昼休みに
WEBライブセミナー
『コーチングで糖尿病患者さんのやる気を引きだす』
社会医療法人財団 白十字会
松本一成先生
の講演に参加しました。
松本一成先生は
「コーチング」
で大変有名です。
一般的にコーチングとは
- 運動・勉強・技術などの指導をすること。
- 促進的アプローチ、指導的アプローチで、クライアントの学習や成長、変化を促し、相手の潜在能力を解放させ、最大限に力を発揮させること目指す能力開発法・育成方法論、クライアントを支援するための相談(コンサルテーション)の一形態。ただし、世界的に合意された明確な定義は存在しない。
という意味です。
コーチと言えばスポーツ。
選手の技術を引き上げを育てるために指導する人、
そんな主従を伴った一方的な関係をイメージしてしまいますが、
松本一成先生の話は全く違います。
それが「ティーチングとコーチング」の違いです。
ティーチング・・・私 が持っている答えを「教える」
コーチング・・・・相手が持っている答えを「引きだす」
という概念です。
それを糖尿病治療に活かしていくのです。
糖尿病は現時点で完治はできません。
糖尿病治療は患者自身が行っていかなければならず、
医療機関は検査と治療内容の確認と改善を行うのみです。
だからこそ、
「教える」のではなく「引きだす」ことが重要です。
コーチングを行う上で大事な4つの要素があり、
1)共感的に傾聴する
2)未来型の質問をする
3)承認する
4)枕詞で情報を伝達する
があります。
詳しい内容については、
松本一成先生の講演に参加するか、
たくさん書籍が出ていますので、
そちらで学んでみてください。
ここでは私なりの感じたことを書きたいと思います。
まず大前提として「治したい」という気持が必要です。
患者自身が「治したい」という思いを持っていること。
それが言葉でなくても構いません、
医療機関に来ている時点で少なくとも意志があるはずです。
そして私たち医療従事者が「治したい」と強い意志を持っていること。
それは「治す」という目的のために手段を選ばない覚悟ということ。
丁寧に言えば、
治すためにあらゆる手段を以て最適解を常に探す
ということだと私は考えます。
たとえば「野菜を食べて欲しい」と目的を設定します。
ある人は「食べて下さい」と伝えるだけで食べてくれます。
でも別の人は「食べて下さい」と伝えるだけでは食べてくれません。
そんな時に「コーチング」が有効な場合があります。
つまり、
その人にとって必要なことは違っていて、
その必要なことを見つけるために、
理由を見つけ、それを引きだすために
コーチングが有効な場合があります。
理由は様々。それを解決する方法も無数にあります。
傾向はあるにせよ、
同じ人でも日によって反応が違うことも普通にあります。
判りにくく、見つけにくい。
そんな些細で僅かな違いに気づくことで、
患者との間に信頼が生まれ、
信頼がより効果的な治療結果へと繋がっていくのだと、
私の経験が教えてくれています。
ひとりひとり違った方法。
その方法も常に変化に対応していかなければいけない。
ただ唯一変わらないのは「治したい」という思いだけです。
だからこそ、
様々なアプローチを学び、色色な状況に対応できる準備が必要です。
★わん!ポイント★
患者はひとりの例外もなく、
日常生活の中で糖尿病と向き合っています。
私たち医療従事者にできることは、
より深くより広く病気に対する知識や経験を高め、
精度の高いアドバイスと、
強い気持を以て常に接すること、ぐらいです。
上手くいくことばかりではありません、
でも、立ち止まっていては前には進めません。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は治療です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。