10月も後半、そろそろ洋梨の季節です。
洋梨って難しいですよね。食べ頃がいつなのか判りにくいです。↑緑色の洋梨を数日置いておくと、
↑こんな感じに黄色くなりました。そろそろかなー。
大正解!洋梨独特のあのとろみのような感じがとっても美味しいです★
という訳で今回はナシについて掘り下げます。
まず「ナシ」と言えばこれ↓ですよね。
ナシ(和なし、日本なし)
中国を原産とし日本の本州、四国、九州、中国や朝鮮半島、台湾島に生育する野生種ヤマナシ(ニホンヤマナシ、P. pyrifolia var. pyrifolia )を基本種とする栽培品種群のことである。
和梨は暑い時期、7月〜9月頃旬を迎えます。生産比率でみると代表的なものとして、
- 幸水・・・・・・40%
- 豊水・・・・・・26%
- 新高・・・・・・9%
- 二十世紀・・・・6%
- あきづき・・・・5%
と、圧倒的に幸水がたくさん出回っているようです。
和梨はシャキシャキした食感とみずみずしい果汁、そしてべとつかないさらっとした甘さが魅力、じゃないでしょうか。何よりまんまるでパンパンなのも特徴ですね。
セイヨウナシ(西洋梨、 学名:Pyrus communis)
ヨーロッパ原産のバラ科ナシ属の植物およびその果実であり、洋なし(pear)ともいう。ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアのほか、日本国内を含めて世界各地で広く食用に栽培されている。
一方、今回私が食べたこれから秋を迎えて旬となるのが洋梨、正式にはセイヨウナシです。セイヨウナシは和梨と違ってとろみ?を感じられるなど独特の味わいがあります。カタチも下ぶくれ?のような、ひょうたん?のようなかわいいカタチをしています。でも食べ時を見極めるのは難しいですよね。
代表的なものとして、
- ラ・フランス・・・・・・・・62.4%
- バートレット・・・・・・・・7.6%
- ル・レクチェ・・・・・・・・6.5%
- シルバーベル・・・・・・・・4.0%
- ゼネラル・レクラーク・・・・3.7%
という生産比率のようなので、セイヨウナシ=ラ・フランスという感じのようです。
熟した果実の味は酒のように芳醇(ほうじゅん)で甘く、食感はまろやかであり、和なし独特のしゃりしゃりとした食感はない。ただし、収穫直後は硬く、甘みは少ない。追熟させるために、一定期間置くと熟し、果皮は黄色になり、強い芳香を発するようになる。また、果肉も軟らかくなり、おいしく食べることができる。これは、追熟によって生じるエチレンの作用により果実に含まれるデンプンが分解されて果糖、ブドウ糖などの糖となるとともに、ペクチンのゲル化により、甘みと滑らかさが増加するため。なお、冷蔵庫などで10℃程度に冷却することにより、追熟を遅延することができる。
和梨と西洋梨は味もカタチも違っていますが、どちらも生まれは中国のようなのです。そして中国には和梨と西洋梨の元となった中国梨というのがあるそうです。どんなのかなと調べてみると↓
チュウゴクナシ(中国梨、Pyrus ussuriensis var. culta)
ホクシヤマナシ(シベリアナシ(英語版)、英: Siberian pear、秋子梨、しゅうしり、P. ussuriensis var. ussuriensis)が中国で栽培化された栽培変種である。独自種 P. bretschneideri とすることもある。白梨(はくり)ともいう。
カタチはセイヨウナシにそっくり、というかセイヨウナシが原型に近い、という感じでしょうか。
中国梨が西=ヨーロッパ方面に拡がっていくうちに西洋梨に、東=日本に伝わって和梨になっていった、うん、名前通りでとても判りやすい、です(ありがたい)。
ところが、西に行った中国梨は、16世紀にはなんと500種類近い品種まで増えたそうです。
和なしと同じく古い起源は中国だが、西(ヨーロッパ)に移動して分化したものが洋なしである。古くは古代ギリシアから栽培されていた。共和政ローマの政治家大カトは6種類の栽培品種について記述しており、帝政期には歴史家大プリニウスの調査によれば40種類の栽培品種が存在したと言われている。当時の洋なしは生のまま、あるいは火を通して食べるか、品種によっては酢や酒に加工された。洋なしはローマ人の手によってヨーロッパ各地に普及し、栽培品種の数は60種に及んだ。ローマ帝国が滅亡し、中世ヨーロッパに残った品種は6種類となったが、徐々に盛り返し、16世紀には500種近い栽培種が作られた。現代では商業的に強力な品種を組織的に流通させるため、栽培品種は10種程度に絞られており、他の種は忘れ去られてゆく傾向にある。
日本では明治時代初めに導入されたが、日本の気候があまり適していないために山形県などごく一部の地方にのみ定着し、現在では東北地方や信越地方などの寒冷地域で栽培されている。外見がデコボコしているため、本格的に食用にされるようになったのは昭和後期[2]。産地以外で生食でも食べられるようになったのは近年のことで、1970年代、80年代頃までは主に加工用として生産されていた。
ナシと言えば、よくその名前を使ったダジャレが発動されますが、由来については諸説あるようです。
ナシの語源には諸説ある。
江戸時代の学者新井白石は中心部ほど酸味が強いことから「中酸(なす)」が転じたものと述べている。
果肉が白いことから「中白(なかしろ)」あるいは「色なし」
風があると実らないため「風なし」
「甘し(あまし)」
「性白実(ねしろみ)」漢語の「梨子(らいし)」の転じたもの
また、ナシという名前は「無し」に通じることからこれを嫌って、家の庭に植えることを避けたり、「ありのみ(有りの実)」という呼称が用いられることがある(忌み言葉)。一方で「無し」という意味を用いて、盗難に遭わぬよう家の建材にナシを用いて「何も無し」、鬼門の方角にナシを植えることで「鬼門無し」などと、縁起の良さを願う利用法も存在する。
英語圏では多くの呼び名がある。
産地から、Asian pear, Chinese pear, Korean pear, Japanese pear
リンゴのような形から Apple pear
砂のようなシャリシャリした食感から Sand pear
日本語の「ナシ」から Nashi pear
「ナシ」=無しとそのままの意味として捉えることもあるとなると、ギャグではなく縁起担ぎなのかとも思ってみたり。
ーーーあるのに「ない」って言われちゃう果物なーんだ?
的な小学生がやるなぞなぞも実は「あり」なのかも知れません。
★モゥー!ポイント★
それにしても英語圏では「Nashi pear」って「梨梨」ってことになっちゃう気がするのでなんだか面白いです。
これからが旬のセイヨウナシ。「中国生まれ日本育ちかー」なんて思いながら味わってみてください。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。