2021年6月14日月曜日、オンライン講演会としてZoomにてDiabetes web seminarが開催され、講演しました。
基調講演として私は演題『適材適食 〜自己治癒力に注目してみよう〜』をテーマにお話させて頂きました。
講演の中で頂いた質問とその答え
ーーー食べる順番を配慮するのは大事だが、シフトワークなど時間がない人への指導でオススメがあれば教えてほしい
『時間がない』という患者に「時間をかけて食べましょう」と言ってもなかなかうまくいきません。私は「どの程度の時間をかけられるのか」「どんな環境、状況にいるのか」など、より詳しく、具体的な情報を尋ね、その状況の中でもできることを提案しています。「時間がかけられないから一切食事療法に取り組めない」のではなく、小さなこと、簡単なことでも【できること】を探し提案するようにしています。
多くの場合、患者本人が「問題だ」と思っている事柄があります。その問題と考えていることがなんなのかを見つけ出します。そしてその問題を取り除くことが治療を行う上で、有効であると判断したら、その問題を解決するヒントや手助けとなる提案をしています。そして問題に取り組み続けること姿を褒め、少しでも改善してきたら頑張ろう！と声を掛け、患者自身が問題に取り組み解決していくという状態を常に見守るようにしています。
ーーー野菜嫌いの人にどういうアプローチする？
糖尿病患者に限らず、野菜の摂取が全体的に低いという現状はご存知の通りなのですが、そもそも「野菜を食べてもらいたい！」という原点を常に意識するようにしています。野菜はビタミンやミネラルが豊富な食材であり、私たちのカラダを健康に保つ働きを持つ栄養素を多く含んでいる欠かすことのできない食材だという点です。糖尿病治療のためではあるのですが、そもそも野菜はカラダを元気にしてくれるという点が大事だと考えています。
とは言え、野菜が苦手、野菜が嫌いな人はいます。そんな人達には、食物繊維やビタミン・ミネラルを多く含む「キノコ」「海藻類」「コンニャク」などを提案します。
それでも難しいようであれば、白米を雑穀米やもち麦など食物繊維の多い米へ変えるように勧めたりします。
野菜の調理が嫌いという人もいます。そんな場合は中食や冷凍食品の上手な活用方法などを紹介したり、野菜は購入するけど食べきる前に腐敗させてしまうなどの理由であれば、保存方法を紹介したり、使い切り商品や、乾物などを紹介することもあります。
ひとつは「色々な商品を知っておくこと」も大事です。スーパーに行けば新商品を目にすることがあると思います。気になったものは購入して、実際に試してみます。そうすることで、リアリティのあるアドバイスをすることができます。
特別講演として、二田哲博クリニック姪浜院長 下野大が演題『今、糖尿病療養指導を再考する〜SGLT2阻害薬の活用を含めて〜』をテーマにお話させて頂きました。
★モゥー！ポイント★
最後になりましたが、
中村 周治 先生 医療法人社団 紘和会 平和台病院 名誉理事長
そして
本日参加頂いた医療従事者のみなさま、
講演会のスタッフのみなさまに心から深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 （こぞのあゆみ）管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。
