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今週のお題「あんこ」
私はハンバーガーを食べるならフィッシュバーガーをよく選びます。マクドナルドなら「フィレオフィッシュ」ですね。ちなみにフィレオフィッシュの「フィレ」とは骨を外した魚の切り身、という意味なんだそうです。
フィレオフィッシュ(英: Filet-O-Fish)
ファーストフードチェーンのマクドナルドが販売しているハンバーガーメニューの一つ。
商品概要
フィレ「Filet」は骨のない魚の切り身を意味している。
ミートよりもさっぱりした味わいの白身魚。タルタルソースと相まって美味しいですよね。
フィッシュバーガーのフィッシュって何の魚?
ところで白身魚とは言いますが、そんな名前の魚はいないわけで、白身の魚という意味ですよね。じゃあ何の魚なんでしょう?と、調べようかと思ったら、ちょうど同じ話題の記事を見つけましたので紹介します。
元明石市長・泉房穂さんがマクドナルドのフィレオフィッシュの白身魚の正体を知りたがる→ 白身魚の魚種が判明
元明石市長・泉房穂さんは、セブンイレブンのタルタルフィッシュバーガーを食べて思った。「白身魚」といっても色々ある」「魚の種類ぐらいは書いていただきたい」「魚に対しても失礼な気がする」と。コンビニ各社のタルタルフィッシュバーガーの白身魚の魚種が判明
その後の調べにより、コンビニ各社のタルタルフィッシュバーガーの白身魚の魚種が判明した。明確には「セブンイレブン以外判明」というべきか。セブンイレブンの白身魚は問い合わせたものの不明。ファミリーマートはスケソウダラ、ローソンはホキが白身魚として使用されていた。<各社のフイッシュバーガーについて>
- セブンイレブン: 魚種 不明 / 産地 アラスカ
- ファミリーマート: 魚種 スケソウダラ / 産地 不明
- ローソン: 魚種 ホキ / 産地 おそらくオーストラリア・ニュージーランド近海
朝食の時間だ。コンビニの『タルタルフィッシュバーガー』(258円)。『白身魚フライ』との表記に納得がいかない。「白身魚」といっても色々あるだろうし、せめて「魚の種類」ぐらいは書いていただきたいものだ。「白身魚」ってあまりに大雑把過ぎて、その魚に対しても失礼な気がするのだが・・・ pic.twitter.com/efftpO1pyJ
— 泉 房穂(いずみ ふさほ) (@izumi_akashi) 2024年3月7日
マクドナルドの白身魚の魚種は何なのか!?
泉房穂さん、マクドナルドのフィレオフィッシュに使用されている白身魚の魚種も気になるようである。実は、マクドナルドは食材について詳しく消費者に解説しており、食べる人に寄り添った情報公開をしている。マクドナルドはフィレオフィッシュに使用している白身魚に関して、以下のように解説している。<マクドナルドによるフィレオフィッシュの解説>
「アメリカ、ロシアで獲れたスケソウダラだけを使っています。スケソウダラは、冷たい北の海に広く生息していますが、マクドナルドは資源枯渇が起こらないよう、漁業資源の持続可能性に配慮し上記の海で獲れたものだけをつかっています」「原料の鮮度を損なわないよう、スケソウダラの前処理からフィッシュポーション(フィレオフィッシュの白身魚フライのこと)として出荷するまでの各工程で温度管理を徹底しています。魚の白身(フィレ)に残った骨や腹腔膜などは手作業で取り除きます。骨はX線の画像を確認したのちピンセットを使って、人の手で除去しています。これは、魚に触れることで食感やおいしさが失われるのを最小限に抑えながら、骨もしっかり除去できるため、おいしさと安全のための重要な作業です。もちろん、最終製品は金属探知機で安全が確認されなければ出荷できません。前処理やフィッシュポーションの加工をしている工場は、他の原材料工場と同じく、HACCP(ハセップ)による衛生管理が導入されています」
泉房穂さんもスッキリするに違いない
マクドナルドのフィレオフィッシュの白身魚はスケソウダラを使用していることが判明した。魚種も産地もハッキリとわかり、泉房穂さんもスッキリするに違いない。ちなみにバーガーキングのフィッシュバーガーはスケソウダラを使用しており、その産地はロシア・アメリカ・中国で、加工国はタイとなっている。<各社のフイッシュバーガーについて>
- セブンイレブン: 魚種 不明 / 産地 アラスカ
- ファミリーマート: 魚種 スケソウダラ / 産地 不明
- ローソン: 魚種 ホキ / 産地 おそらくオーストラリア・ニュージーランド近海
- マクドナルド: 魚種 スケソウダラ / 産地 アメリカ・ロシア
- バーガーキング: 魚種 スケソウダラ / 産地 アメリカ・ロシア・中国
「白身魚」の正体!
