2020年5月13日、西三段目82枚目の勝武士しょうぶし氏が新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全のため、28歳で死去したことが伝えられました。ご冥福をお祈りします。
そんな中、こんな記事が目に入ってきました。
勝武士さんは165センチの小兵力士だった。横野氏は「小兵で小さいが瞬発力があって、一生懸命稽古する力士だった。
三段目が最高位だったんですが、目標は幕下をせめて目指したいと頑張っていた力士だった」と、神妙な表情。
また、基礎疾患について問われ「28歳ですが、糖尿病を患っていたということで、最初に相撲協会でコロナの陽性反応が出たという力士。糖尿病があるのは力士は職業病みたいなものだが、『結構心配だね』という声はあった」と明かした。
勝武士氏は糖尿病があったようです。
職業病についての私の考え
文中では、力士=糖尿病は職業病という表記がありますが、私個人としてはそうだと言い切れないと考えています。力士=たくさん食べる=カラダが大きくなる=太る=糖尿病というのは、あり得ることですが、必ずそうなるとは言い切れません。もしそうなら力士は全員糖尿病ですし、力士でなくても体型が大きく太っている人はみんな糖尿病になってしまいます。糖尿病は確かに太っている人が多い印象はあると思います、肥満も原因のひとつと考えられているからです。逆に言えば、痩せている人でも糖尿病になります。まして力士はカラダが資本。早朝から深夜までカラダを鍛え抜いています。だから職業病というには私は違和感を感じます。
勝武士氏は28歳ということもあり、現時点で判っている中で20代では初の死亡例とも報道されています。
新型コロナウイルス感染症と糖尿病の関係を調べてみると、世界保健機関(WHO)の発表によると、
新型コロナウイルスに感染した人の死亡率
- 全世界の致死率 ・・・・・ 約2%
- そのうち糖尿病患者 ・・・ 約9.2%
としています。
また、米国ニューヨーク州(ニューヨーク市、ロングアイランド、ウェストチェスター郡など)にある12の医療機関に2020年3月1日〜4月4日までに新型コロナウイルス感染症で入院した5,700例について
- 高血圧症 ・・・・・ 56.6 %
- 肥満 ・・・・・・・ 41.7 %
- 糖尿病 ・・・・・ 33.8 %
だったと発表しています。まさに生活習慣病があると、新型コロナウイルスに感染した後、症状が発生しやすいことが判ります。
なぜ糖尿病の人は新型コロナウイルス感染症で悪化しやすいのでしょうか。
新型コロナウイルス感染症になると血栓ができやすくなる、という報告があります。(血栓ができるとどうなるのかについては以前の記事を参照してください↓)
血栓は血の塊です。すると血管が詰まりやすくなってしまいます。新型コロナウイルス感染症で肺炎を起こし、同時に血栓が循環器を痛め、脳や腎臓や肝臓などの血管を詰まらせた結果、多機能不全を引き起こす原因になっているのではないでしょうか。
では糖尿病がある人はどうしたらいいのでしょうか。
それは糖尿病の治療をしっかり続けること、です。食事、運動、薬をしっかりやっていくことで、体調をキープすることができます。今までやってきた糖尿病治療を、しっかり続けることが最も大切なこと、になります。
★ちゅー!ポイント★
充分な栄養と適量のエネルギー。3食しっかり食べる。食事の最初はベジファースト。そして適度な運動。薬を決められた通りに服用する。睡眠時間を充分にとる。そんな糖尿病治療でやっている規則正しい生活を送ることが新型コロナウイルス感染症にも負けないカラダづくりにも役立ちます。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。