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1793食目「お腹の中で胎児も味わってる???」ニンジンは好き。ケールは嫌い。@ダラム大学@イギリス

「お腹の中で胎児も味わってる???」ニンジンは好き。ケールは嫌い。@ダラム大学@イギリス【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

妊娠が判った時から、無事生まれてくるようにお腹の赤ちゃんのためにいいことしたい!と誰もが思うはず。今回は妊娠中の食事について、大変興味深いニュースを取り上げます。

【発見】ニンジンで“笑顔”に? 母親の食べ物で胎児の表情変化

「ニンジンは好きで、苦い野菜は嫌い…」。母親が食べるものによっておなかの中の赤ちゃんが笑顔になったり、泣き顔になったりしていることが最新の研究で分かりました。イギリスのダラム大学の研究チームは妊婦100人にニンジンと、苦味があるケールの粉末が入った錠剤を飲んでもらい、20分後に、4Dエコーの撮影を行いました。その結果、母親がニンジンの錠剤を飲んだ胎児は、笑顔を作っているように見えることが分かりました。一方、ケールの錠剤を飲んだ母親の胎児は顔をしかめた泣き顔をしていました。胎児が母体の中で、味やにおいを感じられるという研究はこれまでもありましたが、表情から反応を確認したのは世界初だということです。研究チームは胎児が苦手な味に繰り返し触れることで風味に慣れ、産まれた後の「食わず嫌い」を避けられるかもしれないと説明しています。

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「お腹の中で胎児も味わってる???」ニンジンは好き。ケールは嫌い。@ダラム大学@イギリス【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

胎児は母親から送られてくる「味」に反応していた

妊娠中の母親が摂取した食物の化学物質は羊水に溶け込み、胎児が取り込むようになります。このとき、胎児は母親が食べた物質の味も感じ取っている可能性があるようです。

私たち人間は、味覚と嗅覚の組み合わせで味を感じていますが、胎児の場合は、子宮内の羊水を吸い込んだり、飲み込んだりすることを介して、味の感覚が生じると考えられるのです。

研究主任のベイザ・ウスタン(Beyza Ustun)氏は、こう話します。

「胎児が子宮の中で味や匂いを感じているとする研究報告は数多くありますが、それらはどれも、出産後の調査から類推されたものでした。対して、私たちの研究は、出産前に味の反応を直接的に確認した初めてのものです」

本研究では、18歳から40歳の妊婦100人を対象に、妊娠32週目と36週目に一度ずつスキャンを行い、ニンジン味とケール(アブラナ科の野菜)味に対する胎児の顔の反応を観察しました。妊婦には、各スキャンの20分前に、400mgのニンジンかケールパウダーを含むカプセル1個を服用してもらいます。また、スキャンの1時間前からは、その他の食べ物や飲み物を一切摂らないよう指示。加えて、スキャン当日には、ニンジンおよびケールを含む食物を摂取しないようお願いしています。これらの準備が完了した後、4D超音波スキャンにより胎児の反応を記録し、いずれの味覚にもさらされていない胎児の顔と比較しました。

その結果、胎児は、ニンジンとケール味のどちらに対しても、十分な表情の変化を示したのです。具体的には、ニンジン味にさらされた胎児は「笑い顔」の反応が多く、ケール味にさらされた胎児は「泣き顔」の反応が多く見られました。

胎児は、ニンジン味に好意的な反応を示し、ケール味には嫌悪感を抱いているようです。

この研究成果は、人間の味覚や嗅覚の発達に関する理解を深めると同時に、母親が妊娠中に食べていたものが、出生後の赤ちゃんの味覚嗜好に影響を与えて、健康的な食習慣の確立につながる可能性を示唆します。

アストン大学のジャッキー・ブリセット(Jackie Blissett)氏は、次のように推測します。

「胎内で繰り返し同じ味に触れることで、出生後に、それらの味への嗜好性が高まると考えられます。たとえば、胎児があまり好んでいないケール味を与え続けることでその味に慣れ、出生後もケールを無理なく食べられるようになるかもしれません」

