少し前にインポッシブルミートの話をしました↓
牛・豚・鶏など動物の肉ではない、植物性の材料を人工的に加工して作る肉のお話でした。今回は「タマゴ」、人工的に植物から作ったニワトリが産まない「タマゴ」の話です。ともかくまずは以下の記事をみてください↓
植物性材料のみで作ったマヨネーズやランチドレッシングを販売するイート・ジャスト(Eat JUST)は1月、同社の代替卵商品「ジャストエッグ(JUST Egg)」の新たなバージョンを発売すると発表した。
事前調理され、折り曲げられた完全植物性の“スクランブルエッグ”が4パックついた同商品は、冷凍食品コーナーで4.99ドル(約550円)で販売される。同社によると、この新商品がホールフーズやその他の選ばれた食料品店で店頭に並ぶのは4月初めだ。
この植物性代替卵商品は1パックにつき、タンパク質が7g、脂質が7g(飽和脂肪が0.5g)だ。100キロカロリーで、コレステロールはない。通常の卵1つは通常約80キロカロリーで、タンパク質は7g、脂質は5g(飽和脂肪は1.5g)、コレステロールは186mgだ。これは、1日のコレステロール推奨摂取量の62%に当たる。同商品はリョクトウを基盤とし、フライパンやオーブン、トースターで調理できる。
新たな冷凍ジャストエッグの包装は、現在おなじみとなった同社のラベル戦略に沿ったものだ。最も目立つよう表示されているのがブランド名のジャスト(JUST)と、模倣している動物性タンパク質の名前(この場合はEgg/卵)だ。パッケージ上部には、それよりも小さいサイズだが太文字で「Made from plants(植物性)」と記載され、その後にはイタリック体で「not chickens(鶏からではありません)」と続く。
同社は、植物性の液状代替卵商品でも、今年5月に新バージョンを発売すると発表し、これが「多くの鶏卵と比べてよりクリーン、クリーミーで卵らしい」ものになると約束している。5月発売時の価格は、当初の7.99ドルよりも3ドル安い、4.99ドルになる予定だ。
(記事の続きは以下のサイトへ)
どうやら植物性のタマゴというのは、白い殻があって割ると透明の白身とオレンジ色の黄身が出てくる、といったものではなくて「まるでタマゴのような素材」のようです。本文中にもあるように日本ではまだ流通していないようですね。いったいどんな味なのでしょう。海外で実際に食べた人の感想を見つけました。彼女はヴィーガンエッグと呼んでいるようです。彼女の感想だけ拾ってみると↓
- 早速ヴィーガンエッグを入手。初めは疑いの目を向けていました。だってサイトに載っていた写真があまりに"本物の卵"っぽいから…。
- Just eggというこのヴィーガンエッグは加熱すると糊化する緑豆(リョクトウ)からできています。他には、着色のためにターメリックが使われています。
- でも何より重要なのは…どうやって調理するの?どんな味するの?
- パッケージの説明では、普通のスクランブルエッグを作る通りにやれば良いみたい。私はいつも通り、オリーブオイルと塩、こしょうを取り出しました。
- 3分後、いつものスクランブルエッグとなんら変わりないものが完成しました。色も質感もおんなじ。
- 食感は普通のスクランブルエッグに近いけれど、軽くてふわふわのものと比べると、ちょっと固い印象でした。
(画像・動画あり↓)
どうやらその商品はJust eggジャストエッグといい、緑豆りょくとうから出来ているようです。 で、こちらがその商品です↓
このJUST Eggを使った実際の料理がこちら↓
見た目は、もうタマゴ料理そのもの、って感じですよね!不思議なレベル! 材料とされている緑豆って何でしょう。
リョクトウ(緑豆)
マメ亜科の一年生植物、ヤエナリ(八重生、学名:Vigna radiata)の種子のこと。食品および食品原料として利用される。別名は青小豆(あおあずき)、八重生(やえなり)、文豆(ぶんどう)。英名から「ムング豆」とも呼ばれる。アズキ (V. angularis) とは同属。 グリーンピースは別属別種のエンドウの種子。
緑がかった感じの豆のようですね。
説明にもあるようにアズキと近い種類の豆のようですね。
ほかにも代替タマゴ「JUST Egg」の記事はたくさん見つけることができます↓
2019年に入ってから、大手ファストフードチェーンが次々にフェイクミートを使った商品を展開し、その存在は当たり前となった。そして、今アメリカでもっとも注目されている動物性不使用製品が「フェイクエッグ」だ。
その代表格ともいえるのが「JUST Egg」。緑豆がベースとなっていて、ターメリックで黄色に色付けされている。調理後の様子は普通のオムレツやスクランブルエッグと変わらない。とはいえ、味が気になるところだが……。
「JUST Egg」はボトルで販売されているので、料理をするときに量を調節するのが簡単なのは卵にはない特徴かもしれない。動物性食品と比べて、製造過程で使用する水が98%少なく、二酸化炭素の排出量が93%も抑えられるのも特筆すべき点だ。
サステイナビリティを重視するようになり、代替肉が市民権を得たアメリカで「JUST Egg」、ひいてはフェイクエッグが注目されるのは納得がいく。
代替タマゴと呼んでいるだけあって、タマゴではなく、こちらの製品の場合、緑豆=植物でした。でも、調理したものを観たり、実際に食べた感想なんかを訊いてみると、それほど大きな違和感はないようです。
では、栄養素的にみるとどうでしょう。まずはタマゴから。主な栄養成分を観てみると、
鶏卵(けいらん)
