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適材適食 -てきざいてきしょく-

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2843食目「ダイアベティス アップデート セミナー」参加しました@福岡

今週のお題「私のデスク」

「ダイアベティス アップデート セミナー」参加しました。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

2025年7月31日木曜19:00〜福岡・博多でダイアベティス アップデート セミナーが開催され、参加しました。

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ダイアベティス アップデート セミナー

座長
小林 邦久 先生福岡大学筑紫病院 内分泌・糖尿病内科 教授)

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講演1
「Weekly Insulinへの期待」
下野 大二田哲博クリニック[ 福岡・姪浜 ]院長

「ダイアベティス アップデート セミナー」参加しました。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

↓講演内容を備忘録として要点だけまとめます。

1日/週注射の利用
アドヒアランス向上(毎日打たなくて良い)、高齢者など自分でインスリンを打つことができない人の治療に利用できるなどのメリットがある。

アウィクリ注の特徴
10単位毎の単位
毎日製剤の7倍濃縮(単位数が7倍になっても量が7倍増えるわけではない)
3-4回目で定常状態になる

インスリン毎日製剤→1日/週に変更する方法
2型糖尿病の場合)①7倍量にする ②7倍+50%追加
※±20単位/週で調整(3日間の血糖値をみて高ければインスリン増、低ければ減)
1型糖尿病の場合)7倍+50%追加

  • 低血糖:導入後2-3日目に起こることあり。(高齢者や治療歴が長い人に多い)
  • シックデイ対応:毎日製剤と同じ対応
  • 打ち忘れの対応:4日以上あけて次のインスリンを打つようにする

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講演2
「ダイアベティス診療をめぐる最近の動き」
清野  裕 先生関西電力病院 総長関西電力医学研究所 所長

「ダイアベティス アップデート セミナー」参加しました。【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

↓講演内容を備忘録として要点だけまとめます。

アメリカ

糖尿病はまず肥満が起こり、β細胞が疲れて糖尿病になるというのが常識

日本

肥満なしでインスリン分泌が減少

※アジアと欧米は異なる
非肥満で初期のインスリン分泌不全が主体のアジア型糖尿病の概念を提唱(遺伝的なことが要因の可能性)←欧米人は初期のインスリン分泌多い

経口と静脈摂取で血糖値の上昇が異なる実験により

  • 静脈ブドウ糖投与=血糖上昇大、インスリン少ない
  • 経口ブドウ糖投与=血糖上昇小、インスリン多い

※経口ブドウ糖投与すると「腸管を通過する」ため上記の差が発生する=インクレチンの発見。
インクレチンであるGIPやGLP-1の直接作用を知ったうえで薬の使い分けをする必要がある

DPP-4阻害薬
高齢者におススメ:体重減量起こさず、HbA1c降下作用あり

GIP(Gastric inhibitory polypeptide、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)

飽和脂肪酸を含んだもの(肉)を食べるとGIPの分泌が多くなる。

GIPは直接脂肪に栄養をため込む。GIPはインスリン分泌も起こす。→肥満につながる

GIP受容体をブロックすると食べた高脂肪食が肝臓や筋肉で使われて肥満にならない=薬として臨床試験中
※本来、GIPは肥満を起こす物質である

  • 生理的な動き GIPは3回/日食事毎に出る+インスリン分泌
  • チルゼパチド使用 1日中GIPが分泌されている状態を作っている=インスリンがない状態でGIPが強く働くと脂肪が分解する=痩せる
  • GIP優位
    セマグルチド オゼンピック・ウゴービ ヒトのGLP-1
    経口)心血管イベント
    注射)腎疾患、心血管イベント有意に低下

GLPとGLP-1まとめ

  • 生体内のGIPとGLP-1は作用が異なる
  • GLP-1は心血管、腎に対するエビデンスあり
  • GIP/GLP-1はエビデンス不明(現時点で)
  • ※どの症例も肥満が解消しているので薬剤そのものの効果なのか、肥満解消による効果なのかは見極めが大事
  • オゼンピックはHbA1cに応じて増量検討(ウゴービ)
  • インクレチン関連役使用すると体重減量とともに、筋肉も減量することが報告されており、アメリカでは高タンパク質が推奨されている
  • 一般の体重減量方法と薬を使った体重減量方法は異なる
  • 病態栄養学会で肥満専門管理栄養制度の分野が検討されている

スティグマ・アドボカシー

  • 以前は「療養」ということばが糖尿病治療で使用されていた
  • 糖尿病のある人で医療を受けている人の寿命は非糖尿病と変わらない(少し長生き)のデータあり
  • 糖尿病は隠している人が10%程度=名称上の理由もある?
  • 「生活習慣病」「糖尿病」というコトバの見直しが必要

【ダイアベティス】というコトバの普及
日本、韓国、中国のモンゴルの一部で「糖尿病」を使用しているが、世界的にはダイアベティスがスタンダード

コトバは言うまでもなく人類が用いるもっとも効き目のある薬である
=言葉を変えたからスティグマがなくなるわけではないが、どんな病気だろうと考えなおすきっかけになるかもしれない

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★にょろにょろポイント★

先日横浜で行われた第12回JADEC年次学術集会

に引き続き、JADEC(公益社団法人 日本糖尿病協会)会長 清野裕先生のお話を聞く貴重な機会を得ることができました。講演終了後、お忙しい中、ご挨拶させて頂きました。清野裕先生のお話を聞く度に、自分が目指すべき方向、目的がハッキリします。これからも頑張って目指していきたいと強く思いました。私は私のすべきことをしっかりとやっていきたいと改めて思いました。本当にありがとうございました。

 

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

*1 

*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。