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2428食目「スタチン発見者 遠藤章氏永眠」血中コレステロールを下げる薬

今週のお題「私の〇〇ランキング」

「スタチン発見者 遠藤章氏永眠」血中コレステロールを下げる薬【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門二田哲博クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

先日悲報がありました。

血中コレステロールを下げるスタチンを発見した遠藤章氏が永眠されました。

遠藤 章(えんどう あきら、1933年11月14日 - 2024年6月5日)

日本の農芸化学者(応用微生物学)。勲等は瑞宝重光章。学位は農学博士(東北大学・1966年)。株式会社バイオファーム研究所代表取締役所長、東京農工大学名誉教授・特別栄誉教授、文化功労者。

三共株式会社田無工場研究員、三共株式会社中央研究所副主任研究員、三共株式会社発酵研究所研究第三室室長、東京農工大学農学部教授、東北大学農学部特任教授、早稲田大学特命教授などを歴任した。

遠藤章 (農芸化学者) - Wikipedia

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遠藤章さん死去 90歳 血中コレステロール下げるスタチンを発見

血液中のコレステロールを下げる物質「スタチン」を発見し、一時は「世界で最も売れた薬」ともいわれた動脈硬化の薬の開発につなげた東京農工大学 特別栄誉教授の遠藤章さんが今月5日に亡くなりました。90歳でした。

遠藤さんは1933年に秋田県に生まれ、東北大学農学部を卒業した後、製薬会社勤務を経て、東京農工大学農学部の教授などを務めました。

製薬会社に在籍していた1970年代初めごろから動脈硬化の原因となる血液中のコレステロールを下げる薬の開発に取り組み、1973年に青カビが作り出す「スタチン」という物質が体内でコレステロールが合成されるのを抑え、血液中の値を大きく下げることを発見しました。

発見から14年後の1987年にはアメリカで動脈硬化の薬として発売。さらに1989年には日本でも発売され、一時は「世界で最も売れた薬」と言われるまでになりました。

遠藤さんはスタチンの発見などに関する業績が評価され、2008年にアメリカの権威ある医学賞「ラスカー賞」を、2017年にはカナダの国際的な賞「ガードナー国際賞」を受賞するなど、国際的にも高く評価されたほか2011年には文化功労者に選ばれています。

関係者によりますと、遠藤さんは今月5日に都内の介護施設で90歳で亡くなったということです。
「遠藤章博士顕彰会」会長 “子どもたちへの教育にも熱心な方”
遠藤さんが亡くなったことについて、遠藤さんの出身地、秋田県由利本荘市に建てられた顕彰碑の管理などを行っている「遠藤章博士顕彰会」の佐々田亨三会長は「新型コロナの影響もあり、3年前に建てられた顕彰碑を直接見ることなく亡くなってしまったことは非常に残念です。『努力は報われる』という信念を持って挑戦を続けるとともに、みずから学校に出向いて授業を行うなど、子どもたちへの教育にも熱心に取り組まれた方でした」と話していました。

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スタチンとは

スタチン (statin)、またはHMG-CoA還元酵素阻害薬

HMG-CoA還元酵素の働きを阻害することによって、血液中のコレステロール値を低下させる薬物の総称である。

1973年に日本の遠藤章らによって最初のスタチンであるメバスタチンが発見されて以来、様々な種類のスタチンが開発され、高コレステロール血症の治療薬として世界各国で使用されている。近年の大規模臨床試験により、スタチンは高脂血症患者での心筋梗塞や脳血管障害の発症リスクを低下させる効果があることが明らかにされている。

スタチン - Wikipedia

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スタチンの効能

 

クスリの大図鑑 強力スタチンで劇的改善 女性へは使われすぎ? | 健康 | 東洋経済オンライン

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スタチンは、コレステロール合成に必要なHMG-CoA還元酵素のはたらきをブロックし、肝臓のコレステロールを減らします。 すると、血液を介して全身へ運ばれるLDLコレステロールが代わりに使われていくので、血液中のLDLコレステロールが減少し、動脈硬化の予防につながります。