ニワトリ(鶏)の卵である。世界の多くの地域で加熱調理して食用とされ、日本などでは生食もされる。殻(卵殻)を割った中身は黄身(卵黄)と白身(卵白)に分かれている。鶏卵(けいらん)は、ニワトリ(鶏)の卵である。世界の多くの地域で加熱調理して食用とされ、日本などでは生食もされる。殻(卵殻)を割った中身は黄身(卵黄)と白身(卵白)に分かれている。
100 g あたり
カロリー・・・・・・・・・・・・151 kcal
脂質・・・・・・・・・・・・・・10 g
飽和脂肪酸・・・・・・・・・・・2.8 g
多価不飽和脂肪酸・・・・・・・1.7 g
一価不飽和脂肪酸・・・・・・・3.7 g
コレステロール・・・・・・・・・420 mg
ナトリウム・・・・・・・・・・・140 mg
カリウム・・・・・・・・・・・・130 mg
炭水化物・・・・・・・・・・・・0.3 g
水溶性食物繊維・・・・・・・・0 g
不溶性食物繊維・・・・・・・・0 g
タンパク質・・・・・・・・・・・12 g
ビタミンC・・・・・・・・・・・0 mg
カルシウム・・・・・・・・・・・51 mg
鉄 ・・・・・・・・・・・・・・・1.8 mg
ビタミンD・・・・・・・・・・・1.8 µg
ビタミンB6・・・・・・・・・・・0.1 mg
コバラミン・・・・・・・・・・・0.9 µg
マグネシウム・・・・・・・・・・11 mg
では代替タマゴの原料リョクトウの主な栄養成分を並べてみると、
リョクトウ(緑豆)
100 g あたり
カロリー・・・・・・・・・・・・354 kcal
脂肪・・・・・・・・・・・・・・1.5 g
飽和脂肪酸・・・・・・・・・・・0.34 g
多価不飽和脂肪酸・・・・・・・0.04 g
一価不飽和脂肪酸・・・・・・・0.61 g
カリウム・・・・・・・・・・・・1300 mg
炭水化物・・・・・・・・・・・・59.1 g
水溶性食物繊維・・・・・・・・0.6 g
不溶性食物繊維・・・・・・・・14.0 g
タンパク質・・・・・・・・・・・25.1 g
ビタミンC・・・・・・・・・・・0 mg
カルシウム・・・・・・・・・・・100 mg
鉄 ・・・・・・・・・・・・・・・5.9 mg
ビタミンB6・・・・・・・・・・・0.52 mg
マグネシウム・・・・・・・・・・150 mg
こうして並べてみるとハッキリ「別物」だということが判りますね。どちらがよくて優れている、というのではなく、タマゴにはタマゴのリョクトウにはリョクトウの良さがあり、欠点もあります。
ではタマゴを代替にするメリットとは何になるのでしょうか。
代用卵(だいようたまご、英:Egg Substitutes)
鶏卵の代用品として販売されている卵液状態の食品である。
元々は卵が高価な食品だった時代に安い代用食品として誕生したものだったが、卵が低価格化した現在でも卵に対してアレルギーを持つ人間やベジタリアンなどには需要がある。
カロリーとコレステロールを控える意味で卵の白身のみに脱脂粉乳と黄色色素を加えた物と、完全な植物性の原料としてトウモロコシ澱粉とジャガイモ澱粉などにゼラチンやアルギン酸ナトリウムを添加した製品がある。
完全な植物性の物はアメリカなどでベジタリアン向けの食品として売られている。一般的な流通形態としては紙パックなどの容器に溶き卵のような状態で封入されて販売されている。(欧米では殻を除いた鶏卵が紙パックに入れられ売られているが、日本では業務用に限られる。)
そして主な用途として
- 卵に対してアレルギーを持つ人が食べる。
- 糖尿病や肥満などの理由でカロリーを控えた食事をする必要のある人が食べる。
- ベジタリアンなどの思想的、宗教的理由により卵を食べることが出来ない人が食べる。
としています。また別の記事では、
「JUST Egg」はボトルで販売されているので、料理をするときに量を調節するのが簡単なのは卵にはない特徴かもしれない。動物性食品と比べて、製造過程で使用する水が98%少なく、二酸化炭素の排出量が93%も抑えられるのも特筆すべき点だ。
サステイナビリティを重視するようになり、代替肉が市民権を得たアメリカで「JUST Egg」、ひいてはフェイクエッグが注目されるのは納得がいく。
と地球にもやさしいということも挙げられていました。
そして最近日本で大きなニュースとなった↓
猛威を振るう鳥インフルエンザ : 今季の殺処分は過去最多711万羽
新型コロナウイルスの感染拡大で、世界中のほとんどの国で海外渡航の制限や海外から入国について検疫強化、入国制限を実施している。ウイルスの拡大防止には移動の制限は基本中の基本だ。しかし、渡り鳥には検疫も水際対策も通用しない。海外で流行した鳥インフルエンザのウイルスが渡り鳥によって持ち込まれ、猛威を振るっている。
鳥インフルエンザの心配もなく安定した供給が期待できるのも代替タマゴの特筆すべき点かも知れません。
★モゥー!ポイント★
代替タマゴという名前から「タマゴの代わり」というイメージになりがちですが、どちらかと言うと「タマゴ風味の別物」と捉えた方がいいのかも知れません。前にも言いましたが、タマゴはタマゴの、リョクトウはリョクトウの良さがあり悪い点もあるので、賢く取り入れて行きたいですね!鶏だけに(苦)。
でも、とても興味があるので一度食べてみたいデス★
ー 適 材 適 食 ーてきざいてきしょく
小園 亜由美 (こぞのあゆみ)管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士・日本化粧品検定1級
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。