2019年11月6日水曜日、長崎市にある井上病院で行われた糖尿病staff meetingで弊院姪浜院長 下野と共に講演させて頂きました。
私は
適材適食 〜野菜を食べましょうと言わないアプローチ〜
というテーマで、
下野は
チームで実践!糖尿病療養指導
というテーマで講演させて頂きました。
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質疑応答について
①簡単な野菜の勧め方は?
→旬の野菜がオススメ。
季節の野菜・旬の野菜が分からない・知らない患者さんには、その時期に一番目立つところに置いている野菜や安売りになる野菜を食べましょうと勧めています。目立つところに置いてあるものは大抵季節の旬の野菜です。値段が下がっているのは、収穫の時期なのでたくさんあるので安いのです。真夏のリンゴは高い、ですよね。それの逆です。
②果物の摂り方、勧め方は?
→やはり菓子などの嗜好品よりも果物がよい。ただし食べる量に注意するようにアドバイスします。「果物ならいい」と誤解され、美味しいのでたくさん食べてしまうという例は少なくないので、必ず食べる量について注意します。例えば「果物は保存できない」という理由でダメになる前に食べなくては!という意識の人も多いのでその場合、傷まないような果物に合わせた保存方法を提案したり、凍らせる冷凍フルーツなどを紹介しています。
③サラリーマン男性に野菜を食べさせる方法は?
→ひとりひとりに合わせた方法で提案するのが基本だと考えています。
■家族の協力が得られる場合
一緒に食事カウンセリングに参加して貰い、患者本人だけでなく、家族全員で一緒になって「健康食」という考え方で実施してもらうようにしています。。
■一人暮らしや家族の協力が難しい場合
中食や外食などその患者さんの生活習慣で実行できそうなことを提案しています。例えば、コンビニ利用が多い人にはコンビニでの選び方を、外食が多い人には外食の選択肢を聞き、その中でよりよい方向になるように提案しています。コンビニも外食もダメ!とは決して言いません。コンビニも外食も外せないのであればそれを認め、その代わりに野菜を1品追加したり、ベジ・ファーストだったりなど、改善を目指します。一気に変えることはとても難しいので、まずはできそうな小さなことを提案、了承、実現できた上で、さらに次の小さいことを、というように負担にならないようにすることが肝心だと考えています。
■調理をする人
簡単な調理方法などを提案します。自炊だからいいと安心するのではなく、どんなものを食べているのかを必ず確認します。場合によってはコンビニや外食の方が栄養的に優れていることもよくあります。自炊の場合は調理スキルにもよりますが、とても簡単なものを勧めています。たとえばカット野菜を作り置きする、電子レンジの有効活用方法とか、です。
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今回は、井上病院 病院長 泉野 清宏先生が以前下野と私の講演をご覧頂いて、ぜひにと言うことで実現した講演会と伺いました。大変恐縮に感じたと同時に、正直とても嬉しかったです。
私にとって講演会は、貴重な時間です。私の講演は、今まで多くの患者さんと接し、その度に患者さんからとても大切なことを教えて頂いてきました。それらひとつひとつを私の中で悩みながらカタチにしたものを勇気を持ってみなさんの前に立ち、話しています。それは私だけではありません。講演会場を訪れてくださっている管理栄養士を含めた医療関係者のみなさんにもとても貴重な体験・経験を持っていらっしゃいます。私は自身の体験から学んだことをさらけ出すことで、みなさんの経験と重ねたいと思っています。
糖尿病治療は、ひとそれぞれ。患者さんの数だけ、治療方法があると考えています。そして多くの治療経験を重ねることは、自分の中の引き出しを増やし、引き出しの中にしまった色色な方法を増やしてくれることだと感じています。
私は福岡で、今回のみなさんは長崎で、それぞれが日日経験しているかけがえのない貴重な体験を重ね合いたいと考えています。講演で壇上にいますが、会場のみなさんに毎回色色なことを教えてもらいに伺っています。
★ぶー!ポイント★
泉野 清宏先生(春回会 井上病院 顧問 糖尿病代謝内科)と医療スタッフと。
最後になりましたが、当日ご視聴、参加頂いた医療従事者のみなさま、そして講演会のスタッフのみなさまに心から深く感謝申し上げます。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。