毎月季節の野菜を紹介するシリーズ★ その名も「旬の役菜」。
私は健康なカラダづくりに役立つ野菜を【役菜やくさい】と呼んでいます。季節ごとに旬を迎える野菜たちが持つ特徴的な栄養や成分を充分に引きだして美味しく楽しく頂きましょう。5月の役菜はピーマンです。
ピーマンとパプリカって同じ?
どちらもナス科トウガラシ属なので同じ仲間です。オランダ語でパプリカはピーマンを意味するそうです。大きさや厚みに差があるのは品種が違っているから。中南米原産のピーマンがヨーロッパに渡ってパプリカになった、そうです。ピーマンは緑色、パプリカは黄色や赤色をイメージすると思いますが、ピーマンも熟すとトウガラシのような「赤色」に変わります。
緑ピーマンは未熟!?
ではなぜ未熟な緑ピーマンを食べるのでしょう。熟した赤ピーマンは ①日持ちしない ②緑の倍以上収穫までに時間がかかる ので値段が上がるためです。でも熟した赤ピーマンは緑ピーマンに比べてβカロテンが約2.4倍、ビタミンCが約2.2倍、ビタミンEが約5.4倍も含まれているのです。
ピーマンの主な「役菜」栄養成分
ビタミンC 抗酸化作用、風邪予防、美肌効果
β―カロテン 抗酸化作用、免疫力強化
クエルシトリン 高血圧抑制作用、抗うつ作用
ビタミンC(抗酸化作用、風邪予防、美肌効果)
風邪の予防、疲労回復、肌荒れによいとされるビタミンCを緑ピーマンは100g中76mg含んでいてこれはトマトの5倍に当たります。実はピーマンは色が変わるとビタミンCの量も変わります。黄ピーマンなら150mg、赤ピーマンなら170mgと緑ピーマンの2倍以上!ビタミンCを摂るならピーマンです。
β―カロテン(抗酸化作用、免疫力強化)
粘膜の維持、呼吸器系を守り、免疫力を高めがんの発生を防ぐとされるβ―カロテンも緑ピーマンは100g中400mg含んでいます。黄ピーマンは160㎎、赤ピーマンは940㎎も含んでいると言われています。
クエルシトリン(高血圧抑制作用、抗うつ作用)
ピーマンの独特な苦味が嫌!という人も多いと思いますが、あの苦味は2012年に解明されたばかりのフラボノイドの一種「クエルシトリン」で高血圧を抑え、抗うつ作用があるとされる有効成分です。
油で炒めるとビタミンCが増える!?
緑ピーマン(100g)は生のままだとビタミンC=76mgなのですが、油で炒めると79mgにアップします!熱に弱いビタミンCですがピーマンにはビタミンCを壊れにくくする作用を持ったポリフェノールの一種「ヘスペリジン」が含まれているので油を使った加熱調理に向いています。ビタミンPとも呼ばれるヘスペリジンはコレステロールや血圧を低下させ、骨密度の低下を抑える作用があります。
ピーマンの使い方。
熱に強いのがピーマンは加熱調理がオススメ。栄養価も高まります。何より鮮やかな色が変わらないので料理が華やかになります。
よいピーマンの選び方。
①ムラがなく濃い色で
②乾燥してなくみずみずしく
③ハリとツヤのあるもの
④ヘタが六角形以上のもの
を選ぶようにしましょう。特にヘタの部分は傷みやすいので要チェックです。
ピーマンの保存方法。
ピーマンは1個でも傷むと全部が傷んでしまいますので、まとめて保存する時はキズのある部分は捨てましょう。ポリ袋に入れて野菜室に入れましょう。使いかけのものはヘタと中の種を取りラップに包んで冷蔵庫へ。3日程度で使い切りましょう。
オリジナルレシピ
タマネギは刻むと涙が出て、生で食べると刺激を感じるイメージがありますが、新タマネギは刺激もなくあっても僅かで、甘みが強いのが特徴。今回は新しいアイディアとしての新タマネギの楽しみ方を2つ紹介します。どれもとても簡単ですぐに作れます。
エリンギとチーズのピーマンカップ焼き
特徴的な形をカップに見立てて、最も栄養が豊富なワタと種も丸ごといただきます。エリンギとチーズをトッピングして焼き上げました。芳ばしいチーズとやわらかなエリンギとピーマンがおでかけのお供にぴったり!
1食分あたり
エネルギー 61kcal
たんぱく質 3.1g
脂質 4.2g
炭水化物 4.4g
食物繊維 1.9g
食塩 0.4g
材料(2人分)
- ピーマン・・・・・・・・・2個
- エリンギ・・・・・・・・・2本
- オリーブオイル・・・・・・小さじ1
- 醤油・・・・・・・・・・・2g
- とろけるチーズ・・・・・・1枚
- パン粉・・・・・・・・・・少々
作り方(調理時間:10分)
- エリンギを5mm程度のサイコロ状に切る。
- フライパンにオリーブオイルを入れ、エリンギを炒める。醤油で味付けする。
- ピーマンを縦半分に切り、ヘタを外す。(ワタと種はつけたまま)
- ピーマンカップに炒めたエリンギを入れ、上にとろけるチーズをのせる。最後にパン粉を少量かけてオーブントースターまたはグリルの弱火で5分焼くと完成。
カラフルチンジャオ(青椒)炒め
ピーマンは繊維に沿って縦切りにすると栄養を逃さないのでオススメ。しかもシャキシャキした食感が楽しめます。中国語でピーマンはチンジャオ。見た目も華やかで簡単にできるので定番メニュー最有力候補の一品です。
1食分あたり
エネルギー 68kcal
たんぱく質 6.9g
脂質 2.5g
炭水化物 5.3g
食物繊維 1.5g
食塩 0.8g
材料(2人分)
- 緑ピーマン・・・・・・・・2個
- 赤ピーマン・・・・・・・・1個
- 黄ピーマン・・・・・・・・1個
- ツナ(水煮)・・・・・・・1缶
- ごま油・・・・・・・・・・小さじ1
- 鶏ガラスープの素・・・・・小さじ1
- ブラックペッパー・・・・・少々
作り方(調理時間:10分)
- ピーマンを縦に細切りにする。ツナは汁気をきる。
- フライパンにごま油を入れ、ピーマン、ツナ缶を加え炒める。
- 鶏がらスープの素を加えて混ぜ合わせ、ブラックペッパーで味を調えれば完成。
★ちゅー!ポイント★
いかがでしたか?ピーマン。苦手という人も結構いるようですが、栄養価も高く、何より色が鮮やかで食卓を華やかにしてくれます。ここでアドバイス!苦手な野菜は旬の時にチャレンジするといいですよ。旬の時が1番美味しいので意外とあっさり苦手克服できるかも知れませんよ?超オススメです!
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。