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適材適食 -てきざいてきしょく-

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1783食目「赤い宝石が盗まれた!」最高級ブドウ「ルビーロマン」@石川県

「赤い宝石が盗まれた!」最高級ブドウ「ルビーロマン」@石川県【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

秋に旬を迎えるブドウ。その中でも最高級品として注目を集めているのがルビーロマンという品種です。

赤い宝石と呼ばれているルビーロマンですが、大きな問題に直面しています。

【ルビーロマン】韓国で既に商標登録"生産と販売を止めることはできない"

日本で独自開発された高級ぶどうが韓国に流出していることがわかりました。1房数万円する高級ぶどうの流出に生産者からは落胆の声が聞かれました。東京のフルーツショップで驚きの値がつくふどうがありました。1房で約2万円の「ルビーロマン」です。

果実園リーベル目黒店 竹澤似名子さん
「とても美しいルビーのような赤色をしていて、『赤い宝石』と言われています」

ルビーロマンは、巨峰よりも大きい粒のブドウで、石川県だけで生産されています産地では9日、ルビーロマンの出荷作業が行われていました。県は14年かけて、この品種を開発しました。甘さ、大きさ、色づきなど厳しい基準を満たしたものだけが、名乗ることが許されるブランドふどうです。ことし7月の初競りでは1房150万円の過去最高の値をつけ、岸田首相も太鼓判を押しました。

岸田首相(先月)
「大変豊かな感じのする味わいでありました」

しかし、このルビーロマンに思わぬ事態が起きています。

韓国のある農家のショッピングサイトには、ぶどうの画像と共に「ルビーロマン」と書かれている商品が出品されていました。石川県でしか生産されていないルビーロマンが、韓国で販売されていたのです。石川県によると、韓国産は色づきが均一でなく、房の形も整っていないといいます。しかし、県が現地でぶどうを購入し、DNA鑑定をしたところ、なんと遺伝子の型が一致。紛れもなくルビーロマンだったのです。

生産者 大田昇さん
「徹底して管理してやってきたので、残念でなりません。でもうちらみたいな商品にならない限り、買ってくれないと思う。それは自負している」

石川県の馳知事も困惑しています。

石川県 馳浩知事(7日)
「誰がどうやって(苗木を)持ち出して、韓国で栽培をしたのか。ものになるまで5年かかるということを考えれば、少なくとも5年前に韓国に持ち出されたと思わざるを得ません」

ブランド品種を守るため去年施行された改正種苗法で、海外へのルビーロマンの苗木の流出が禁止されていました。つまり、法律が施行される前に韓国に渡った可能性が高いというのです。

韓国の「ルビーロマン」は、日本より格安で販売されているといいます。韓国では現地の人が既に商標登録をしていて、生産と販売を止めることはできないといいます。

種苗の商標に詳しい富山大学 神山智美准教授
「流出する前に、先に商標権を得ておくというのが、一番の安全策になります」

特にブランド品種は国外でも、いち早く商標登録することが大切だといいます。石川県は現在、40を超える国と地域で「ルビーロマン」の商標登録をするよう準備を進めています。
(2022年9月9日放送「news every.」より)

なんと韓国でルビーロマン栽培され販売されているのです。

話を整理してみましょう。

  • 石川県がバックアップして新しい品種のブドウを開発。
  • 長い年月と試行錯誤を繰り返し、ようやくルビーロマンが完成。
  • しかし韓国で同種とみられる品種が販売されている。
  • しかも韓国で商標登録されているため、差し止めができない。

私を含め日本人の感覚としては「人が努力して得たものを奪う」ことに対してもの凄く抵抗感があると思います。しかも自分のものとして商標登録までして許しがたい!と思ってしまいます。

しかし違うのです。

私たちの生活は法によって決められ守られています。法を守ることで社会が成り立っています。それを法治国家と呼び、私たちの日本も、そして韓国も法治国家なのです。

ですから、商標登録という法的措置を正式な手順で行い認められている以上、商標は正式なものと言えます。

つまり、商標登録をしなかった日本側の落ち度ということになります。とても残念です。シャインマスカットやイチゴなども含め、このようなことが多発したことから、種苗法が改正されました。

★がぉー!ポイント★

もちろん、海外へ苗木を持ち出したという問題は残っています。犯人を見つけることは必要ですが、それよりもこのようなことが起きないようにする、再発防止のために動くことが大事だと私は思います。

美味しいフルーツと法律。まったく関係のないように思いますが、このようなことが続けばいずれ美味しいフルーツはなくなってしまうでしょう。精魂込めて作った果物が盗まれ他人が商売しているようなことが続けば、美味しいフルーツを産み出す土壌が日本からなくなってしまいます。そのためにも、法律で守る必要があるのではないでしょうか。

 

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。