どうやら「白身魚」と言えばスケソウダラのことを指すことが多いようです。
スケトウダラ (介党鱈、鯳、'Gadus chalcogrammus'、英: Alaska pollock)
タラ科に属する魚類。スケソウダラ(介宗鱈・助惣鱈)とも呼ばれる。北太平洋に広く分布するタラの一種で、重要な漁業資源となっている。
スケソウダラは聞いたことがあるとは思いますが、もうひとつの魚「ホキ」とはどんな魚でしょうか?
ホキ(マオリ語:hoki)
オーストラリア南部からニュージーランド近海の水深10 - 1,000メートルに生息するタラ目マクルロヌス科の深海魚。世界規模で利用される食用魚である。
学名のMacruronus novaezelandiaeは「ニュージーランドの大きな尾」を意味する。
かつてはメルルーサ科 (Merlucciidae) に分類されていたが、近年では独立したマクルロヌス科 (Macruronidae) に分類されることが多くなった。
こ、これは、、、見たことないというか、ちょっと変わったカタチの魚ですね。
スケトウダラやホキなどの白身の魚ということは判ってきましたが、何だか釈然としません。魚の名前も知らず、白身だというだけでひとくくりするのって何だか現代に合わない気がしませんか?よく判らない魚を食べるのって抵抗ありますよね(おいしいけど)。
ということで、さらに深掘りをしてみました。すると、しっかり説明しているサイトを見つけることができましたので紹介します↓(ちょっと長いですが大変興味深い内容です)
消費者庁 魚介類の名称ガイドライン改正と、新しい名前の手続き公表
最近、スーパーで「バサ」など馴染みのない魚の名前の表示を見かけます。一瞬「サバ」の誤字かと思いきや、そうではなく白身です。タラのような味がしますがナマズの仲間で、「バンガシウス」としても売られています(写真)。見慣れない魚を目にすることが増えると、きちんと名前が表示されているのか気になります。
生鮮食品に書かれる魚の名称は、2000年にJAS法改正で表示が義務付けられました。しかし、魚の名前はなかなか複雑。地方によって呼び方が違ったり、出世魚のように成長して変わったり、海外の魚は標準和名が付けられていないなど、適切な名称をめぐって問い合わせが急増し、水産庁が2007年、「魚介類の名称のガイドライン」を定めました。
このガイドラインは生鮮魚介類の名称はもちろん、加工食品の原材料名においても一般的な名称を確認する際のより所となっています。現在、このガイドラインは消費者庁が所管しており、消費者庁の食品表示基準Q&Aの中の別添に位置付けられています。
最近、世界的に安定して調達できる魚介類が減少して新規の魚介類を扱うケースが増加していることから、消費者庁は多くの魚種をリストに追加する等、ガイドラインを改正しました。また、今後さらに増えることが予想される新規の魚種についても、事業者が消費者庁に届け出て名前を付けることができる方法も公表されました。ガイドラインの改正内容
「魚介類の名称ガイドライン」は本文と、2つの別表で構成されています。本文は一般ルールとして等の考え方が示されています。魚介類の名称のリストは、国産と輸入に分けられ、「別表1 国産の生鮮魚介類の名称例」「別表2 海外漁場魚介類及び外来種の名称例」に示されています。今回のガイドラインの改正は、本文の抜本的な見直しでなく、急増する新規の魚種に対応するために別表の魚種を追加したものです。あわせて標準和名、標準和名に代わる一般的名称例等も整理しています。改正点は次のとおりです。1. 魚種の追加
別表1:3種(クロシビカマス、メアジ、イヌノシタ)
