今週のお題「ゾッとした話」
今週のお題「自由研究」
毎月季節の果物を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役果」。
私は健康なカラダづくりに役立つ果物を【役果やくか】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える果物が持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。8月の役果はブドウです。
ブドウ
ブドウは産地や種類により収穫の時期が違いますが、6月頃から出回り始め、旬は8月〜11月の間です。
ブドウ(葡萄、英: Grape、学名: Vitis spp.)
ブドウ科(Vitaceae)のつる性落葉低木である。また、その果実のこと。中近東が原産といわれ、古代ヨーロッパや中国などへと広まり、温帯域を中心に世界中で栽培されている。食用になる果実は房になって垂れ下がり、多数の実をつける。栽培種はヨーロッパ種やアメリカ種、それらの交雑種があり、果皮の色により赤系、黒系、緑系がある。
小さな丸い実がたくさん集まったブドウ。その一粒一粒がとてもジューシー。美味しいですよね。
ブドウと言えばブドウ糖。ブドウ糖はこの「ブドウの実の姿に似ている」「ブドウに多く含まれている」ことから付けられたそうです。
グルコース(英: glucose)
分子式 C6H12O6を持つ単純な糖である。ブドウ糖(ブドウとう、(葡萄糖)とも呼ばれる。三文字表記の略称はGlcであり、ドイツ語のTraubenzucker(トラウベンツッカー:Trauben ブドウ、Zucker 糖)からTzとも略記される。なお、しばしば用いられるGluという表記ではグルタミン酸などを指すことがあるため、少なくとも化学において使われることはあまりない。また、ブドウ糖の名の由来は、「熟したブドウの果汁に多く含まれていたから」、「化学式の形状がブドウの房に似ていたから」などの説がある。
確かにブドウの実そのものですね。
ブドウの栄養成分
ブドウにはブドウ糖の他にもたくさんの栄養が含まれています。
ブドウ(皮なし/生)100gあたり
- エネルギー・・・・・・・・・・・・・・58kcal
- たんぱく質・・・・・・・・・・・・・・0.4g
- 脂質・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1g
- 炭水化物・・・・・・・・・・・・・・・15.7g
水溶性食物繊維・・・・・・・・・・・0.2g
不溶性食物繊維・・・・・・・・・・・0.3g- 脂肪酸
飽和脂肪酸・・・・・・・・・・・・・0.01g
一価不飽和脂肪酸・・・・・・・・・・Tr
多価不飽和脂肪酸・・・・・・・・・・0.01g- ビタミン
βカロテン・・・・・・・・・・・・・21μg
ビタミンD・・・・・・・・・・・・・0μg
ビタミンE・・・・・・・・・・・・・0.1mg
ビタミンK・・・・・・・・・・・・・-μg
ビタミンB1・・・・・・・・・・・・・0.04mg
ビタミンB2・・・・・・・・・・・・・0.01mg
ナイアシン・・・・・・・・・・・・・0.1mg
ビタミンB6・・・・・・・・・・・・・0.04mg
ビタミンB12・・・・・・・・・・・・0μg
葉酸・・・・・・・・・・・・・・・・4μg
パントテン酸・・・・・・・・・・・・0.10mg
ビオチン・・・・・・・・・・・・・・0.7μg
ビタミンC・・・・・・・・・・・・・2mg- ミネラル
ナトリウム・・・・・・・・・・・・・1mg
カリウム・・・・・・・・・・・・・・130mg
カルシウム・・・・・・・・・・・・・6mg
マグネシウム・・・・・・・・・・・・6mg
リン・・・・・・・・・・・・・・・・15mg
鉄・・・・・・・・・・・・・・・・・0.1mg
亜鉛・・・・・・・・・・・・・・・・0.1mg
銅・・・・・・・・・・・・・・・・・0.05mg
マンガン・・・・・・・・・・・・・・0.12mg
ヨウ素・・・・・・・・・・・・・・・0μg
セレン・・・・・・・・・・・・・・・0μg
クロム・・・・・・・・・・・・・・・0μg
モリブデン・・・・・・・・・・・・・Tr
様々な栄養が詰まっているブドウ。特に注目なのは、
炭水化物