これは、離乳期に発生する”食わず嫌い”を回避する方法として役立つ可能性を秘めています。

次のステップは、胎児が時間とともに好みでない味に”否定的”な反応をしなくなり、その結果、出生後にそれらの味をスムーズに受け入れるようになるかを明らかにすることです。そのため、研究チームは、同じ赤ちゃんを対象とした出生後の追跡調査をすでに開始しています。

胎児はお腹の中で母親が食べたものの「味」に反応していた!表情の観察に初成功 - ナゾロジー

ほ、ほんとに??? と思わず声が出てしまう程の表情です。

「お腹の中で胎児も味わってる???」ニンジンは好き。ケールは嫌い。@ダラム大学@イギリス【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

ニンジン(人参、学名: Daucus carota subsp. sativus)

中央アジア原産のセリ科ニンジン属の二年草。畑で栽培し、多肉質の根は食用にされる。

ニンジン - Wikipedia

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「お腹の中で胎児も味わってる???」ニンジンは好き。ケールは嫌い。@ダラム大学@イギリス【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

ケール(緑葉甘藍、英: kale, borecole、学名: Brassica oleracea var. acephala)

アブラナ科アブラナ属の野菜。地中海沿岸が原産で、キャベツの原種であるヤセイカンラン に近い品種。和名はリョクヨウカンラン(緑葉甘藍)やハゴロモカンラン(羽衣甘藍)。葉は縮れているものや平滑なコラード系、細長いものなど多様な品種がある。コラード系は日本では明確に区別されず一般にケールと呼ばれている。苦味や青臭さがあり、青汁やグリーンスムージーの材料として利用されるが、ヨーロッパやアフリカなどでは一般的に料理の食材として使われる。生食できるように苦味や食感を改善した品種も数多く開発されている。

ケール - Wikipedia

確かにニンジンは甘く、ケールは苦く感じます。まさしく私でもこんな顔をしちゃうかも知れません。

でも不思議なのは母親と胎児はへその緒で繋がっているので、直接味わっている訳ではないのにまるで胎児が味わったかのような表情を浮かべている点。

ということは、母親が舌で感じた味覚の情報=感情や感覚がお腹の中にまで伝わっているということになります。

つまり母親が好きと感じるものは好きと、嫌いと感じるものは嫌いだという感情が胎児に伝わっていくということになります。

記事では「食べず嫌いをなくせるかも」的なことを書いてありましたが、つまりはお母さん次第ってことなのでしょうか。

「お腹の中で胎児も味わってる???」ニンジンは好き。ケールは嫌い。@ダラム大学@イギリス【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

野菜や果物が好きな母親はきっと妊娠中に野菜や果物を食べるたびに「美味しい!」と感じ、それがすべてお腹の中の赤ちゃんに伝わっているかも知れない。そして、

「お腹の中で胎児も味わってる???」ニンジンは好き。ケールは嫌い。@ダラム大学@イギリス【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

無事生まれてきて自分で食べられるようにまで育った頃。野菜や果物を食べる度にお腹の中で「美味しい味だ!」と想い出すのでしょうか。

親子は生活を共にします。特に食生活は幼い頃の体験が大人になっても影響することが判っています。食の傾向は家庭毎に違いますし、だからこその「おふくろの味」です。

それは成長し、物心がついた後の話ですが、生まれる前の胎児の頃から影響があるとしたら大変興味深いです。

★がぉー!ポイント★

「お腹の中で胎児も味わってる???」ニンジンは好き。ケールは嫌い。@ダラム大学@イギリス【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

今回紹介した内容については今後も研究が進むのを待つとして、いずれにせよ、お腹の中の赤ちゃんにとって、お母さんが食べるもの、飲むものが全てです。お母さんが飲食したもので赤ちゃんは誕生まで成長していきます。それには代わりはありません。エネルギーと栄養バランスの整った食事を心がけたいものです。また食事だけでなく、身体を動かすことも、充分な睡眠も大切。健康的な生活を母親が送ることで、健康的に赤ちゃんは育っていきます。お母さん、赤ちゃんのために、しっかりお願いします★

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。