別表2:39種(クリアノーズスケイト、アメリカウナギ、イラコアナゴ、パンガシウス、ヨーロピアンスプラット、グレーターシルバースメルト、ニジワカサギ、リング、ヒタチダラ、ホワイトヘイク、アメリカンアングラー、ナンヨウキンメ、アラスカキチジ、ナガメヌケ、キタノメヌケ、ゴケメヌケ、アラスカアカゾイ、ヒレグロメヌケ、ニシアカウオ、アルゼンチンオオハタ、ミナミオオスズキ、オオヤセムツ、ニュージーランドマアジ、ミナミマアジ、チリマアジ、ニジイトヨリ、ゴウシュウマダイ、アメギス、ホシギス、モトギス、コガネギス、トランペッターシラーゴ、ミナミクサカリツボダイ、フエフキタカノハダイ、バルコグランダー、ミナミクロメダイ、ヒレナガナメタ、タイセイヨウオヒョウ、ウマガレイ)2. 魚種の削除
生産、流通実態のない「カワスズメ」を削除3. 標準和名及び一般的名称例の整理
別表1:5種(サクラマス、サツキマス、カラフトマス、キンメダイ、アラスカメヌ)
別表2:15種(チャネルキャットフィッシュ、パンガシウス、メルルーサ、シロイトダラ、モトアカウオ、チヒロアカウオ、マジェランアイナメ、ミナミカゴカマス、ミナミオオスミヤキ、ウロコマグロ、ナイルティラピア、ミナミメダイ、シルバー、オキヒラス、グリーンランドアカガレイ等)4.学名の修正
別表1:10種
別表2:3種改正のポイントは、消費者を誤認させないこと
今回の改正の多くは輸入のもの、別表2に関するものです。別表2の項目は、学名(種名)、種・亜種の標準和名、標準和名に代わる一般的名称例、使用できない名称例、備考となっています。冒頭の「バサ」は、タイやベトナムで養殖されているナマズの仲間。「バサ」は現地の英語名であり、国際的にもこの名称で流通しているとのこと。また、「バサ」は、2つの学名があり、「バンガシウス」と併せて一般的名称とされました。どちらかの名称で流通されています。海外の養殖魚で、標準和名は付けられませんでした。また、別表1で国産の魚種も追加されています。別表1は別表2と項目は異なりますが、標準和名を基本としています。たとえば標準和名「イヌノシタ」は、一般的名称例「シタビラメ」として加わりました。標準和名のままだと「犬の舌」と読めてしまい良いイメージではありませんが、今後は「シタビラメ」と堂々と表示できることになります。舌平目のムニエルをつくろうと魚売り場にいくと既にアカシタビラメなどが「シタビラメ」と販売されていますが、そこに加わることになります。
面白いところでは「アカウオ」でしょうか。粕漬などでよく見かけますが、いろいろな魚種にアカウオと表示されているのではないかと思っていましたが、その通り。これはガイドラインでも認めており、外来種の標準和名「モトアカウオ」や「チヒロアカウオ」の一般的名称例とされ、今回はさらに国産魚種の「アラスカメヌケ」の一般的名称例としても「アカウオ」が追加されました。1つの名前が3種類を示すというのもおかしな感じですが、既に一般にその名前で知られ、消費者を誤認させなければ使ってもよい、という考え方です。
一方、消費者を誤認させないように名称を厳しく制限しているものもあります。それが別表2の「使用できない表示例」の項目です。これは、外来種に高級魚種に似た名称をつけて消費者を誤認させることを防ぐためです。今回の改正では一般的名称「メルルーサ」において、使用できない表示例に「タラ」が追加されました。メルルーサはフィッシュフライで認知度が上がりましたが、「タラ」と表示しないようにと明示されたわけです。
改正ガイドラインは案の段階で、6月23日〜7月7日にパブリックコメントが募集されました。寄せられた意見を見ると、たとえば外来種の「オオセキムツ」の一般的名称について、「ニュージーランドムツ」「ミナミムツ」など掲載してほしいといった要望がありましたが、消費者庁は「適当ではない」と回答しています。消費者を誤認させるような名称の追加はしないという、消費者庁の姿勢が見られます。
消費者庁を窓口とした新標準和名の提唱スキームを公表