ぶどうは、炭水化物を100gあたり15.7g含んでいる。炭水化物は、基本的に糖質と食物繊維に分けることができるため、糖質の含有量は100gあたり15.2gとなる。ぶどうの糖質の種類は、吸収されやすいブドウ糖や果糖などであり、脳や身体を動かすための優れたエネルギー源となっている。食物繊維
ぶどうは、ペクチンなどの食物繊維を100gあたり0.5g含んでいる。食物繊維は、炭水化物の一種であり、小腸で消化・吸収されない物質の総称とされている。そんな食物繊維には、食後血糖値の上昇を抑えるなどの働きがあるとされており、現代人は積極的に摂るように推奨されている。カリウム
ぶどうは、ミネラル類の一種であるカリウムを100gあたり130mg含んでいる。カリウムは、細胞などの浸透圧を調整するためにナトリウムを排出する働きなどを有している。そのため、特に塩分摂取量が多い日本人にとっては、重要な栄養素の一つとされている。ポリフェノール
ぶどうは、アントシアニンやレスベラトロールといったポリフェノールも含んでいる。これらのポリフェノールには「抗酸化作用」があり、体内に活性酸素ができるのを防いだり、できた活性酸素を取り除いたりする働きがあると考えられている。なお、ブドウの皮の濃さには、青紫色の天然色素である「アントシアニン」の蓄積量が関係しているといわれている。有機酸
ぶどうは、リンゴ酸と酒石酸という有機酸を含んでいる。有機酸は酸味物質であり、ブドウの爽やかな酸味の正体ともなっている。また、機能的には酸化を防止したり、抗菌性を発揮したりすると期待されている。
中でも「ポリフェノール」が有名、ですね。
ブドウの品種は10,000種以上!
ここまで「ブドウ」としてきましたが、ご存知の通りブドウにはたくさんの種類、品種が存在します。
ぶどうの品種
世界に1万種類以上あるといわれるぶどう。品種改良の取り組みにより、粒の大きさや風味などが異なるさまざまな品種が今も生まれています。日本産ぶどうの輸出が拡大中
日本のぶどうの品質は海外でも高く評価されるようになり、輸出量は2014年からの4年間で3倍近く増え、2018年には1,492トンに達しています。輸出先の大半を占めているのが、香港や台湾、シンガポールなどのアジア諸国。これらの地域では果物を贈答品に用いる風習があり、ピオーネやシャインマスカットなどが人気です。
さらなる輸出拡大を図ろうと、粒が外れにくいとか、日持ちが良いなど輸出に適した品種の開発が進められています。また、生食用のぶどうだけでなく、日本産ワインも海外での人気が高まる中、日本政府は表示基準を作り2018年10月から国産ぶどうのみを原料に使用し、国内で製造されたワインだけが、「日本ワイン」と表示できるようにしました。
結構、日本産のブドウも人気が高いんですねー。
さらに農林水産省のサイトにはブドウの基本的な種類について解説がありました。
果皮の色で黄緑、赤、黒に分けられる
ぶどうには欧州種と米国種という系統による分類がありますが、ここでは色味(黄緑系、赤系、黒系)で分類し、それぞれの代表的な品種を紹介しましょう。色の違いはアントシアニンという色素の蓄積によるものです。黄緑色
黄緑系に多いのが、渋みが少なく、爽やかな香りの品種です。ナイアガラ
- 生まれ・・・・米国
- 主な産地・・・北海道、長野県
- 特徴・・・・・糖度が高く、果汁が豊富で特有の芳香がある。
ロザリオビアン
- 生まれ・・・・山梨県。1987年品種登録
- 主な産地・・・長野県、山梨県
- 特徴・・・・・果汁が多く、酸味が控えめでまろやかな甘みがある。
赤色
酸味の少ない品種が多いのが赤色系の特徴です。赤嶺 せきれい
- 生まれ・・・・山梨県で発見
- 主な産地・・・山梨県
- 特徴・・・・・果肉は歯切れが良く、甘みが強く、ほどよい酸味がある。
デラウェア
- 生まれ・・・・米国で発見
- 主な産地・・・山形県、山梨県、大阪府
- 特徴・・・・・実は小粒で強い甘みと酸味のバランスがいい。
黒色
コクのある味わいの品種が多いのが黒色系です。ピオーネ
- 生まれ・・・・静岡県
- 主な産地・・・岡山県、山梨県
- 特徴・・・・・甘みと酸味のバランスが良く、上品な風味。
キャンベル・アーリー
- 生まれ・・・・米国
- 主な産地・・・北海道、岩手県
- 特徴・・・・・実はやや小粒で、甘みは控えめ。
聞いたことのある名前、ありますね!
