今週のお題「名作」
今週のお題「お弁当」
モロヘイヤって食べたことありますか?
シマツナソ(縞綱麻; 学名: Corchorus olitorius)
アオイ科ツナソ属(コルコスル属)の一年生草本。別名をナガミツナソ、タイワンツナソ、ジュート。 近年は食材(葉菜)としても流通するようになり、モロヘイヤ(アラビア語: ملوخية ; mulūkhīya、「モロヘイヤ」の発音はエジプト方言による)の名でよく知られるところとなっている。リンネの『植物の種』(1753年)で記載された植物の一つである。
モロヘイヤはエジプト後で、本名?!は「シマツナソ」というそうです。
モロヘイヤの栄養
モロヘイヤって栄養がいっぱーい!なんて聞いたことがあると思います。まずはモロヘイヤに含まれている栄養成分を詳しく見ていきます。
モロヘイヤ 茎葉 ゆで 100g当たり
- 水分・・・・・・・・・・91.3 g
- 熱量・・・・・・・・・・24 kcal
- たんぱく質・・・・・・・3 g
- 脂質・・・・・・・・・・0.4 g
- 炭水化物・・・・・・・・4 g
- 食塩相当量・・・・・・・0 g
- 飽和脂肪酸・・・・・・・0.06 g
- n-3系脂肪酸・・・・・・・0 g
- n-6系脂肪酸・・・・・・・0.19 g
- 糖質・・・・・・・・・・0.5 g
- 食物繊維・・・・・・・・3.5 g
- ビタミンA・・・・・・・・550 µg
- ビタミンD・・・・・・・・0 µg
- ビタミンE・・・・・・・・3.4 mg
- ビタミンK・・・・・・・・450 µg
- ビタミンB1・・・・・・・0.06 mg
- ビタミンB2・・・・・・・0.13 mg
- ナイアシン・・・・・・・0.4 mg
- ビタミンB6・・・・・・・0.08 mg
- ビタミンB12・・・・・・0 µg
- 葉酸・・・・・・・・・・67 µg
- パントテン酸・・・・・・0.7 mg
- ビオチン・・・・・・・・データなし
- ビタミンC・・・・・・・11 mg
- ナトリウム・・・・・・・0 mg
- カリウム・・・・・・・・160 mg
- カルシウム・・・・・・・170 mg
- マグネシウム・・・・・・26 mg
- リン・・・・・・・・・・53 mg
- 鉄・・・・・・・・・・・0.6 mg
- 亜鉛・・・・・・・・・・0.4 mg
- 銅・・・・・・・・・・・0.2 mg
- マンガン・・・・・・・・1.02 mg
- ヨウ素・・・・・・・・・データなし
- セレン・・・・・・・・・データなし
- クロム・・・・・・・・・データなし
- モリブデン・・・・・・・データなし
- 灰分・・・・・・・・・・1.2 g
<βーカロテン>皮膚・粘膜の健康に不可欠!
βーカロテンとは体内でビタミンAに変換される栄養素で、皮膚や粘膜の健康を保つ働きをもっています。その他に、細胞を傷つける原因のひとつである活性酸素を防ぐ抗酸化作用もあるため、若々しい肌を保つためにも重要な栄養素でもあります。βーカロテンが豊富なことで知られているにんじんよりも、モロヘイヤのほうが圧倒的にβーカロテンを多く含んでいます。その他の野菜と比較してもモロヘイヤのβーカロテン量はトップクラスです<ビタミンC>美肌を作る
β―カロテンと同じように強い抗酸化作用をもつビタミンCは、美肌を保つのに欠かせないコラーゲンの生成にも必要な栄養素です。その他にも、植物性の鉄分の吸収を助け、免疫機能が適切に働くようにサポートしてくれます。ビタミンCも他の緑黄色野菜よりはるかに多く含まれています。効率よくビタミンCを摂りたい場合にも、モロヘイヤはおすすめの食材です。<ビタミンE>老化防止・血管の健康を保つ
ビタミンEも強い抗酸化作用をもっており、細胞の酸化(老化)を防いでくれます。加えて、血管を拡張することで血液の凝固を防いだり、赤血球の破壊を防ぐ役割もあります。モロヘイヤのビタミンE量は他の緑黄色野菜の3倍以上含まれています。モロヘイヤは特にアンチエイジングや血管の健康を保ちたい方に、おすすめの食材です。<葉酸>発育や細胞の産生・再生を助ける
葉酸には赤血球を産生したり、発育に重要なDNA・RNAの産生を助ける働きがあります。特に妊娠する前の女性や妊婦さんには、積極的に摂取をすることが推奨されています。適切に摂取することで、胎児の先天異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らせることが分かっています。葉酸を多く含むことで知られているほうれん草よりも、実はモロヘイヤのほうが葉酸を多く含んでいます。モロヘイヤは加熱すると量も減り簡単に葉酸の補給ができるため、食欲がないときにもおすすめです。<食物繊維>便秘を改善する
ペクチンやマンナンなどの水溶性食物繊維が豊富に含まれているモロヘイヤは、便をやわらかくし、便通をよくする働きがあります。加えて腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善するため、便秘が気になる方にはおすすめの食材です。ネバネバ野菜で知られているオクラと同じくらいの量の水溶性食物繊維を摂ることができます。ネバネバ同士性も良いため、一緒に調理して食べるのもおすすめです。
確かにカラダが喜ぶ栄養素がいろいろとモロヘイヤには含まれているようです。
農林水産省がモロヘイヤについて警告
そんなモロヘイヤですが、農林水産省が警告を出しています。どうしたのでしょうか?