このように外来種が増える中で改正ガイドラインは対応しましたが、それでも今後増えていく外来種など新品種にどう対応したらよいのでしょうか。それに応える形で今回、新たなルールが定められたのが、「魚介類の名称のガイドラインに係る魚類の新標準和名の提唱手順」です。
魚介類には、ラテン語化した言語で記述される学名があり、図鑑などで用いられる標準和名があります。新たに標準和名を提唱する場合は、学会等に関わる学術著作物などでに申請しますが、事業者が行うのは困難な状況です。そこで、消費者庁を窓口にして日本魚類学会に属する研究者に依頼することにより新たな標準和名を提唱できるスキームが構築され、その手順があわせて公表されました。
申請方法の詳細は「魚介類の名称のガイドラインに係る魚類の新標準和名の提唱手順実施要領」に示されています。消費者庁は窓口にはなるものの、申請者は現地で学名や現地名などを確認して標本などの準備も求められるので、ハードルは高そうです。それでも候補名もあわせて事業者が直接申請できるので、新たな道が拓けたともいえるでしょう。
一方、エビ、カニ、貝類などの見直しは一切行われていません。これらも輸入の新種の名称追加が求められるところですが、今回は魚類に限っての改正だったということです。こちらも整備も待たれるところです。
今回は2007年にガイドラインが公表されて初めての改正です。この間、魚介類の名称で問題となったのは、2013年末のホテルなどメニューの偽装表示問題でした。ブラックタイガーを「クルマエビ」と表示したり、高級な魚介類の名称を偽る場合は景品表示法上問題があるとされ、魚介類の名称ガイドラインに基づいて表示するように示されました。
このようにガイドラインは魚介類の偽装表示につながらないよう、役割を果たしてきました。今後、地球温暖化など環境の変化で魚が獲れなくなり、未利用魚の利用も増える中で、ガイドラインの整備はますます求められることになるでしょう。消費者の誤認を招かないよう適切な名前で堂々と販売され、選択する側も新たな味覚にチャレンジできればと思います。↓図表や画像などをしっかり見たい人は以下の引用元のサイトへ
関連情報
魚介類の名称ガイドライン(PDFファイル)
↑消費者庁のサイトにはさらに事細かな情報があります。
「役魚」として毎月旬を迎える魚介類をこのブログで紹介していますが、その中でも魚は地域、時期などにより本当に多くの「呼び名」があって、混乱します。そんな現状を踏まえ、消費者庁がガイドラインを定めたという感じです、まるで「標準語辞書」的な感じ。正直、助かります。
で「白身魚」とは?
ですが上記の中には「白身魚」という表記については記載がありませんでした。うむむ。これでは解決に至らないぞ!ということでさらに調査、ヒントを見つけました↓
↑右側を拡大したものがこちら↓
「白身魚のフライ」と表記した上で原材料名に「すけそうだら(アメリカ)」と表記するのが正しいとしています。
なるほど!こうすれば何の魚の白身のフライなのかわかりますね。そしてこれがガイドラインとなっています。
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
たとえ、とびっきり美味しい!としても、それが何なのかしっかり知っておくことは大事です。
最近では特に輸入された魚介類も数も量も種類も増えてきています。紹介した記事にもあったように日本ではあまり馴染みのない魚も増えてきています。知らない魚の名前よりも「白身魚」とした方が安心?!するかも知れません。
しかし、食べたもの・飲んだものは、アナタ自身になります。
神経質になる必要はないものの、せめて「何を食べているのか」は知っておくことはとても大切だと私は考えています。なので、成分表示や原材料など小さくてついつい見逃しがちですが、しっかり確認するクセをつけてみましょう。
ちなみに私は魚介類が大好きです。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。