人気のぶどうの変遷
生食のぶどうが好まれる日本では、新たなぶどうが次々と登場し、人気品種が移り変わってきました。かつてはデラウェアなど赤色のぶどうが隆盛を誇っていましたが、やがて黒色の巨峰がシェアを伸ばし、トップの座に躍り出ます。昨今は、種なしで皮ごと食べられる品種の人気が高まり、2006年に品種登録されたシャインマスカットは年々支持を集めています。皮が薄いにもかかわらず割れにくく、日持ちも良いことから生産者の間でも人気となり、栽培面積を急速に増やしています。
デラウェアや巨峰と言った人気品種の他はここ30年の間にかなり品種の入れ替わりがあったようです。
ブドウの品種がまとめられているサイトを紹介します↓
ブドウの家系図
そんな品種の多いブドウの家系図を作った人がいました!
この執念を見よ 市場に出回っている葡萄を網羅した“葡萄の家系図”がすごい
築地市場ドットコムの公式Twitterが市場に出回っている葡萄の品種を網羅した家系図を完成させました。ただでさえ膨大な数に上る品種をひとつにまとめ上げるなんて、すごい……!
この“葡萄の家系図”は、築地市場ドットコムのスタッフさんが2カ月もの歳月を費やし完成させたもの。分かりやすいよう、大まかに黒・白・赤ぶどう・不明の4つのアイコンで表示してあるのがニクいところ。逐一味を確認し、断面図を撮影していったと公式Twitter内で語られています。なかでもワイン用品種や海外品種は判別が難しく、一苦労したとのこと。この執念を見よ 市場に出回っている葡萄を網羅した“葡萄の家系図”がすごい - ねとらぼ
#葡萄の家系図、完成しましたー。元画像はかなり大きいのですがTwitterだと縮小されちゃうのかな?桃の家系図と同じくクレジット消さなければご自由にお使い頂けるので、どうぞよろしくお願いしまーす🍇\(^o^)/🍇
— 🍑豊洲市場ドットコム🍣 (@tsukijiichiba) 2017年10月28日
協力&応援ありがとうございました! pic.twitter.com/4X0aCGL8fj
す、、、すごい、、、すごすぎる、、、豊洲市場ドットコムさんと言えば「ミカン」や「モモ」の家系図も発表されてましたね!
とにかく、果物愛は痛いくらい伝わってきました・・・。
こんなに複雑な家系図になるくらいブドウの品種は多いんですねー。
ブドウと言えばワイン
私はアルコールがダメなので飲めないので、飲んでもブドウジュースになってしまうのですが。それでもやっぱりブドウと言えばワインですね。
ワイン(仏: vin、英: wine、伊: vino、独: Wein)
主としてブドウの果汁を発酵させたアルコール飲料(酒)である。葡萄酒(ぶどうしゅ)とも。通常、単に「ワイン」と呼ばれる場合には、ブドウ以外の他の果実の果汁を主原料とする酒は含まない。日本の酒税法では「果実酒」に分類されている。また、日本語での「酒」と同じく、欧州語においてはアルコール飲料(特に果実酒)全体を指す場合もある。
ワインは日常的に飲まれるアルコール飲料でありながら、ギリシャ神話やローマ神話、キリスト教において重要な役割を果たす神聖な存在でもある。また、外観や香りや味わいを鑑賞する嗜好品としても高い地位を獲得しており、食文化を牽引する存在の一つとなっている。長期熟成に耐えうることから、近年ではコレクションや投資の対象としても大きな注目を集めている。
古くは紀元前の南コーカサスやメソポタミアに端を発し、その後はフランスやイタリアをはじめとするヨーロッパ周辺地域で広く生産から消費まで行われる時代が続いたが、現在ではさらに生産地域を広げ、そして世界中で愛飲されている。
なんと、ワイン用のブドウの品種の家系図も発見しました!
