新型コロナウイルスに感染した人から血栓けっせんが多く見つかっているそうです。
【4月29日 AFP】米ブロードウェー(Broadway)の劇場やテレビで活躍している俳優のニック・コーデロ(Nick Cordero)さん(41)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療のため、病院の集中治療室(ICU)で3週間近く過ごした後、医師団の判断で右脚の切断を余儀なくされた──血栓ができ、血流が滞るようになったためだ。新型ウイルスによるものとみられるこの危険な合併症について、中国、欧米諸国の医療現場の第一線にいる専門家からの報告例が増加している。
集中治療室にいる患者は、いわゆる「血栓症」をさまざまな理由で発症するが、新型ウイルスの感染者では、その発症率は著しく高い。
血栓とは血管の中で血液が固まったもののことを指します。
血栓(けっせん)とは、血管内において形成される凝血塊。血栓によって生じる病態を総称して血栓症という。
正常な状態では血液の凝固の促進が体内で調節されており、出血時に血栓を形成して止血される。止血が完了し障害された部位が修復されると血栓は消える。これを線溶作用と言う。しかし、何らかの理由で血液成分や血流に変化を生じると血栓症を発症することがある。血栓が肥厚し血管を塞ぐことにより、血栓が出来た下位の部位で虚血や梗塞が引き起こされる。また、血栓がはがれて血管内の別の場所に移行して血管をふさぐことを血栓塞栓症という。
血栓は、塊を作ることで止血をするためのもので、出血を抑え私たちの身体を守る仕組みのひとつ、です。
なぜ新型コロナウイルスを感染した人から血栓が多く発見されるのか。
理由はまだ明確に解明されていません。しかし、上記の参照した記事の中ではこんな推測をしています。
【1】新型コロナウイルスに感染した人で糖尿病など基礎疾患がある場合、
| 重篤化する傾向がある。
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【2】集中治療室では充分に身体を動かすことができないため、
| 血栓ができやすい状態が長時間続く。
| *エコノミークラス症候群
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【3】新型コロナウイルスが引き起こす肺炎は、
| 体内に侵入してきた細菌やウイルスを駆除する働き
| =免疫が過剰に反応するサイトカインストームを引き起こす。
| もしくは
| 新型コロナウイルスそのものが血栓を作り出している可能性有。
| *検視解剖で一部の患者の肺に微小な血栓がびっしり形成されていた。
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【4】血栓が血管を巡って全身に移動する。
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【5】微小な血栓が血管内で集まり、血管が詰まる。
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【6】詰まった先に血液が流れなくなるため、不具合が起きる。
などを引き起こす。
と考えられています。
こんな記事もあります↓
ここで考えて欲しいのは生活習慣病、特に糖尿病がある場合です。糖尿病がある人は血糖値が高めの傾向があります。血糖値が高い状態が長時間続くと、血管の内側を傷つけ、もろい状態=動脈硬化を引き起こします。硬化した血管はしなやかさを失っているため、詰まりやすく、破けやすい状態です。
そのため、糖尿病のある人が新型コロナウイルスに感染すると重篤化しやすくなる、と考えられています。
では糖尿病のある人はどうしたらいいのでしょう。
まずは糖尿病の治療を続けることです。薬を指示通り服用し、栄養とカロリーのバランスが整った食事をし、適度な運動をする。これらをしっかりやり続けることで糖尿病の悪化を防ぐことができます。普段通院している糖尿病専門医の指示に従ってください。と、同時に通院は可能な限り続けてください。身体の状態を常に把握していくことが大事です。
そして感染を予防する行動です。3密を避け、外出を極力控え、マスクを着用し、頻繁に手洗いうがいを行う、何よりも新型コロナウイルスの感染しないことが大事です。
★ちゅー!ポイント★
私は野菜の摂取をオススメします。3食きちんと決まった時間に食事を摂り、食べ始めの5分間は野菜を食べます。1日3食で合計350gを目標に野菜を摂りましょう。ベジファーストをすることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。ぜひ、実践してください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。