農林水産省「絶対に食べないで」 注意喚起に「知らなかった」「広まるべき」
食事は、生きるために必要不可欠。私たち人間は、さまざまな食材の命から栄養をもらうことで、元気に生活することができてるのです。しかし、適切な扱い方を知っておかなければ、時には逆効果になることも。食事によって体調を壊すだけでなく、最悪の場合は命に関わってしまいます。
農林水産省が『モロヘイヤの毒性』に注意喚起
食材に関するさまざまな情報を発信している、農林水産省。ウェブサイトでは、消費者から寄せられた『よくある質問』に返答をしています。消費者からの質問の中には、モロヘイヤに対する、このような声もあるのだとか。
「モロヘイヤには毒があると聞いたけれど、本当?」
モロヘイヤは栽培が簡単なことに加えて、栄養価が高いことから、日本でも親しまれている食材です。旬は夏とされていますが、ゆでたり炒めたりと、さまざまな調理方法がある点から、通年消費されています。また、離乳食に使用されることも少なくありません。モロヘイヤの毒性について、農林水産省はこのように解説し、注意を呼びかけました。モロヘイヤの種には強心配糖体(強心作用のある成分)が含まれていて、めまいや嘔吐などの中毒を起こしますので、絶対に食べてはいけません。
長崎県で、実のついたモロヘイヤを食べた牛が死亡するという事例が報告されています。
モロヘイヤの強心配糖体は、成熟した種子に最も多く含まれる他、成熟中の種子、成熟した種子の莢(さや)、発芽からしばらくまでの若葉などにも含まれます。
ただ、収穫期の葉には含まれず、野菜としてのモロヘイヤ、モロヘイヤ健康食品、モロヘイヤ茶などからも検出されないことが報告されています。
家庭菜園などでモロヘイヤを栽培して食べる場合は、収穫時期に十分留意し、種子や莢が混入しないよう注意が必要です。
農林水産省 ーより引用
1980年代に日本で導入されたモロヘイヤは、比較的歴史の浅い野菜といえます。モロヘイヤの毒性が発覚したのは、1996年。モロヘイヤの実が付いた枝を食べた、3頭の牛が命を落としたことで、種子に強い毒成分が含まれていることが判明したのだとか。スーパーマーケットなどで流通しているモロヘイヤは、適切な収穫時期の若葉であるため、健康被害が生じることはないとされています。しかし前述したように、モロヘイヤは比較的栽培が簡単な野菜。家庭菜園で育てる人も少なくないため、正しい知識を持たずに栽培してしまうと、毒性のある種子や莢が混入してしまう可能性があるのです。
農林水産省や食品安全委員会は、「市販のモロヘイヤでも、もし莢が紛れていたら食べないで」と警告。しかし、その毒性は意外と知られていないようで、過去に莢の混じった市販のモロヘイヤが発見された際は、SNSで「知らなかった」「もっと広まるべき」といった声が上がっていました。栄養価の高さから、健康食品として知られるモロヘイヤ。ほかの食材と同様に、扱い方を間違えると時には毒にもなり得ます。栽培したり、調理をしたりする際は、人の体内に直接入るものと理解した上で扱いたいですね。
以下、参照情報。
▼食品安全委員会ホームページ「モロヘイヤについて」(外部リンク)
モロヘイヤの莢(さや)
モロヘイヤの莢の画像を探してみました↓
モロヘイヤの毒性
種子に強心作用のあるステロイド類のストロファンチジンやオリトリシドという強心配糖体、さらにサポニンを含むことが知られており、種子を摂食したウシやブタの死亡例が日本及びオーストラリアで報告されているが、これまでヒトにおける死亡事例の報告はない。この強心配糖体は収穫期の葉、茎、根の各部位と未熟種子には含まれず[7]、また野菜として流通するモロヘイヤ、モロヘイヤ健康食品、モロヘイヤ茶などからも検出されなかったことから、通常の流通品については安全であることが確認されている。この強心配糖体は成熟中のかたい種子、成熟種子のさや、発芽からしばらくまでの若葉にも含まれるため、家庭菜園などで栽培する場合は注意が必要である。また、子供が種子を誤飲することもありうるため管理に気をつけるよう厚生省が注意喚起している。
農林水産省が紹介するモロヘイヤを使ったレシピ
今回農林水産省が警告したのは「モロヘイヤには毒になる部分があるので注意してください」ということで、栄養があってカラダによい食べものとして数々のモロヘイヤレシピを公開しています↓
★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★
モロヘイヤの薬理作用
ACE阻害活性のある物質を含有しているため、高血圧の抑制に効果があるとする研究がある。
どうやらモロヘイヤの青汁もあるようです↓
気を付ける部分をしっかり守れば、モロヘイヤは栄養がいっぱい詰まった野菜。莢(さや)を扱うのは家庭菜園など自分で調理する時。↑このレシピも自身でモロヘイヤを扱うので、注意しましょう。
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。