【薬剤師が解説】スタチンの作用の仕組みは?似ている市販薬も紹介 – EPARKくすりの窓口コラム|ヘルスケア情報

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スタチン発見について

スタチン発見の経緯についてこんな話が書かれていました。

農芸化学者として
1966年から1968年、アルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク)に留学。コレステロールが米国で年間数10万人が死亡する心筋梗塞の主要な原因であることを知る。帰国後、有効なコレステロール低下剤の開発を目指して、2年間に6000株の菌類を調べ、1973年に京都市内の米穀店で採取された青カビ(ペニシリウム・シトリヌム)の培養液からコレステロール合成阻害剤 ML-236B(コンパクチン)を発見。予想に反してコンパクチンがラットのコレステロールを下げないために、1974年初めに開発が中止される。同じ頃、イギリスの研究者もコンパクチンを発見したが、ラットに無効なことを理由に開発を中止。その後遠藤はラットに効かない原因を突き止め、1976年4-7月、同僚の獣医師と共に、コンパクチンが産卵鶏とイヌのコレステロールを劇的に下げることを示す。しかしながら、翌年の1977年春には、ラットに肝毒性があるとして、再度開発中止の危機に直面した

それでも「コンパクチンが安全で有効な薬になる」と信じていた遠藤は、大阪大学医学部の山本章医師と協力して、1978年2月、コンパクチンによる重症患者の治療に踏み切る。同年夏までに最重症の家族性高コレステロール血症ホモ接合体を除く重症患者8名で安全性と劇的なコレステロール低下作用を認め、コンパクチンの再復活を果たす。ところが1980年夏には発ガン性があるとする誤判断で開発を完全に中止。一方、三共に追随してスタチン2号となるロバスタチンを発見した米国のメルク社は、膨大な毒性試験で発ガン性がないことを証明し、三共を追い越して1987年にメバコーン®発売に漕ぎ着ける。その後、三共のプラバスタチン(商品名:メバロチン®)など6種のスタチンが商業化される。これらスタチンは心筋梗塞と脳卒中の予防のために、世界で毎日約4000万人に投与され、ペニシリンと並ぶ奇跡の薬と呼ばれる。2005年にはスタチンの年間総売上が270億ドル(3兆円)に達する。なかでも、ファイザーのアトルバスタチン(商品名:リピトール®)は世界の医薬品売り上げの1位を占めるブロックバスターとなっている。

遠藤のこれらの研究は、1985年にノーベル生理学・医学賞を受賞した米国のマイケル・ブラウン、ジョーゼフ・ゴールドスタインによるコレステロール代謝の研究にも大きく貢献した。ブラウンとゴールドスタインは遠藤の日本国際賞受賞に際してお祝いのビデオメッセージを寄せている。2012年3月1日、全米発明家殿堂(英語: National Inventors Hall of Fame)は、遠藤が日本人初の「発明家の殿堂」入りすると発表した。

遠藤章 (農芸化学者) - Wikipedia

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★Grrrrrrrrrr!(グォーーー)ポイント★

何度も何度も大きな壁にぶつかりながらも、自身の考えを信じて信じ続けた結果、スタチンという薬がこの世に生まれたんですね。多くの人がスタチンの力を借りて、健康を保つことができています。むしろ、糖尿病専門クリニックである二田哲博クリニックではスタチンはある意味「ありふれた薬」にまでなっています。

遠藤章先生へ 深い感謝を、そして心よりご冥福を祈っています。

ー 適 材 適 食 てきざいてきしょく

小園 亜由美 (こぞのあゆみ)
管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・病態栄養専門管理栄養士・日本化粧品検定1級

【適材適食】小園亜由美(管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ)糖尿病専門・甲状腺専門クリニック勤務@福岡姪浜・福岡天神

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*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。