2019年11月18日月曜日、鹿児島で行われた『さつき会学術講演会』で講演させて頂きました。
私は
適材適食〜こんな時どうする?〜
と題して、食事療法に取り組んでいるがなかなか結果がでない患者さんにどうするのか、と言った実際の食事カウンセリングに於ける出来事をテーマに講演させて頂きました。
姪浜院長 下野は、
糖尿病治療における薬剤選択と運動指導のポイント
をテーマに講演させて頂きました。
質疑応答の内容を記します。
ーーー栄養指導における「魔法の言葉」は?
決まった魔法の言葉があるのではなく、その人にとって魔法の言葉を見つけることが食事カウンセリングだと考えています。
同じ言葉でも、相手によって与える影響、受ける印象、重みなど大きく変わってきます。今、病態や体調、環境などその人が今どのような状態なのかを可能な限り正確に把握することが大切です。それは、同一人物に同じ言葉をかけても、全く違う反応になることを意味しています。だからこそ、現状を把握し理解することがとても重要だと私は考えています。私の作成した食事バランスシートに大きく見出しとなっている言葉『食べてはいけないものはありません』を例に挙げます。
「糖尿病になってしまったので何も食べられない」と考えている人にとっては、まさに魔法の言葉に聞こえるはずです。もちろん、好きに食べてよいということではないということを条件にしたとしても、すんなり受け入れられるはずです。
「食事に気をつけるつもりのない」と考える人にとっては、魔法の言葉ではなく都合のよい言葉に聞こえてしまうはずです。管理栄養士からお墨付きをもらった!として逆効果になるだけでなく、その後の指導が上手く行かなくなってしまう可能性が大きくなります。
その人がどのような状態にあるのかを理解する、すると自然と有効な言葉は見えてくるはずだと考えています。
ーーー食事・運動カレンダーの目標欄が2つである理由は?
経験上、生活習慣を変えようとする時、守れる=実際に行動することができる範囲は、多くて2つ程度ではないかと感じています。もちろん多くの目標を立て、できるのならいいのですが、できるだけでなくそれを続け、習慣化していくことに重点を置く場合、しっかり丁寧にひとつひとつをクリアしていく事が大事ではないかと私は捉えています。中には多くの目標を立てたがる患者さんもいます。そんな時は『来月にしましょう。まず目の前の目標をクリアし、それからでも遅くないですよ』そんな風に声をかけるようにしています。
また2つにした狙いとして、ひとつは食事、ひとつは運動に関する目標を設定するためでもあります。もちろん、状況によってどちらも食事、どちらも運動でも構いません、が、得意なものばかりに偏ってしまうのは問題なので、そこをコントロールすることも忘れないようにしています。
何よりも患者さん自身が「自分で決めた目標」を口頭ではなく文字として表記し残すことが大事です。そして目標を立てたことが様様なカウンセリングへ繋げてくれるはずです。
さつき会。伺ってびっくりしたのですが、参加者は女性だけ。女性限定らしいのです。演者として姪浜院長 下野やスタッフに若干男性がいましたが、本会に参加できるのは女性だけなんだそうです。めずらしいですよね!そこで主催の加治屋 昌子 先生にお訊ねしたところ、
女性だけに限定すれば、気兼ねなく話ができるし、自由に意見を交わすことができると思って。
とのことでした。実際にとてもフランクな感じで、今まで参加させて頂いた講演会の中でも、指折りの居心地の良さを私は感じました。ドクターとコメディカルとの距離感がとても心地よくて「何でもいい合える」関係がしっかりできているんだ、と思いました。
加治屋昌子先生がとても優しく、お話がとてもお上手で、気づくとふわっと巻き込まれてる!?そんな雰囲気を創り出し、個個のコメディカルが本来持つ個性が伸びやすい環境を整えている、そんな印象でした。同性としてとても憧れます★
★ぶー!ポイント★
最後になりましたが、
参加頂いた医療従事者のみなさま、
加治屋 昌子 先生 (上ノ町・加治屋クリニック 院長)
そして講演会のスタッフのみなさまに心から深く感謝申し上げます。
参加頂いたみなさま、ありがとうございました。
ー適材適食ー
小園亜由美(こぞのあゆみ)|管理栄養士・野菜ソムリエ上級プロ・健康運動指導士
*1:文中の表現は全ての人が対象ではない場合があります。現在治療中の方は必ず担当医や管理栄養士の指示に従ってください。食事療法は医療行為です。ひとりひとりの身体の状態に合わせた適切でオーダーメイドなカウンセリングが必要です。充分に注意してください。