家系図から見るワイン用ブドウ品種
私たちが普段楽しんでいるワインを造るために必要不可欠なブドウ。ブドウに品種があることは、もちろんワイン愛好家の方なら当然の常識。ではもっと掘り下げてみてブドウを農産物としてみたとき、品種ってどういう形で決められているのだろう?興味が湧きすぎて、家系図を作ってしまいました!今回はワイン用ブドウ品種を家系図から探ってみたマニアックなコラムです!
まずは家系図全体を見てみましょう。ところどころ見たことも聞いたこともないブドウ品種があるかと思います。なるべくシンプルにするため、複雑になりすぎる部分は一部省略しました。技量不足ですみません。ちなみにここに載っていないブドウ品種は現時点で研究が進んでいないか、古くから形を変えていない品種ということになります。代表的なところだと、セミヨン。調べても情報が無く、載せることができませんでした。またイタリアやスペインの土着品種も、ほとんど載っていません。研究が進んでいないのか、そもそも行われていないのか定かではありませんが、ほとんど情報が出てきませんでした。国際品種から研究が始まっているというところでしょうか。
飲めない私にはちんぷんかんぷん。なので、別のアプローチを見つけました↓
ワインの色で味わいを知る
ワインになった時の色合いを元にチャートしたもののようです!(飲めなくても色なら私にも判る!)
一目でわかる♪味わいチャート
- マルベック 深い色合いと濃厚フルーツ!肉料理とも相性が良い品種です♪
- カベルネ・ソヴィニヨン 世界の王道ブドウ品種!果実味を兼ね備えたしっかりワイン!
- シラー/シラーズ フルーティ、スパイシー、濃厚なものなど、産地によって幅広い魅力を楽しめる品種。
- ヴィオニエ うっとりするような独自の構成を持つ芳香、リッチな味わいも特徴的!
- ゲヴェルツトラミネール ライチの香りが特徴の、アロマティックな白!エスニック料理との相性も◎!
- シュナン・ブラン 親しみ易さが魅力で、産地によってフルーティさの違いが楽しめます!
- リースリング 白い花の優しい香りに瑞々しい酸味。ドイツでは甘口にも用いられる人気の品種です!
- シャルドネ 白ワインといえばこの品種。産地、作り手により表情を変える世界中で人気のブドウです。
- ソヴィニヨン・ブラン キリッと柑橘果実の爽やかなワイン!しっかり辛口がお好きな方におススメ!
- ピノ・ノワール 女性的なワインをつくるこのブドウ!そのエレガントな味わいは魅力的!
- サンジョヴェーゼ イラリアの代表的な品種。さわやかな酸味と果実味が魅力♪渋味は穏やかです!
- メルロー 果実味たっぷりで濃厚ジューシー!滑らかな口当たりを楽しめます!
さらに詳しく知りたい人はこちらのサイトへ↓
シャインマスカット問題
そしてここで、ブドウの中でも私が1番好きなシャインマスカットです。
シャインマスカット (Shine Muscat)
日本の農林水産省が所管する農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)によって育種・登録された広島生まれのブドウの栽培品種。命名登録番号は「ぶどう農林21号」。
近年人気が急拡大しており、日本園芸農業協同組合連合会の統計によるとシャインマスカットの栽培面積は、2022年に1797ヘクタールにまで広がり、ついに国内の主要品種であった巨峰(1621ha)やデラウェア(1627ha)を抜き、トップに躍り出たとされる。
以前お話したシャインマスカット問題についてです↓
★ぴょん!ポイント★
改めて調べてみると、ブドウの品種の多さにビックリしました。それだけ柔軟性と可能性を秘めた果実ということなのかも知れません。
旬のブドウ、美味しく頂きましょう。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。