今週のお題「最近おいしかったもの」
2024年1月26日金曜日。
第27回日本病態栄養学会年次学術集会に参加するために私は京都にいます。烏丸大池の「松之助」でアップルパイを頂いた後に「護王神社」で足について祈願。そのまま、とある場所に立ち寄ります。
▼松之助
▼護王神社
創業明治十二年 澤井醤油本店
澤井醤油本店
実は、昨年2023年の夏に京都へ来た時に入山豆腐店に見学させて頂いたことがありました↓
その時、入山さんから澤井醤油本店さんの話を伺っていました。なので興味があって、今回立ち寄らせて頂きました。
店内に入ったら醤油の「よい香り」が私を包みました。本当にいい香りです。独特。
素敵な容器。入れ物にも拘ってらっしゃるそうです。素敵です!
仕込み樽?がありました。
店舗のご案内
創業明治十二年(建物はもう少し以前から)、御所より5分程度西に歩いた所に位置する、新町通りと中長者町通りの西北角にお店があり、近くにはリピーターが多いことで有名なブライトンホテルがあります。
店構えは新町通りに面して白い壁の土蔵があり、妻を見せた大きな木造家屋です。 正面玄関は中長者町通りに面し、むしこ造りに一本子持ちの格子構え、入り口の前には大きな木作りの看板が掲げられています。
2003年に改装工事を致しましたが、その際に建物全体に住み着いてる麹菌が死んでしまう事で澤井醤油の味が変ってしまうのでは?と、とても心配しましたが当時施工いただいた職人さんに大変お気遣い頂き、無事に改装することが出来ました。今では京都市と国から景観重要建造物に指定されていますのでこれからも末永く残していかなければと考えております。
そう聞くと「いちげんさん、お断り!」そんな感じを受ける店構えかな・・・?
いえいえ、いたって気さくなお店で、卸売りだけでなく小売りももちろん、いちげんさんでも、醤油一本、もろみ一個からでも販売いたします。お気軽にお立ち寄りください。
京町屋の醤油蔵
京都の御所から徒歩5分ほど西に歩いた所に位置する「澤井醤油本店」。創業は明治十二年、その四年後の明治一六年頃に現在の地に移転し醤油造りを続けています。
京町屋の店構えと白い壁の土蔵。妻を見せた大きな木造家屋からはその歴史を感じることができます。国産の原料と昔ながらの手法・道具を使った醤油造りを続けており、頑固に守りつづけた味を口伝で伝えています。
一度出来上がった生の醤油に、再び大豆と小麦を入れて熟成させた「二度熟成醤油」は、二年の熟成期間を費やしています。また、関西地方で多く使われている淡口醤油の「都淡口」などを手掛けており、京の料理界に多大な貢献をしてきた名店です。伝統がなければ醸し出せない相伝の味
関西の醤油といえば淡口醤油と連想される方が多いかと思います。淡口醤油は濃口醤油に比べて色が薄いのが特徴ですが、原料比率や製造方法が異なります。
濃口醤油と比べて、原料となる大豆の比率を少なく、小麦の比率を多くしたもので、色を淡くするために塩分濃度を高くして発酵を抑えたり、火入れ温度を低くするなどの工夫により生産されています。
淡口醤油は素材の色合いを引き立てて仕上げることができるので、彩を大切にする懐石料理には欠かせない存在となっています。創業以来のこだわりのある高品質な醤油造りが、多くの老舗京懐石料理店から支持を受けており、京料理の縁の下の力持ち的な存在になっています。
京都スタイルの醤油づくり
京町屋は間口が小さく奥に細長いのが特徴です。一歩足を踏み入れると商品が並んでいる店舗。醤油を仕込む大桶も並んでいて、実際の桶を見学することができます。
その奥は仕込み場となっており、昔から使い続けられている木の桶や大きな釜があります。釜は薪を使って大豆をたき、火入れといわれる醤油の香りつけ工程に使われています。木桶も現役で実際に使われており、醤油の諸味が発酵熟成過程をこの中で過ごします。
桶は京町屋の構造にあわせて細長い形になっており、これが京都の伝統的な桶の形となっています。また、醤油の元になる麹(こうじ)を造る「室(むろ)」も、その空間をコンクリートや鉄で覆われている場合が多いのですが、澤井醤油本店の室は木で覆われています。町屋の一室のような構造になっており、この点も京都ならではの特徴を垣間見ることができます。
色々な種類の醤油がありました。迷ってしまったのでお店の人に尋ねると「二年熟成がおすすめ」とのこと。
刺身醤油や淡口醤油もあるけど、日常的に「二年熟成」がよく使われているそうです。(特に焼き餅に二年熟成醤油をかけると格別らしいです)
入口に掲げられた大きな看板には「自慢の風味 もろみ」とあります。
もろみ(醪・諸味とも書く)
酒や醤油、味噌などの醸造工程において複数の原料が発酵してできる柔らかい固形物。
醤油
醤油もろみ(諸味)から液体を絞り出す前の固形物は「醤油の実」と称され、山形・新潟・長野・熊本などでは、そのまま食べたり調味料代わりに使用される。しかし通常は搾ったあとの固形物を醤油粕として処理してしまうため、有効に利用する方法が模索されている。
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
歴史を感じる建物。受け継がれる技術と伝統。そして温かくて優しいお店の人。素敵な京の老舗醤油屋さん、でした。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。