がん)

40g・・・脳卒中(脳梗塞)、肺がん(喫煙者)

60g・・・肝がん

女性

11g・・・脳卒中(脳梗塞)

14g・・・乳がん

20g・・・胃がん、大腸がん、肝がん

並べると、まず摂取する純アルコール量が男女で差があります。そしてリスクが男女で違っています。

まだ十分なデータや研究結果が出揃っていないようですが、ひとつ判るのは「たくさんのアルコールを常に摂取し続けると男女共に肝がんのリスクが跳ね上がる」ということです。

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

アルコールについてさらに知りたい

「飲酒のガイドラインを決めました(厚生労働省)」健康に配慮した飲酒に関するガイドライン【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

こちらのサイトが判りやすいので紹介します↓

正しい飲酒の基礎知識

お酒とは

アルコールを1%以上含む飲料のことを「お酒」と定義されています。お酒は飲み方次第で薬にも毒にもなります。適度な飲酒は気分をリラックスさせストレス解消になりますが、アルコールは体に様々な悪影響を与え、摂り過ぎれば毒になるので、飲み方に気をつけなければいけません。

アルコールの代謝

お酒を飲むとアルコールは胃から約20%、小腸から約80%が吸収され、その後血液に入り、全身を巡ります。アルコールは肝臓でアルコールを分解する酵素によってアセトアルデヒドになり、さらに酢酸に分解され、最終的には水と二酸化炭素となって汗、尿、呼気から排出されていきます。

お酒を飲んで酔っ払うのは、アルコールが脳の神経細胞に作用し、麻痺させるためです。また飲み過ぎると頭痛、吐き気、顔面紅潮などが現れるのは、アセトアルデヒドが原因です。

日本人の4割近くの人がアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが低いため、欧米人に比べてお酒に弱い人が多いです。

また、アルコールが血中からなくなるまではアルコールの処理能力や体重によっても異なるため、個人差があります。一般に体重60~70kgの方は純アルコール約5g分解に1時間ほどかかります。お酒に換算すると、中瓶1本、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯を分解するには約4時間かかることになります。

 

さらに詳しい内容はこちら↓のサイトへ

f:id:kozonoayumi2018:20200831080448p:plain

★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★

「飲酒のガイドラインを決めました(厚生労働省)」健康に配慮した飲酒に関するガイドライン【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

これをいい機会として、自分の好きなお酒の「純アルコール量」を調べて、それをもとに「飲む量」を考えてみるのはいかがでしょうか。安心して楽しいアルコールのある時間を過ごすためにも。そんなよい時間をこれから先も続けられるように。

*もし計算が判らないということであれば、管理栄養士に聞いてみるとあなたに合ったアルコールの楽しみ方を提案してくれるはずです。

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

*1 

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。